第22話 カブトvs女王蟻
「ギシャアアァァァァ!」
女王が叫ぶと同時に私達は攻撃を開始した!
「くらえ!」
私は女王に突進するが女王はびくともしない。
「ギシャア!」
「ぐぅぅ!?」
女王の前脚が私に直撃し、私は壁に叩き付けられる!
「殿ぉ!? おのれよくも殿を!」
ガタクが女王に突撃する!
「《鎌鼬》!」
ガタクの鎌鼬が女王に当たる!
しかし女王にはほとんどダメージが通っていないようだ。
「ギシャアア!」
女王が右前脚でガタクを攻撃する!
「ぬう!」
ガタクは攻撃を回避するが、続けて左前脚がガタクを襲う!
「ぐわあああ!?」
ガタクは地面にたたき落とされた!
態勢を整えた私は女王に鑑定を使いステータスを確認した。
ステータス
名前:無し
種族:アントクイーン
レベル:39/40
ランク:C+
称号:統率者
属性:地
スキル:怪力鋏
エクストラスキル:昆虫の重鎧、酸の息吹
強い、しかし、勝てない相手ではない、私はパピリオとテザーに命令した。
「パピリオ、テザー、お前たちはミミズさんを救出しろ!」
(分かりました!)
(俺、わかった!)
ハピリオがミミズさん達に糸を巻き付け、テザーが糸を引っ張った。
(ふん!)
「うおおぉ!?」
「ぬお!」
ミミズさん達を引っ張り、女王の傍から引き離す。
(非常食さん大丈夫ですか?)
「うむ、平気じゃ、…というかいい加減非常食扱いをやめろと言っとるじゃろうが!」
「非常食?」
ドワーフが首を傾げる。
「気にするな! おいテザー、儂らを巻き付けている糸を切るのじゃ」
(俺、仕方なく分かった)
「仕方なくってどうゆう事じゃ!」
ミミズさんはこれで大丈夫だろう。
問題はアントクイーンだ。
「ギシャアアァァァァ!」
「ガタク、関節部に鎌鼬だ!」
「了解で御座る!」
ガタクがアントクイーンの真上に飛ぶ。
「《鎌鼬》!」
ヒュンヒュン!風の刃がアントクイーンの前脚関節を斬りつける!
「ギシャアアァァァァァ!」
「《斬撃》!」
悶えるアントクイーンにガタクが斬撃で右前脚を切り落としにかかる!
斬撃が右前脚関節にヒットする!
「ギシャアアァァァ!」
しかし、切断はかなわず! 予想以上に関節が頑丈だ! アントクイーンが左前脚を振りガタクを吹き飛ばす!
「ぐわああああ!」
(くらえ! 《斬撃》!)
今度はソイヤーが右前脚に斬撃を繰り出す! しかしまだ切断できない! そこにガタクがやって来る!
「ソイヤー! 同時にいくで御座るよ!」
(はい! 師匠!)
ガタクとソイヤーが同時に飛び上がる!
(「《斬撃》!」)
「ギ、ギシャアアァァァァ!?」
ガタクとソイヤーの同時斬撃で右前脚はついに切断された!
痛みにもがくアントクイーン、今がチャンスだ!
「くらえぇぇ!」
「ギシャアアァァ!?」
私はアントクイーンに突進し、角で腹部を突き刺した! アントクイーンはさらにもがく!
「ギ、ギシ」
アントクイーンの様子がおかしい。
そう思った次の瞬間!
「ギボロォォォォォォ!」
アントクイーンが口から液体を吐き出した!
着弾地点にはスティンガーが!
「スティンガー! 避けろ!」
(うわぁぁ!?)
スティンガーが間一髪避ける。
着弾地点の地面はドロドロに溶け崩れていた、恐らく酸の息吹というスキルだろう。
「ギボロォォォォォォ!」
アントクイーンが再び酸の息吹を吐いた! 私達は酸の息吹をギリギリ避ける!
「ギチチチィ!」
そこに私達を追いかけてきたアントコマンダー達がやって来た!
「ギチチチィ!」
アントコマンダーが吠え、アント達が私達に襲いいかかる!
「邪魔だ!」
「ギチチチィ!?」
私は突進でアント達を吹き飛ばす!
「ギボオォォォォ!」
そこにアントクイーンの酸の息吹が降り注ぐ!
「くっ!」
「ギチィァァァ!?」
私は間一髪避けるがアント達は自らの女王の攻撃によってドロドロに溶けた。
「ギチチチィ!」
アントコマンダーが私に襲いかかる!
「邪魔だ! どけ!」
「ギチチチィ!?」
私は角を振りアントコマンダーをアントクイーン目掛けて吹っ飛ばす!
「ギボロォォォォォォ!」
アントクイーンが酸の息吹を吐く!
「ギチチィアアアアア!?」
哀れ酸の息吹に巻き込まれたアントコマンダーが断末魔の悲鳴を上げドロドロに崩れ落ちた。
酸の息吹は勢いを止めることなく降り注ぐ!
「ぬおおおお!? こっちに降って来るぞ!?」
「驚いてないで逃げるぞ!」
(きゃああああ!?)
(俺、逃げる!)
ミミズさん達が酸の息吹から逃げている。
「ギボロォォォ…」
アントクイーンがミミズさん達目掛けて酸の息吹を吐こうとしている!
「させるか!」
私はアントクイーンの腹部に突進した!
「ギボロォォォォォォ!?」
突進を受けたアントクイーンは見当違いの方向に酸の息吹を吐き出す。
「ギチィァァァ!?」
着弾地点にいたアント達が悲鳴を上げ溶け崩れる!
「ソイヤー!もう一度いくで御座るよ!」
(はい!)
ガタクとソイヤーが再びアントクイーンの真上に飛ぶ!
(「《斬撃》!」)
「ギシャアアァァァァァ!」
同時斬撃が左前脚に直撃する! しかし切断までには至らなかった!
「ギシャアアァァァァァ!!!」
アントクイーンが怒りの叫びを上げ地団太を踏む! あまりの衝撃に私達は吹き飛ばされる!
「うおお!?」
「ギボロォォォ…」
アントクイーンが酸の息吹を吐こうとしている。
態勢を崩してしまった今の私では喰らってしまう!
そう考えた瞬間、アントクイーンの背後に影が現れた!
「ジィィィィィィィィ!」
壁にめり込んでいたオ・ケラだ!
オ・ケラの前脚が光り輝き、そのまま前脚をアントクイーンに振りかざした!
アントクイーンに前脚が直撃した瞬間爆発が起きた!
「ギシャアアァァァァァ!?」
背中に爆発を喰らったアントクイーンが苦しんでいた。
「ジィィィィィ!」
オ・ケラが雄叫びを上げる!
どうやら今の爆発はオ・ケラのスキルによるものらしい。
私と戦った時よりも強くなっているようだ。
「ギ、ギシャアアァァ…」
アントクイーンが力なく倒れている。どうやら体力の限界のようだ。
「よし! 皆畳みかけるぞ!」
私はアントクイーンに突進を仕掛けようとする。
しかしその時!
「ギ…ギシャアアァァァァ!!」
「な、何だ!?」
アントクイーンが叫び声を上げた瞬間、アントクイーンの身体が光り始めた!
一体何が起こっているんだ!? その疑問をミミズさんが解いてくれた。
「気よ付けろ! アントクイーンが進化するぞ!」
「進化!?」
アントクイーンの身体が発光を終えた。
光が消えて現れたのは4メートル越えの巨大蟻だった。
その姿はアントクイーンよりも禍々しくなっていて、さらに切り落とした前脚も再生している。
私は鑑定を使いステータスを確認した。
ステータス
名前:無し
種族:アントエンプレス
レベル:1/45
ランク:B-
称号:支配者
属性:地
スキル:怪力鋏
エクストラスキル:昆虫の重鎧
ユニークスキル:強酸の息吹
ランクが上がりユニークスキルまで手に入れている。
ランクBの魔物とはこれで初戦闘となる…勝てるかどうか分からない、しかしやるしかない!
「ギシャアアァァァァァ!!!」
アントエンプレスが叫び声を上げると同時に私はアントエンプレスに突進した!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます