第57話 暗躍する者達

ジェラルド大陸の最南端に位置する地域、マモン森林。


薄暗く不気味な森で、人が立ち寄らない事から別名魔境と呼ばれている。


この森はかつてとても大きな国があったとされているが、詳しい事は解明されていない。


しかし、この森の中央にある廃城の存在が、この森が元々国だったと分かる唯一の証拠だ。


そして、現在この森には魔人と呼ばれる種族が生息している。


魔人はその姿は人間とあまり変わらないが、唯一違う所があるとすれば、頭部に角が生えている事だ。


角の数と形は一人一人で異なり、角は魔人達の象徴であり、誇りでもある。


魔人は廃城の周囲に集落を作り暮している。


そして今、廃城の一室にある円卓に、6人の魔人が集まっていた。












「…アメリア王国に向かわせた魔物達が全滅したと言うのは真か? ディオスよ」


黒い鎧を纏った魔人、ギリエルが緑の鎧を纏った魔人、ディオスに質問した。


「はい、間違いありません…」


ディオスの言葉を聞き黄色の鎧を纏った魔人、ザハクがテーブルに拳を叩きつけた。


「ありえん! あのサイクロプスが倒されたと言うのか!?」


赤い鎧を纏った魔人、ビャハが笑い出した。


「ビャハハハハハハハハッ! おいディオスぅ、冗談言うならもっと面白い冗談言えよなぁ!」

「冗談なんかでは無い! 本当に全滅したのだ!」

「落ち着くのだディオス、しかしアメリア王国はどうやって六千を超える魔物を倒したのか…」


青い鎧を纏った魔人、ブロストがギリエルに話しかける。


「やはりアメリア王国に召喚された勇者達の仕業では?」


その言葉を聞き、白の鎧を纏った魔人、ゼキアが口を開いた。


「それは無いだろう、勇者共は西の魔物達の討伐に向かっていて、戻るのに時間がかかっているはずだ」

「では一体誰が?」

「ディオスよ、何か情報は無いのか」

「…実は私の部下が視覚共有のスキルでサイクロプスと視覚を共有していたのですが、その者の話ではサイクロプスを倒したのは一本角の魔物だそうです」

「一本角の魔物? ユニコーンか」

「いえ、見たこともない魔物だったそうです、六本の脚と硬い甲殻を持っていたそうです」

「ふむ、その魔物、人間が従えている従魔で間違いはあるまい」


ギリエルの言葉を聞き、ザハクが口を開く。


「しかし信じられん、あのサイクロプスはあの方の御力によって力だけならAランクに匹敵していたはず、それを倒せる魔物を使役できる人間が居るのだろうか?」

「それだけではないのです、部下の情報ではその魔物の他に6体の魔物がサイクロプスと戦っていたそうです、恐らく全て同じ人間の従魔だと思われます」

「何だと!?」

「ビャハハッ、マジかよ!」

「七体の従魔を従える人間、それが事実ならばその者、勇者に引けを取らぬ強者であることは確かであろう…ディオスよ、その従魔使いの姿は分からないのか?」

「申し訳ありません、姿までは見ていないようです」

「ならばやるべきことは一つ、ディオス、お前の部隊はアメリア王国周辺に行き、その従魔使いの情報を集めよ」

「はっ、かしこまりました」

「他の者達は引き続き計画を進めろ」


「御意に」

「ビャハハハッ! お任せを!」

「仰せのままに」

「了解した」


「この世界を必ずあのお方に…《全ては我らが主、魔人王様のために》」



「「「「「《全ては我らが主、魔人王様のために》」」」」」



邪悪なる者達が世界を手に入れるために暗躍し始めた。






その頃ヤタイズナは、二度寝の最中であった。


















「第27回次回予告の道ー!」

「と言うわけで今回も始まったこのコーナー!」

「段々と話が進んできたね」

「そうじゃのう、さぁ今回も早速次回予告を始めるぞ!」

「次回は王国に戻り、再びウィズのお祖母ちゃんと会うみたいだね」

「うむ、それでは次回『王国への帰還』!」

「「それでは、次回をお楽しみに!!」」


・注意、このコーナーは作者の思い付きで書いているので、次回タイトルが変更される可能性があるのでご注意下さい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る