第47話 二度目の旅立ち
昼食を食べ終えた私はウィズに話しかけた。
「ところでウィズ、私の所に来たと言う事は私に何か用があるってことだよね?」
「うん! 実はねーまたお姉ちゃんに会いに来てほしいのー!」
「オリーブに?」
「うん、ヤタイズナさんが大樹海に帰ってから一ヶ月経つけど、お姉ちゃんずっと元気がなくて…毎日のようにヤタイズナさんに会いたいって言ってるの…だからお願いヤタイズナさん、お姉ちゃんに会って、お姉ちゃんを元気づけて欲しいの!」
「成程…分かった、オリーブに会いに行こう」
「本当!? ヤタイズナさんありがとー!」
オリーブ、あなたの気持ち、私には痛いほど分かります。
私だって大好きなカブトムシと一ヶ月も離れていたら、元気を無くし、憂鬱になってしまうだろう。
同じカブトムシを愛する者として放っては置けない!
こうしてはいられない、直ぐにオリーブの元に向かい元気づけてあげなければ!
「よし、それじゃあ出発の準備をしよう、レギオン、巣から食料を持ってきてくれ」
(了解であります!)
私の言葉を聞き、レギオンが巣に向かう。
「さて、あとは王国に向かうメンバー決めかな…」
前と同じように私とミミズさん、バノンは固定として、他は誰を連れていこうかな…
私がそう考えているとしもべ達が目を輝かせて私に近寄って来た。
「やはり今回も拙者がご同行するで御座る!」
(ぼくもー♪)
(いいえ、今回はこのソイヤーが主殿に同行します!)
(私だってご主人さまと一緒に行きたいです!)
(俺、ご主人と一緒に行きたい、言う)
(カトレアもご主人様と一緒にアメリアと言う所に行ってみたいですわ)
(僕は生まれたばかりなのでよく分かりませんが…ご主人と一緒に外の世界を見てみたいですね)
しもべ達は自分が一緒に行くと私に主張している。
「拙者は殿の一番のしもべ! 故に拙者が同行するのは必然なので御座る!」
ガタクの言葉を聞き、他のしもべ達がガタクに反論した。
(なにいってるのー! ぼくがさいしょにごしゅじんにしょうかんされたんだから、ごしゅじんのいちばんのしもべはぼくだよー!)
(いや! 主殿への忠義は私が一番! 私こそが主殿の一番のしもべなのです!)
(わ、私だってご主人さまへの忠誠心は誰にも負けない自信があります!)
(俺、俺がご主人の一番のしもべ、言う)
(いいえ、このカトレアこそがご主人様を一番に慕う者、だから私がご主人様の一番のしもべなのですわ!)
(僕は生まれて間もないけれど…ご主人の一番のしもべにはなりたいですね)
「とにかく! 殿といっしょに行くのは拙者で御座る!」
(ちがうよぼくだよー!)
(いえ、このソイヤーが!)
(私です!)
(俺、俺が行く、言う)
(カトレアが行きますわ!)
(僕が行きたいですね)
「どうするヤタイズナよ? 皆お主と一緒に行きたくて仕方ないようじゃが…」
「皆本当にヤタイズナさんの事が大好きだねー」
「うーん…どうしようかな…」
私が悩んでいるとウィズが私に提案してきた。
「そうだ!もうこの際7匹皆連れていっちゃおーよ!」
「ええっ!?」
「それが良いよー! お姉ちゃんも絶対喜ぶと思うよー!」
「成程…」
「阿保かお主! 全員連れていったら絶対大騒ぎになるじゃろうが!」
「大丈夫だよー珍味さん、皆バノンさんの従魔って事にすれば問題ないってー」
「だから珍味さんじゃなくてミミズさんじゃと言っとるじゃろうが! お主絶対わざと間違えとるじゃろう!」
「どう? ヤタイズナさん」
確かにいい案ではある、虫が大好きなオリーブにカブトムシ以外の虫を見せてあげたい。
それに他のしもべ達にも外の世界を見せてやりたいし。
「良し! それじゃあ皆連れて行こう!」
(ほんとうにー!? ありがとーごしゅじん♪)
「流石は殿で御座る! 全員を連れて行かれるとは…誰が殿と一緒に行くかで争っていた拙者達など殿の寛大な心の前では無力なのだと改めて思い知らされたで御座るよ!」
(このソイヤーも主殿の懐の深さに感激しました!)
(ご主人さま素敵ですー♪)
(俺、流石ご主人、言う)
(カトレアもご主人の優しさに感動いたしましたわ)
(本当、素晴らしい方ですねご主人は)
しもべ達が全員で私を褒め称える。
「いや、別にそこまで褒め称えられるような事してないんだけど…まぁいいか」
その後、出発の準備を済ませた私達は夕食を食べて寝ることにした。
そして翌日。
私達は出発の準備を済ませ、バノンが作ってくれた角輪を付けた。
「それじゃあレギオン達、巣の事は任せたぞ」
(了解であります! 魔王様達が居ない間、この巣を絶対守って見せるであります!)
『ギチチチチチィィィィィィィィ!!!』
「よし、それじゃあ出発だ!」
『おおー!』
私達はアメリア王国に向けて出発した。
「第19回次回予告の道―!」
「と言うわけで今回も始まったこのコーナー!」
「今回は7匹のしもべ達を連れてアメリアに向かったね」
「結局今回も俺の出番は無かったな…」
「ば、バノン…大丈夫だよ、アメリア王国に着けば嫌でもバノンの力が必要になるからね」
「うむ、だからそんなに落ち込むのはやめるのじゃ」
「そうか…そうだな! 次回は俺の出番があるってだけで元気が湧いてきたぜ!」
「その意気だよ! それでは次回『オリーブとの再会』! お楽しみに!」
・注意、このコーナーは作者の思い付きで書いているので次回タイトルが変更される可能性があるのでご注意下さい。
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