第71話 北からの使者

何だあの白狼は…この大樹海にあんな魔物が生息していたのか?


「スノーウルフじゃと…」

「スノーウルフ?」

「うむ、雪原に生息している魔物なのじゃが、なぜこの大樹海に居るのじゃ?」


私はスノ―ウルフに鑑定を使い、ステータスを見た。












ステータス

 名前:リュシル

 種族:スノ―ウルフ

 レベル:50/75

 ランク:B+

 称号:魔王のしもべ

 属性:氷

 スキル:統率、念話、俊足、気配探知

 エクストラスキル:氷の牙、冷気











 

 

魔王のしもべ!? しかもこいつネームドか。


まさかこの前のサイクロプスと何らかの関係が?


「ミミズさん、あいつ称号に魔王のしもべがある…しかもネームドだ」

「魔王のしもべ!? それは本当か!?」

「うん、あいつ何者なんだ?」


私達が警戒していると、スノ―ウルフが私を見た。


(あなたが魔蟲王ヤタイズナ様ですか?)


頭の中から声が聞こえてきた、恐らくあのスノ―ウルフが持っている念話と言うスキルで私の頭に直接語りかけたのだろう。


だがそれよりも私は別の事に驚いた。


何故私の名前を知っているんだ?


私が驚いていると、スノ―ウルフが頭を下げた。


(私の名はリュシル、魔獣王ヴォルグ様のしもべです)


「魔獣王のしもべ!?」


私が声に出して驚くと、ミミズさんが私を見た。


「魔獣王じゃと!? ヤタイズナよどういう事じゃ!?」

「いや、このスノ―ウルフ、多分念話ってスキルで私の頭に直接話しかけてきたみたいなんだけど、自分は魔獣王のしもべだって…」

「何じゃと!? そこのスノ―ウルフよ! 本当なのか!?」


ミミズさんがリュシルに話しかけると、リュシルはミミズさんを見る。


(はい、本当です、私は魔獣王ヴォルグ様のスキル野獣召喚(サモンビースト)によって生み出されたしもべです)

「おお! 魔獣王のスキルを知っているなら間違いない! リュシルとやら、魔獣王は今何処で何をしているのじゃ? まぁあ奴の事じゃ、相変わらず酒を飲んで酔っ払っているのじゃろう?」

(…実はその魔獣王様の事でお願いがあって私はヤタイズナ様に会いに来たのです)

「私に会いに?」

(はい、実は魔獣王様はここ数年ですっかりふぬけてしまいまして…)

「魔獣王がふぬけたじゃと!?」

(それで魔獣王様と仲が良かったと言うヤタイズナ様に魔獣王様を何とかしていただこうと思い、ヤタイズナ様の元に来たのです)

「成程…あれ、そう言えば何で私が魔蟲王だって事と私の居る場所が分かったんだ?」

(魔獣王様はよくヤタイズナ様の事を私に話してくれまして、ヤタイズナ様が棲んでいると言うこのランド大樹海に来た後、私のスキル気配探知で魔蟲王様の気配を探してここまで来ました)


成程…それで私の巣に着き、ガタク達は突然現れたリュシルに対して臨戦態勢を取っていた所に私達が帰って来たのか。


リュシルが私に頭を下げる。


(お願いしますヤタイズナ様、どうか魔獣王様に会いに来てはいただけないでしょうか)

「いや、それは良いけど…私は魔獣王の事を知らないんだよ」

(知らない? どういう事ですか?)

「話せば長くなるんだけど…」


私はリュシルに私がミミズさんの跡を継ぎ魔王になった事を話した。


「…と言う事なんだ」

(成程…つまりこちらの方が魔獣王様の知っているヤタイズナ様なのですね)

「うむ、今はミミズさんと言う名前じゃ」

(…何故名前にさん付けが入っているんですか?)

「…その辺は聞かないでくれると助かる」

(しかしなんにせよ、ミミズさん様が元魔蟲王である事は分かりました)

「それは良かった、ところで魔獣王に会うのはいいんだけどさ、その魔獣王は今何処に居るんだ?」


私の質問にリュシルが答える。


(魔獣王様はジェラルド大陸の最北端位置する場所にある雪原地帯、レイド大雪原に居られます)

















「第36回次回予告の道ー!」

「さあ今回も始まったこのコーナー!」

「謎の白狼の正体は魔獣王のしもべだったね」

「遂に他の六大魔王の名前が明らかになったのう」

「さて次回は私達以外の話になるみたいだよ」

「何? と言う事は久しぶりに小娘共が出るのか?」

「いや、どうやら違うみたいだね、それでは次回『暗躍する者達Ⅱ』!」

「「それでは、次回をお楽しみに!」」


・注意、このコーナーは作者の思い付きで書いているので次回タイトルが変更される可能性があるのでご注意下さい。

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