第69話 夏
ミーンミンミンミンミー…
ワシャワシャワシャ、シャアシャア…
「…夏だな」
クルーザーとの戦いから一週間が経過した。
季節は夏に変わり、私達が居るランド大樹海は日差しが強くなり、辺りに蝉の声が響き渡っている。
…というかこの大樹海に四季とかあるのかな。
その事についてミミズさんに聞いてみたら、「暑くなったり寒くなったりする事か? 確か900年前はそう言うのがあった気がするのう」だそうだ。
ミーンミンミンミンミー…
ワシャワシャワシャ、シャアシャア…
蝉たちの鳴き声が響き渡る。
今の鳴き声はミンミンゼミとクマゼミだな。
蝉はカメムシ目、セミ上科に分類される昆虫で、鳴く昆虫の一種として知られている。
成虫の身体は前後に細長い筒型で、頑丈な脚、長い口吻、発達した翅が特徴的だ。
飛翔能力はとても高く羽音を立てながらかなりの速度で飛べる。
そして蝉最大の特徴と言えばあの大きな鳴き声だ。
蝉の腹腔内には音を出す発音筋、発音膜があり、それを振動させ、共鳴室と鼓膜であの鳴き声を作り出しているのだ。
メスの成虫の腹腔は大きな卵巣で満たされ、尾部には硬い産卵管がある。
蝉が鳴く理由はスズムシと同じでメスを呼ぶために鳴くのだ。
蝉といえば日本では主に夏に成虫が出現するので、夏の定番昆虫の一つと言ってもいい昆虫だ。
だが春に成虫になるハルゼミや秋に成虫になるチョウセンケナガニイニイという蝉もいるのだ。
蝉の成虫は一、二週間しか生きられないなんて言われているが、これは飼育が難しく直ぐに死んでしまう事から来た俗説だ。
野生の蝉の寿命は三週間から一ヶ月ほどだ。
そもそも勘違いしている人が多いけど蝉は昆虫の中でも長寿なのだ。
蝉の幼虫は産まれると直ぐに地中に潜り始め、木の根付近に辿り着くとそこに自分専用の部屋を作り、そこから木の根に口吻を突き刺し、樹液を吸いながら暮らす。
地中で暮らす期間は三年から最大で十七年に達する、幼虫の期間だけでもとても長寿な昆虫なのだ。
あと蝉は鳴き声と鳴く時間が種類によって異なるのだ。
たとえば日本産の蝉類ではクマゼミとミンミンゼミは午前中に、アブラゼミとツクツクボウシは午後、ヒグラシは朝夕、ニイニイゼミは早朝から夕暮れまでと鳴く時間が大別される。
今は午前中なのでミンミンゼミとクマゼミが多く鳴いている。
懐かしいな…昔はよく山や森林でいろんな蝉を捕まえて標本を作ったり、セミの抜け殻を集めてコレクションしたりしてたなー。
そうだ、折角だし夏の大樹海を探索してくるか、いつもと違う虫が見られるかもしれないしな。
私は身体を起こし、森の中へと向かう。
「ん? ヤタイズナ、どこに行くのじゃ?」
「ああミミズさん、ちょっと散歩に行こうと思って」
「そうか、なら儂もついて行って良いか? 少し暇でな」
「良いよ、それじゃあ行こうか」
私とミミズさんは森の中へと散歩に向かった。
「第34回次回予告の道ー!」
「皆さんお久しぶり、ヤタイズナです」
「ヤタイズナ! 今までどこに行っていたのじゃ! お前が居ない間色々大変だったのじゃぞ!」
「ごめんごめん、ちょっと野暮用があってね」
「まぁ良いわ、それでは次回予告を始めようと思うが、今回の話、蝉の事しか喋っていないのう…」
「作者がもうすぐ夏も終わってしまうから夏らしい話を書こうとしたらこうなったらしいよ」
「全く…」
「それでは次回、『大樹海探索・夏の陣』!」
「「それでは、次回をお楽しみに!!」」
・注意、このコーナーは作者の思い付きで書いているので次回タイトルが変更される可能性があるのでご注意下さい。
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