第72話 暗躍する者達Ⅱ
―ジェラルド大陸最南端、マモン森林、廃城。
「ギリエル様、ディオス、只今任務より帰還致しました」
「うむ、ご苦労であった、してディオスよ、例の従魔使いの情報は手に入ったか」
「はい、人間に偽装し、アメリア王国周辺で情報収集を行った結果、例の従魔使いの情報を多く入手する事が出来ました、例の従魔使いの名はバノン、人間ではなくドワーフだそうです」
「何、ドワーフだと?」
ディオスの報告を聞いたビャハが笑い始めた。
「ビャハハハハハハハハッ! ドワーフって鉱山で鉱石掘ったり鍛冶場で武器作ったりするあのドワーフか? おいディオスぅ、冗談言うならもっと面白れぇ事言えって前にも言ったじゃねぇかよぉ」
ビャハの言葉を聞き、ディオスが怒る。
「ビャハ! 貴様私が冗談を言っていると言うのか! それ以上私を侮辱するならばたとえ仲間と言えど容赦せんぞ!」
「ビャハハハハハッ! 俺を殺すってのかぁ? やっと面白れぇ冗談を言ったじゃねぇかディオスよぉ」
「貴様…!」
「ディオス、ビャハ、下らない事で争うでない」
一触即発の空気だったディオスとビャハをギリエルが止めた。
「も、申し訳ありませんギリエル様…」
「ビャハハ、すいません…」
「分かればよい、ディオス、報告を続けろ」
ギリエルの言葉を聞き、ディオスが報告を再開する。
「例の従魔使いのドワーフですが、冒険者と呼ばれる人間達の間では知らない者はほとんどいないほど有名らしく、アメリア王国の王族とも通じているそうです、しかししばらく前にアメリア王国から居なくなったそうです」
「成程…その従魔使いのドワーフが今どこに居るかは分からぬのか?」
「残念ながら…」
ディオスの報告を聞いたブロストがギリエルに話しかける。
「ギリエル様、例の従魔使いがアメリア王国に居ない今が好機、再び魔物を送り込み、アメリア王国を潰しましょう」
プロストの言葉を聞きゼキアが口を開いた。
「愚かな…アメリア王国にはもうじき勇者達が戻って来るのだぞ、今攻めても勇者共に返り討ちになるのが目に見えている、それに勇者達をおびき寄せるためにどれだけの魔物を囮として使ったと思う、アメリア王国に向かわせたサイクロプス達は例の従魔使いの従魔によって全滅した、これ以上集めた魔物達を失っては計画に支障が出る」
「うむ…アメリア王国侵攻は後回しだ…ザハク」
「ハッ!」
ギリエルに呼ばれたザハクが立ち上がる。
「お前は彼の地に向かい例の計画を実行しろ」
「了解しました!」
「それと…これを持っていけ」
ギリエルが懐から、黄色の珠を取り出した。
「あのお方が我らのために作って下さった宝珠だ、もしもの時はこれを使え」
ギリエルはディオスに宝珠を渡した。
「お任せを! このザハク、この命に懸けて必ずや任務を成功させて参ります!」
「頼んだぞ…《総ては我らが主、魔人王様のために》」
「「「「「《総ては我らが主、魔人王様のために》」」」」」
「第37回次回予告の道ー!」
「さぁ今回も始まったこのコーナー!」
「冬も終わってそろそろ春だね…」
「そうじゃな…」
「早く春の昆虫たちに会いたいなぁ…おっといけない、次回予告をしないと…次回は再び私達の話に戻るよ」
「うむ、魔獣王がふぬけたと言うのは本当なのじゃろうか…」
「まあそれは会って見たら分かるよ、それでは次回『いざ大雪原へ』!」
「「それでは、次回をお楽しみに!!」」
・注意、このコーナーは作者の思い付きで書いているので次回タイトルが変更される可能性があるのでご注意下さい。
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