第21話 突入

私達はミミズさんを助けるためにアーミーアントの巣へ向かい、巣の入り口を発見した。


「ギチチチチ!」


巣穴からアーミーアント達が出てきて私達に向かってきた。


「邪魔だ!」

「ギチィ!?」


私は突進してアーミーアント達を吹き飛ばした。


「喰らうで御座る、《鎌鼬》!」


ガタクが鎌鼬で残りのアーミーアント達を切り裂く!


「よし、突入するぞ!」


私達は巣の中に入った。巣の入り口付近はアーミーアント達が待ち構えていた。


50匹はいるな…


「ギチチチィ!」


アーミーアント達が一斉に襲いかかってきた。


「ガタク、やれ!」

「了解で御座る! 《鎌鼬》!」


ガタクの鎌鼬がアーミーアント達を切り裂いて行く、さらに私が突進してアーミーアント達をなぎ倒していく。しかし、前から新たなアーミーアントが現れた。


「ギチチチチ!」


現れたのは頭部が盾の形をしたアーミーアント達だ。


その姿はタートルアントに酷似している。


タートルアントとはアメリカ南部や南米に生息するアリの一種だ。


タートルアントは木の上に巣を作るタイプのアリなのだが、頭にマンホールの蓋のような盾を持っている奴がいて、外敵が巣に入り込まないようにそのアリが頭の盾で巣穴に蓋をするのだ。


私はすぐに新しく出てきたアーミーアントを鑑定した。











ステータス

 名前:無し

 種族:シールドアント

 レベル:10/15

 ランク:D

 属性:地

 称号:無し

 スキル:無し











「どけぇ!」

「ギチチチチ!」


私は角でシールドアント達を攻撃するがシールドアントは陣形を組み私の攻撃を受け止めた。


「くそ! 邪魔だぁ!」

「ギチチチィ!?」


私は突進してシールドアント達を吹き飛ばす! しかし、奥からさらにシールドアントが出てくる。


「畜生! 邪魔するなぁ!」

「殿、ここは拙者達に任せるで御座る! いくで御座るよソイヤー!」

(はい! 師匠!)


ガタクとソイヤーが前に出る。


(「《斬撃》!」)

「ギチィ!?」


ガタクとソイヤーの同時攻撃でシールドアント達が切り裂かれていく。


「殿、道が開いたで御座る!」

「よし! 行くぞ皆!」


私達はさらに奥へ進む、奥からまた新しいアーミーアントが出てくる。今度の奴は頭部が剣に酷似している。


私は鑑定でステータスを確認する。










ステータス

 名前:無し

 種族:ソードアント

 レベル:10/15

 ランク:D

 属性:地

 称号:無し

 スキル:剣技










「ギチチ!」


ソードアントが私に向けて頭部を振り回す。


「うっとおしい!」

「ギチチチチ!」


私は角でソードアントの攻撃を受け流す、後ろからさらにソードアントが出てくる。


「これでどうだ!」


私は角でソードアント達を投げ飛ばす。


「パピリオ、粘糸だ!」

(分かりました!)

「ギチチチィ!?」


パピリオが粘糸でソードアント達を巻き付けて動けなくする。


そのまま私達は奥へと突き進む。


奥に進んでいくと広い空間に出た。


そこには大量のアーミーアント、ソードアント、シールドアントが待ち構えていた。


「ギチチチチチ!」

「あいつは!」


その中に一回り大きいアーミーアントがいる。


間違いない、ミミズさんを連れ去った奴だ! 


私はそいつのステータスを確認した。












ステータス

 名前:無し

 種族:アントコマンダー

 レベル:15/20

 ランク:D+

属性:地

 称号:無し

 スキル:統率、昆虫の鎧、粘糸











「ギチチチチィィィ!」


アントコマンダーが叫ぶ。 それと同時にアント達が突撃してきた。


「皆行くぞ!」


私は角を振りアント達を吹っ飛ばす。ガタクは鎌鼬でアント達を切り刻みソイヤーが斬撃で残りを倒す。


スティンガーは毒針で一匹づつ動けなくし、テザーは鋏で切り殺していく。


パピリオは糸でアント達をぐるぐる巻きにしていた。


「ギチチチチ!」


アントコマンダーが再び叫ぶとさらにアント達が出てくる。


全部で200匹程だ。


「くそ、多すぎる!」

「うっとおしいで御座るよ!」


どうするか、超突進は使うわけには行かないし、かといってそれ以外の攻撃スキルを持っていない。


どうすれば…そう思った時だ。


「ジィィィィィ…」


聞き覚えのある声が聞こえた。


まさかと思い辺りを見渡す。


「ジィィィィィィィィ…」


やはり聞こえる、この声は間違いない。


そう思った瞬間、突然地面が爆発しアント達が吹き飛んだ!


「ギチィィィィィィ!?」


何が起こったのか、辺りに土煙が舞い、爆発の中心に影が見える。


「ジィィィィィィィィ!」

「オ・ケラ!? 何でここに!?」


現れたのは前にミミズさんを狙い私と戦ったオ・ケラだった。


「ギチチチィ!?」


アントコマンダーが驚いている。


オ・ケラはそのまま前脚でアントコマンダーを攻撃する!


「ジィィィィィィィィ!」

「ギチィィ!?」


アントコマンダーを吹き飛ばしたオ・ケラは奥へと進んでいく。


「ジィィィィ!」

「まさかあいつ、ミミズさんを狙ってきたのか!?」


オ・ケラはどんどん奥に進んでいく。アント達はさっきの爆発で伸びている、今がチャンスだ!


「皆、オ・ケラを追うぞ!」


私達は巣の奥に進む。


「ギ、チチチ…ギチィィ!」


起き上がったアントコマンダー達が後方から追ってくる。


「急ぐぞ!」


私達はオ・ケラを追いかけ奥へと進む。











「なんだ!? さっきの地響きは!?」

「ふふん、どうやら来たようじゃのう」

「やってきたって…まさか魔王か!?」

「その通りじゃ! もう安心じゃ! あ奴がここに来れば儂らは助かったも同然じゃ!」

「…いや、それはいいけどよ…」


ドワーフは上を見る。


「ギチチチチィ…」


そこには3メートル超えの巨大蟻がいた、巨大な腹部を持ち、外殻はまるで鎧のようだ。


この巨大蟻こそがアーミーアントの女王だ。


「俺達はもうすぐこいつに食われちまうけどそれまでに間に合うのか!?」

「あ、安心せい! あ奴を信じるのじゃ!」


ドドドドドド…


「見ろ! 足音が聞こえるぞ! あ奴が来たのじゃ!」


女王の部屋の入り口に一つの陰が現れる。


「おお! 来てくれたか…」


ミミズさんが後ろを見る。


「ジィィィィィィィィ!」


そこに居たのは、オ・ケラだった。


「何でお前がここにいるのじゃああああああああああ!?」


ミミズさんがオ・ケラに向かって叫ぶ。


「あ、あいつが魔王か?」

「違うわこのたわけ! あいつは儂を狙う不届き者じゃ!」

「ジィィィィィィィィ!」


オ・ケラがミミズさんに向かって来る。


「ぬおおおお!? こっちに来るなぁぁぁ!」

「ギチチチィ!」

「ジィィィ!?」


女王が向かって来たオ・ケラを前脚で吹き飛ばす! 


吹き飛ばされたオ・ケラは壁に激突し、めり込んだ。


「じ、ジィィィィ…」


オ・ケラがうめき声を上げる、それと同時にヤタイズナ達が入って来る。


「ミミズさん! 助けに来たぞ!」

「おお! 待っていたぞぉ!」

「あ、あれが魔王…」

「ギチチチィ」


女王がヤタイズナ達を見る、そして


「ギシャアアァァァァァァァァァァァ!」


女王が叫び、ヤタイズナ達を前脚で攻撃する。


「うおお!?」


ヤタイズナ達はギリギリ攻撃をかわし、女王を見上げる。


「やるしかないか…行くぞ皆!」

「了解で御座る!」

(分かったー!やっつけてやる!)

(やっつけてやります!)

(了解です、主殿!)

(糞蟻が、ぶっ殺してやる!)

「ギシャアアァァァァァ!!」


女王が吠えると同時にヤタイズナ達は女王への攻撃を開始した!

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