第59話 国王
「こ、国王様が俺に!?」
爺やさんの言葉を聞き、バノンが驚きの声を上げる。
「はい、サイクロプスを倒し、この国を救ってくれたバノン様に礼を言いたいそうです」
「ほ、本当ですか?」
「はい、ですが今日はもう遅いので、明日王城に来てほしいそうです、よろしいですか?」
「は、はい分かりました」
「では、私はこれで失礼いたします」
要件を言い終わると爺やさんは部屋から出ていった。
「はっ、やっと消えたかい」
「バノンさん凄いじゃんー! 小父さんが直々にお礼を言いたいなんてー」
「お、小父さん!?」
ウィズの言葉を聞き、バノンが驚く。
「どうしたの?」
「バノンはウィズが国王の事を小父さんって呼んでることに驚いてるんだと思うよ」
「? お姉ちゃんのお父さんの事を小父さんって呼ぶのがそんなに驚くことなの?」
「普通、一国の王を小父さんて呼ぶ人なんて居ないんだよ」
「???」
ウィズが不思議そうに首をかしげる。
分かってはいたけど、ウィズって色々と凄い娘なんだよな。
父親が国王の親友で、自分は王女様と幼馴染で、更にお祖母ちゃんはギルドマスター。
そんな人、滅多にいないだろうな。
「じゃあ明日は国王に会いに行くから、今日はもう帰って寝た方が良さそうだね」
「それじゃあ私の家に行こうかー、じゃあねお祖母ちゃん、また来るねー」
「じゃあねウィズ、ちゃんと歯を磨くんだよ」
私達はギルドから出て、ウィズの家に戻り、食事をして眠った。
翌日。
私達は王城の前に来ていた。
「しかし、昨日爺やさんの話を聞いた時は驚いたよね、まさか王様がバノンに会いたいとは」
「まぁ当然ではないか? ふりとは言えこの国の危機を救った言わば英雄みたいなもんじゃからのう」
「そうなんだよねぇ、ん? バノン大丈夫?」
「だ、大丈夫…」
バノン、物凄く緊張してるな…無理もないか、これから一国の王に会うんだしな。
バノンが門兵に話しかける。
「すみません、国王様に呼ばれて来た、バノンですが」
「お待ちしていましたバノンさん、話はすでに聞いています、どうぞお通り下さい」
私達は城門を通り、城の中に入る。
すると前から爺やさんやって来た。
「お待ちしておりました皆様、陛下は玉座の間に居られます、どうぞこちらへ」
「は、はい」
私達は爺やさんについて行く。
しばらく歩くと、大きな扉の前に着いた。
「こちらに陛下が居られます、どうぞお入りください」
扉が開き、私達は中に入った。
「陛下、バノン様をお連れしました」
「そうか、ご苦労」
玉座の間に入ると、40代後半ぐらいの、顔立ちが整った男性が玉座に座っていた。
この人がオリーブのお父さんか…
「待っていたぞ、私がアメリア王国の王、ラグナ・アメリアだ」
「お初にお目にかかります、国王様、バノンと申します」
「うむ、まずはこの国を救ってくれたことにとても感謝している、この国の民達を救ってくれたことに礼を言う、それで後ろに居るのがお主の従魔達か」
「はい、そうです」
国王が私達を見る、そして国王の視線が私で止まる。
そしてそのまま私を見る。
「その従魔がサイクロプスを倒したと言う従魔か?」
「はい、そうです」
「そうか、所でバノンよ、お主に褒美を取らせようと思うのだが、何か欲しい物はあるか?」
「褒美ですか? そうですね…」
バノンが私を見て、再び国王を見た。
「では、この国の美味しい食べ物をいただけないでしょうか?」
バノンの言葉を聞き、国王は目を丸くする。
「そんなもので良いのか?」
「はい、駄目でしょうか?」
「いや、駄目ではないが、褒美に食べ物を欲した者は初めてであったので少し驚いただけだ、良かろう、明日にはこの国の美味しい食べ物をお主に渡そう」
「有り難うございます」
「うむ、では行って良いぞ」
「はい、では失礼します」
私達は玉座の間から出ていった。
「バノン、良かったの? 何でも欲しい物が手に入ったんだよ?」
「良いんだよ、それにお前達だってそっちの方が良かったろ?」
「まぁね」
「ヤタイズナさーん」
私達の元にウィズがやって来た。
「どうしたのウィズ?」
「小父さんとの話は終わったんでしょう? だったら一緒に庭園にいるお姉ちゃんに会いに行こうよー」
「オリーブに、そうだね、進化した姿も見せてあげたいし、それじゃあ行こうか」
私達はオリーブに会うために庭園に向かった。
「第29回次回予告の道ー!」
(さぁ今回も始まったでありますこのコーナー!)
「「「「「ギチチチチチチチィィィィィィィィィ!!!」」」」」
「おいレギオンちょっと待てぇ!」
(どうしたでありますか非常食殿?)
「何でお主がこのコーナーに居るのじゃ!? そしてなぜお主が仕切っているのじゃ!? ヤタイズナはどうした!?」
(魔王様から今回はお前がこのコーナーを仕切るんだと言われたので、自分が魔王様の代わりにこのコーナーを仕切っているのであります!)
「あ奴め…と言うかこのコーナーを仕切っているのは儂じゃろうが!」
(では早速次回予告をするであります)
「無視するなぁっ!」
(次回はオリーブ姫の元へ向かうであります、進化した魔王様を見て、オリーブ姫はどのような反応をするのか? それでは次回、『アメリアからの旅立ち』! お楽しみにであります!)
「儂のコーナーが乗っ取られた…」
・注意、このコーナーは作者の思い付きで書いているので次回タイトルが変更される可能性があるのでご注意下さい。
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