第6話 新たな仲間
ミミズさんは落ち込んでいた。
「(笑)て……元魔王はわかる元魔王は! じゃがその次の(笑)てなんじゃ!? 称号にすら馬鹿にされるとは……というか名前もミミズさんになっとるし!?」
「……それで二つめのスキルのことなんだけど、早く教えてくれません? もうめんどくさいから」
「め、めんどくさいじゃと!? おぬしにはやっぱり人の心はないのか!?」
いや、だから人以前に今の私は虫なんだけど……
ミミズさんは咳払いをして気持ちを落ち着かせていた。
「ゴ、ゴホン! うむ、では儂がおぬしに譲渡したユニークスキル、昆虫召喚(サモンインセクト)を使うのじゃ! やり方は《鑑定》と同じだからな!」
「わかった……《昆虫召喚》!」
私は言われた通りに、昆虫召喚(サモンインセクト)のスキルを使用すると、私の目の前に魔法陣が出現し、光り始めた!
おお! よくわからないけど凄い! 一体なにが召喚されるんだろうか? 私は期待の眼ざしで魔法陣を見つめていた。
すると――
カッ!
光が消え、その中から現れたのは……卵だった。
いや、普通の卵ではない、全長30センチほどで、黒い外殻に覆われている。
私は鑑定を使い、その卵のステータスを見てみた。
ステータス
名前:なし
種族:昆虫(インセクト)の卵(エッグ)
レベル:なし
称号:なし
ユニークスキル:絶対防殻(シェルター)
そのままだった。
昆虫(インセクト)の卵(エッグ)を見たミミズさんは満足そうに喋った。
「うむ! 大成功じゃ!」
「え、成功でいいのこれ!?」
「うむ! 昆虫召喚(サモンインセクト)はこの昆虫(インセクト)の卵(エッグ)しか召喚できんのじゃ!」
「はぁ!?」
「しかし! 昆虫(インセクト)の卵(エッグ)は昆虫召喚(サモンインセクト)でしか召喚できない……ゆえに唯一無二のスキルなのじゃ!」
「そ、そうなんだ……ところで、これは何ていう虫の卵なの?」
「知らん」
「え?」
「昆虫(インセクト)の卵(エッグ)は生まれてくるまでその中身が何なのかわからんのじゃ」
「はいぃ!?」
つまり、何が生まれるかわからない謎の卵を召喚するだけのスキルってこと!?
「さらに! このスキルは三日に一度しか使えんのじゃ!」
「糞スキルじゃねぇか!?」
「く、糞スキルじゃとぉ!? 魔蟲王である儂だけが持つ特別なスキルだったんじゃぞ!? それを糞とはなんじゃ、糞とは!?」
「いや百歩譲って糞スキルじゃないにしても、さっき鑑定で
「阿保かぬしは!? ユニークスキルとエクストラスキルでは格が違うんじゃぞ! それをおぬし糞スキルとか言いよってぇぇ……!」
私とミミズさんが口論している間に昆虫(インセクト)の卵(エッグ)は少しだけ動いた。
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