第49話 爆発する感情

「お、オリーブ!? どうしたんですか急に!?」

「ヤタイズナさん、会いたかった…会いたかったですよぉ…」

「落ち着いて下さいオリーブ、どうしたんですか本当に!?」

「お姉ちゃんヤタイズナさんと再会できて嬉しそうー」

「はぁぁぁ…このツヤツヤとした触り心地…やっぱり最高です…」


私に抱き着いたオリーブはうっとりとした表情で私を撫で始めた。


「うふふふふ…」

「これはもしかして…また前と同じでオリーブが満足するまで撫で続けられないといけない展開なのかな、ミミズさん」

「まぁそうじゃろうな」

「私、お茶とお菓子持ってくるねー」

「またあのクッキーが食べられるので御座るか⁉」

(わーい! ぼくくっきーだいすき~♪)

(クッキーって何ですか?)

「そう言えばパピリオはクッキーを食べたことはなかったで御座るな」

(くっきーっていうのはねー、あまくてさくっとしたとってもおいしいたべものだよー♪)

(そんなに美味しいんですか?)

(うん! パピリオもぜったいきにいるよー♪)


ミミズさん達はに私がオリーブに撫でられている間、この前のように庭園でティータイムを楽しむようだ。


…私もクッキー食べたいなぁ。


「はぁぁ…ヤタイズナさん…」


…まぁ仕方ないか、オリーブも大好きなカブトムシに久しぶりに会えてテンションが上がっているんだろう。

ここはオリーブが満足するまで待つとしよう。


そう思いながらオリーブに撫で続けられていると。


「姫様! 先程姫様の叫び声が聞こえてきたのですがどうなされたのですか…」


一人の老執事が庭園に慌ててやって来た。


そして私を撫でまくっているオリーブを見て固まった。

しかし数秒もしない内に動き出した。


「姫様!? 何をなされているのですか!?」

「何って見てわからないんですか爺や? ヤタイズナさんを撫でさせてもらっているんですよ、…はぁぁ…この肌触りがたまりません…」

「それは魔物ではないですか!」

「はい、ヤタイズナさんは魔物ですけどそれがどうしたのですか?」

「姫様はこの国の第二王女なのですよ! そのような方が汚らわしい魔物などに触れてはいけませぬ! 病気をうつされてしまいますぞ!」


汚らわしいだって!


失礼な、毎日身体は綺麗にしてるし病気だってちゃんと予防してるから大丈夫なんだぞ!


この爺やと言う人は魔物に対して少し偏見があるみたいだな…少し文句を言ってやろう。


そう思い私が口を開こうとした時。


「…汚らわしい?」


オリーブが普段では考えられないような低い声を出した。


…あれ? 何か寒気が…


オリーブが私を撫でるのを止めて爺やの元に歩いて行く。


「爺や…今ヤタイズナさんの事を汚らわしいと言いましたか?」

「は、はい言いました…ですが汚らわしいのは事実で…」



「汚らわしいのは爺やの方です!!」



「わ、私が!?」

「そうです! 爺やは昔私がカブトムシさんの事や虫さん達のを話している時は笑顔で聞いていてくれていたのに…今では私に虫と戯れるのはもうやめろなんて言うようなりました…爺やはこの数年の間に心が汚れてしまったんです!」

「そ、それは姫様のためを思って…」

「ヤタイズナさんは私の事を理解してくれる素敵な方なのに、それを汚らわしいと言うなんて…もう爺やなんて大嫌いです! もう顔も見たくありません! この庭園から出ていってください!!」

「ひ、姫様…」


爺やは悲しそうな顔をした後、そのまま城の中に戻って行った。


…何か少し可哀想だな…


「ヤタイズナさん、撫でるのを続けても良いですか?」

「あ、はい良いですよ」

「ありがとうございます! では…」


オリーブは幸せそうな表情で再び私を撫で始めた。



















「第21回次回予告の道―!」

「と言うわけで今回も始まったこのコーナー!」

「オリーブって怒らせると少し怖いね」

「そうじゃのう、まぁそれだけお主の事が好きなのじゃろう」

「ここまでカブトムシの事を愛してくれる女の子に出会えるなんて…この世界に来て良かったと思うよ」

「…相変わらず気付いておらんなこやつは」

「さて、それでは次回『仲直り』!」

「今回は次回の事全く説明しとらんな…まぁ良いか」

「「それでは、次回をお楽しみに!」」



・注意、このコーナーは作者の思い付きで書いているので次回タイトルが変更される可能性があるのでご注意下さい。

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