第64話 地底洞窟再びⅡ
クルーザーと戦う…私がAランクに進化した時からもうすぐだと思っていたが、遂にこの時が来たのか。
初めてクルーザーが現れた時は逃げるしかなかったが、今の私なら奴と十分に戦えるはずだ。
「分かった、地底洞窟に行こうミミズさん」
「うむ、気合十分のようじゃな、では行くぞ、地底洞窟に!」
私達は地底洞窟を目指して出発した。
ランド大樹海、中央。
私はミミズさんと共に大樹海の中央に来ていた。
何故私達だけなのかと言うと、ミミズさんが出発前にこう言っていた。
「良いかヤタイズナよ、今回はお主一人で戦うのじゃ」
「何で?、多数で戦った方が有利じゃないか、サイクロプスの時だって皆で戦ったじゃないか」
「確かに部下を率いて戦うのも魔王として大切な事じゃ、しかし魔王たるもの、己が一人の力だけで敵をねじ伏せ勝利を得るもの、これも立派な魔王になるために必要な事なのじゃ!」
とよく分からない事を言っていた。
そう言うわけで、私とミミズさんだけで地底洞窟に向かい、ガタク達には留守番をしてもらった。
「ところでミミズさん、今から行くのは前に私達が地下から大樹海に出てきたトンネルだよね?」
「いや、今回はそのトンネルは使わん、地底洞窟の入り口に向かうぞ」
「え? 何で? あのトンネルを使えば直ぐに最深部まで行けるじゃんか」
そう、ミミズさんが掘ったあのトンネルは地底洞窟最深部まで直で繋がっているのだからあのトンネルを使った方が速いはずだ、なのになぜ使わないんだ?
私がそう思っているとミミズさんが誇らしげに話始めた。
「うむ、それはじゃな…トンネルの場所を忘れてしまったからじゃ!」
「《炎の角》!」
私はミミズさん目掛けて炎の角を振った。
「ぬおおおおお!? お主何をするのじゃ!?」
「うるさいよ! どんな理由があるかと思ったらトンネルの場所を忘れたって馬鹿じゃないの!?」
「一ヶ月以上前に急遽掘ってから直ぐにあの場所から移動したのじゃ、忘れてても仕方なかろう!」
「まったく…もう良いや、この話は止めてさっさと洞窟の入り口に行こうよ、…まさかと思うけどその入り口の場所まで忘れた何て言わないよね?」
「それは大丈夫じゃ! あと数分もすれば入り口に辿り着くはずじゃ」
それから数分後、地面が盛り上がっている場所に着いた。
「ここだったはずじゃが…お、あったぞ!」
ミミズさんが向かった先の地面に大きな穴があった。
「ここが入り口…」
「うむ、ここから地底洞窟に入れるのじゃ、では行くぞ」
私達は入り口を通り、洞窟内部に入った。
「ヤタイズナよ、ここからはどこからクルーザーが出てくるか分からん、気を引き締めていくのじゃぞ」
「分かった」
私達は最深部目指して進んで行く途中、テールシザーや、ボールバグと遭遇し、戦闘になったが、今の私の敵ではなく、楽に倒せた。
私達は地底洞窟を順調に進んで行くと、前方に何かが居るのが見えた。
「何じゃ?」
「何だ、あれ?」
前に進んで行くと、前方の何かの正体を確認した。
「あれって…テールシザーか?」
前方にいた何かの正体はテールシザーだった。
しかし、普通のテールシザーとは違う部分があった、それは…
「大きい…」
そう、大きいのだ、普通のテールシザーは大体1メートルなのに対してこのテールシザーは2メートル半はあるのだ。
体のサイズもそうだが、尻尾の鋏もとてつもなく大きい、あれで挟まれたらただでは済まないだろう。
私は巨大テールシザーを鑑定し、ステータスを確認した。
ステータス
名前:無し
種族:キングテールシザー
レベル:10/50
ランク:B
称号:無し
属性:地
エクストラスキル:剛力鋏
キングテールシザー…Bランクの魔物か、結構な大物だな…
「ギシャアアアア…!」
キングテールシザーが私達に気付き、戦闘態勢を取る。
「やる気のようだな…だったら進化した力をこいつで試してみるか」
「ヤタイズナよ、そんな奴蹴散らしてしまうのじゃ!」
「ギシャアアアア!」
キングテールシザーが咆哮する!
「行くぞ! 《炎の角》!」
私は炎の角を使い、キングテールシザーに突進しようとした、その時。
地面から長い体の魔物が飛びだし、キングテールシザーに巻き付いた!
「ギシャアアアア!?」
キングテールシザーは巻き付いた魔物を振りほどこうと暴れまくる!
巻き付いた魔物はキングテールシザーの喉元に噛み付いた!
「ギシャ、ギシャアアアア…」
キングテールシザーはもだえ苦しみながら暴れるが、徐々に弱っていき、ついに動かなくなった。
「キシャァァァァァァ!」
魔物がキングテールシザーを喰い始めた。
私はキングテールシザーに巻き付いた魔物を見る。
全長3メートルはある細長い身体、胴部に生えた無数の脚、頭部の触覚と巨大な顎肢、間違いない。
「クルーザー…!」
「第31回次回予告の道ー!」
(今回もこのコーナーが始まりました)
「今回はお主かソイヤー…」
(次回、遂に主殿とクルーザーとの一騎打ちが始まります! 主殿は全身全霊を懸けて戦い、きっと勝利してくれます!)
「ソイヤーの言う通りじゃ! ヤタイズナなら絶対に勝てると信じておるぞ!」
(次回『カブトvsムカデ』! それでは、次回をお楽しみに!)
・注意、このコーナーは作者の思い付きで書いているので次回タイトルが変更される可能性があるのでご注意下さい。
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