第65話 カブトvsムカデⅠ
私はキングテールシザーを喰っているクルーザーを鑑定し、クルーザーのステータスを確認した。
ステータス
名前:クルーザー
種族:ヘルセンチピード
レベル:60/100
ランク:A-
称号:地底洞窟の守護者、暗殺者
スキル:猛毒の牙、毒耐性レベル4、怪力鋏、粘着の息吹
エクストラスキル:昆虫の重鎧、自己修復
ユニークスキル:穴堀の達人
クルーザーの奴最初に出会った時よりも強くなっている、レベルも上がっていて、スキルも増えている。
クルーザーは食事に夢中でまだこちらに気付いていない、今がチャンスだろう。
「ミミズさん、どこかに隠れて…」
「安心せいっ! 儂の事は構わず戦うのじゃ!」
いつの間にかミミズさんは私から約100メートル程離れていた。
「…まぁいいか、《炎の角》、《斬撃》!」
私はクルーザー目掛けて炎の斬撃を撃ち出した!
炎の斬撃はクルーザーの胴部に命中し、クルーザーの脚を数本切り落とした!
「キシャアアアアアッ!?」
突然の激痛でクルーザーは叫びを上げた。
「キシャアア…!」
クルーザーはこちらを向き、私を凝視した。
「ギシャアアアア!」
クルーザーが叫びを上げると、私が斬撃で斬られた部分がボコボコ…と音を立てた。
何だ? と思っていると斬られた部分から新しい脚が生えてきた!
恐らくエクストラスキル自己修復によって再生したのだろう。
「ギシャアアアアアアアアッ!!」
クルーザーが私目掛けて突進してきた!
私は横に跳びクルーザーの突進を回避する!
「キシャアアア!」
「ぐはぁっ!?」
しかしクルーザーの胴部が鞭のようにしなり私を壁に叩き付けた!
「ぐぅっ、《炎の角》!」
私は直ぐに態勢を整え、炎の角でクルーザーの胴部を焼き斬った!
「キシャアアアアア!?」
クルーザーの胴部に大きな斬り傷が出来るが、徐々に傷口が再生し始めた。
くそっ、どうやら自己修復は自己再生とは違い、炎系の攻撃で出来た傷も治せるのか。
「キシャアアアアア!」
クルーザーが叫ぶと、クルーザーの顎肢が鋭く伸び、さらに毒々しい色の液体が滴っていた。
クルーザーのスキル猛毒の牙だろう。
「キシャアアアアアッ!」
クルーザーが猛毒の牙で私を攻撃する!
「ふんっ!」
私は炎の角で猛毒の牙を防ぐ!
「うおおおおおおっ!」
「キシャアアアアア!」
炎の角と猛毒の牙がぶつかり合う!
「おらぁぁっ!」
「キシャア!?」
私は角に力を込め、クルーザーを弾き飛ばした!
「《斬撃》!」
私は斬撃を撃ち出す!
「キシャアアアア!?」
炎の斬撃がクルーザーの頭部に命中し、クルーザーの頭部に傷を作る。
「キシャアアアアア…」
しかし再び徐々に傷が再生していく。
自己修復…厄介だな、サイクロプスの時と違って炎系の攻撃で作った傷も治ってしまう、どうしたものか…
私がそう考えていると、クルーザーの様子がおかしい。
「キシ、キシャ…」
待てよ、この行動…確かアントエンプレスが強酸の息吹を吐き出すときの!
「キシャボォアァァァァァァ!」
クルーザーが緑色の液体を吐き出した! 恐らく粘着の息吹というスキルだろう。
私は後ろに跳び液体を避ける、しかし右前脚に掛かってしまう。
「くっ!」
私はクルーザーに距離を置き、液体が掛かった右前脚を見る。
右前脚には特に異常はないようだ。
「キシャアアアアア!」
クルーザーが尻尾部を鞭のようにして私を攻撃する!
私は上に跳んで攻撃を回避し、地面に着地する。
「キシャアアア!」
クルーザーが再び尻尾攻撃を繰り出す!
私は再び回避しようとした時、右前脚に違和感を感じた。
「あ、脚が離れない!?」
さっきの液体が硬化して、右前脚と地面がくっついてしまったのだ!
くそっ、さっきの液体は時間が経過すると接着剤のように固まるものだったのか!
「キシャアアア!」
クルーザーの尻尾が私に迫る! 間に合わない!
クルーザーの尻尾が私の身体を直撃する!
「ぐはぁぁっ!?」
私は地面に叩き付けられる!
「痛ってぇ…」
「キシャアアアアア!」
私が起き上がると同時にクルーザーが猛毒の牙で私を襲う!
「くそっ、ふん!」
私は角で地面を掘り、右前脚を地面から外した!
「《炎の角》! おらぁっ!」
私は炎の角で猛毒の牙を弾き、後方に下がって態勢を整える。
困ったな…さっきの粘着の息吹を狭い洞窟通路の中で吐かれまくったら厄介だぞ…もっと広い空間なら空から攻撃できて有利なんだけど…そうだ!
クルーザーを最深部までおびき寄せよう、あそこは広いから自由に飛べる。
そうと決まれば!
私はクルーザーに突進する!
「キシャアアアアア!」
クルーザーが猛毒の牙で私を攻撃する!
「なんのっ!」
私はクルーザーの猛毒の牙を避け、クルーザーを通り抜け、洞窟通路を走る!
「キシャ!? キシャアアアアア!」
クルーザーが怒りの声を上げ、私を追いかけてくる。
よし、このまま最深部までおびき寄せてやるぞ!
私はクルーザーとつかず離れずの距離を保ったまま、最深部に向かって一直線に走った。
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