第46話 ウィズとの再会

「…お腹空いたなー…」


時は少し遡り、ヤタイズナがガタクとミミズさんと散歩に行く時、ウィズはヤタイズナ達に会いに行くため大草原を歩いて大樹海に向かっていた。


「うぅ~…こういう事ならもっと食料を持ってくればよかったなー」


ぐうぅぅぅぅ~…


ウィズの腹の虫が鳴る。


「はぁ…ん?」

「グルルルルルル」


ウィズが前を見ると、前方からグレーウルフの群れがウィズの元に向かって来ていた。


「グレーウルフだー! ちょうどいい時に来たねー!」


グレーウルフを見たウィズは眼を輝かせて、背中に背負っている大剣を引き抜いた。


「今日の夕飯はグレーウルフの焼肉に決まりー!」

「ガルァアアアアアア!!」


一匹のグレーウルフがウィズに飛びかかる!


「えーいっ!」

「ギャインッ!?」


ウィズは大剣を振りグレーウルフの身体を両断した。


「ガルルルルル…」

「まずは一匹目! あとは…ひーふーみー…8匹かー、ヤタイズナさん達へのお土産に三匹ぐらいは食べないで残しとこうっと」

「ガルァアアア!」

「ガァアアアア!」


グレーウルフ達が一斉にウィズに襲いかかる!


「よーし! 皆焼肉にしてやるぞー!」


















ガタクが進化した翌日の昼、私は進化したガタクの力を知るためにガタクと模擬戦をすることにした。


「ガタク、相手が私だからって手加減するんじゃないぞ?」

「お戯れを、殿相手に手加減など逆に失礼で御座るよ! 拙者の全身全霊を殿にお見せするで御座る!」

「その意気だ! 行くぞ!」

「いざ参るで御座る!」


私とガタクは同時に突進し、私の角とガタクの大顎がぶつかる!


「ぐわああっ!?」

「ぐおおおっ!?」


衝撃で私とガタクは後ろに吹き飛ぶ!


私は直ぐに態勢を整えガタクに向き直る。


「《斬撃》!」


私は角を振り、斬撃をガタクに打ち出す!


「ならばこちらも、《斬撃》!」


ガタクも斬撃を打ち出し私の斬撃とガタクの斬撃がぶつかり相殺される!


「《鎌鼬》!」


ガタクが鎌鼬を使い、無数の風の刃が私を襲う!


「ちぃっ!」


私は横に飛び鎌鼬を回避しようとしたが、背中に鎌鼬を一つ喰らってしまった!


「ぐぅっ」


私は風属性耐性を持っているから風系のダメージは軽減しているはずだが、最初に食らった時よりもダメージが強い気がする。


やはり進化したことで鎌鼬も威力が強くなったようだ。


「《炎の角》!」


私の角に炎が纏われる。


「《風の大顎》!」


その言葉と共にガタクの大顎に風が纏われていく。


あれはたしか進化して手に入れたユニークスキル!


「行くで御座る!」


ガタクが私に突進し、大顎を開き私に襲いかかって来る。


私はガタクの攻撃を避けるが、ガタクはそのまま私の後ろにあった木を挟んだ。


挟まれた木はスパァァン! と言う音を立てて真っ二つに斬られて地面に木が倒れる。


何て切れ味だ、あれをまともに喰らったらいくら私の身体が硬いとはいえ簡単に両断されそうだ。


「まだまだ行くで御座る! 《鎌鼬》!」

「くぅっ!」


私は鎌鼬を避け、ガタクの懐に入り、炎の角を振る!


「喰らえっ!」

「なんのっ!」


ガタクは風の大顎で私の炎の角を防いだ。


「ちぃっ! はあああああ!」


私はガタクの足場の地面に角を突き刺し、そのまま地面を掘り起こした!


「ぬあっ!?」


足場が崩れたガタクはバランスを崩し、隙が生じる。


「隙あり! うおおおおお!!」


私は一瞬の隙をつき、ガタクの腹下に角を滑り込ませ、そのまま投げ飛ばした!


「ぐおおおおおお!? がはぁ!?」


投げられたガタクは木に叩き付けられそのまま地面に落ちる。


私は倒れたガタクに角を突きつける。


「せ、拙者の負けで御座る…さすがは殿」

「いや、私もギリギリだったよ、それにしてもあの風の大顎、凄い切れ味だったな、その技でこれからも頼むぞガタク」

「はい! 拙者殿のためにこれからも頑張るで御座る!」

「その意気だ、さぁ、巣に戻ってベルに傷を癒してもらおう」

「はいで御座る!」


私達は巣に戻り、ベルに治療してもらった。

ベルのスキル、癒しの鈴音は仲間の身体を癒す力で、体の傷ぐらいは直ぐに癒すことが出来るのだ。


(いきますよ、《癒しの鈴音》)


リーン♪ リリリーン♪ リーン♪ リーン♪ リーン…


ベルの美しい音色で私達は心も体も癒された。


(魔王様ー!)


私達がベルに治療されている所にレギオンがやって来た。


「どうしたんだレギオン、何かあったのか?」

(いえ、実は魔王様にお客様が来ているであります)

「お客様?」


一体誰だ? と思っていると、前から誰かがやって来た。


「おーい! ヤタイズナさーん!」

「あれ、この声は…ウィズ!?」

「えへへー、久しぶりだねー」

「ウィズ、何でまた大樹海に? もしかして冒険者としての仕事…ってその背中の荷物は何?」


ウィズは背中に巨大な風呂敷を抱えていた。


「これはねー、ヤタイズナさん達へのお土産だよー」


そう言うとウィズは風呂敷を地面に置き、中身を出した。


「大草原で狩ったグレーウルフの肉三匹分だよー」

「これは美味しそうだね、ありがとうウィズ、ちょうど昼食にしようと思ってたんだ」

「それは良かったよー、じゃあ私も一緒に食べようっと」


模擬戦の後私達は昼食を食べることにした。

メニューはウィズがくれたグレーウルフの肉で焼肉を食べた。

脂が滴ってとても美味しかった。




















「第18回次回予告の道ー!」

「今回もいつも通り始まったこのコーナー!」

「今回は私とガタクの模擬戦とウィズとの再会だったね」

「そんな事はどうでも良い! それよりも儂の出番が一切なかったぞどういう事じゃ!」

「まぁたまにはこういう事もあるよ」

「次回はちゃんと儂の出番はあるんじゃろうな!」

「この振りもう何回目だったっけ…まぁいいや、安心してミミズさん次回はちゃんと出番があるよ!」

「…俺も出番があるといいんだけどな」

「いかん! バノンから負のオーラが流れ出ておるぞ!? ヤタイズナよ、早く次回タイトルを言うのじゃ!」

「それでは次回、『二度目の旅立ち』! お楽しみに!」




・注意、このコーナーは作者の思い付きで書いているので次回タイトルが変更される可能性があるのでご注意下さい。

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