第5話 スキルの使い方
「第1回魔王への道! スキルの使い方編!」と、なんかいきなり始まったミミズさんの授業。
「これからおぬしにスキルの使い方を教える! 準備はよいか!」
「あのーせんせー?」
「せんせー? ……よくわからんがなんか心にくる響きじゃな! うむ、なんじゃ?」
「私、なんか喋れるようになったんですが……なんでですか?」
そう、ミミズさんから魔王の称号を継いだ時から喋れるようになったのだ。
ミミズさん曰く「魔王になったことで色々と変わったんじゃよ」だそうだ……そんなもんなのか?
後、私の体長がどれぐらいなのかを確認するため、ミミズさんに私の体長がどれくらいかを測ってもらった。
人間や様々な生き物を見てきたミミズさんなら、私の体長がどれくらいか分かるはずだ。
「お主の大きさ? そうじゃのう……儂の見立てでは1メートル半と言ったところじゃな」
ミミズさんの言葉からやはり私は普通のカブトムシよりも異常に大きい事が判明した。
というかこの世界ってメートル基準なんだな……まぁ分かりやすいから良いけど。
ちなみに私の体長を基準にミミズさんを目測すると、今のミミズさんは体長30センチ程だった。
「さて、何はともあれスキルの使い方を教えるぞ」
「その前に、そもそもスキルって何? 何でこの世界にはスキルなんてモノがあるの?」
カブトムシに転生できた喜びと、ファンタジーのような世界に来て事で疑問に思わなかったが、何故この世界にはスキルが存在する?
スキルがあると言う事はやはりレベルなども存在するのだろうか……まるでゲームのようだ。
スキルはどこからやってきたんだ? 何か強大な力を持つ何者かがこの世界に与えたとか……
「何故って……何故じゃろうな? スキルは儂が生まれた時から存在するからのう……そのようなこと考えたことも無かったぞ」
「そうか……」
……うん、まぁ今この疑問を考えても答えは見つからないだろし、保留と言う事にしておこう。
「話を戻すぞ、スキルと一言に言っても千差万別あってのう、中には通常のスキルより強力な『エクストラスキル』、そしてその個体のみが持つ特別な能力『ユニークスキル』が存在するのじゃ」
「へぇー……それで私はどんなスキルをもらったの?」
「うむ……教えなかったかのう?」
「もらってからのお楽しみとか言ってたけど」
「ならばちょうどいい、鑑定のスキルを自分に使うのじゃ」
「鑑定? ……なんかそのまんまのスキルだなぁ……どう使うの?」
「頭の中で鑑定と念じるのじゃ」
ミミズさんの言う通りにしてみた。
《鑑定》
その言葉を頭の中で念じると、視界に文字の羅列が現れた、これが私のステータスか。
ステータス
名前:ヤタイズナ
種族:ヤマトビートル
レベル:1
称号:初心者魔王、昆虫の召喚師
属性:虫
スキル:鑑定
ユニークスキル:昆虫召喚(サモンインセクト)
種族名そのまますぎる! カブトムシの部分をビートルに変えただけ! いや、ツッコむ部分はそこじゃない!
「初心者魔王てなんだよ!?」
「当たり前じゃ、いきなり本物の魔王になれるわけがなかろう」
「いや、ミミズさんが魔王になれって言ってきたよね!?」
「まぁ、いずれ本物の魔王になれるから心配するな、今はスキルの確認じゃ!」
ミミズさんに言われて自分のスキルを見てみる。
あれ? スキルが二つ?
「ミミズさん、スキルが二つあるんだけど……」
「む? 言ってなかったのぅ、鑑定のスキルは最初からおぬしが持っていたスキルじゃぞ?」
「え、そうなの?」
「うむ、最初からスキルを持って生まれてくる者が居るのじゃが、おぬしの場合は《鑑定》だったということじゃ」
「へ~……あれ? なんでミミズさんは私が鑑定のスキルを持っているのがわかったの?」
「儂の生み出した者達の大半は持ってたからのぅ……まぁお主も持ってるだろうと思って言ったのじゃ」
つまり、分かったんじゃなく当てずっぽうだったわけね……
「あ、じゃあミミズさんに《鑑定》を使っていい?」
「ふ……よかろう、我が力を見て驚く出ないぞ?」
ミミズさんを見ながら鑑定を使った。
「こ、これは!?」
「ふふん、どうじゃ? 今の儂のステータスは? 申してみるがよい」
私はミミズさんのステータスを教えた。
ステータス
名前:ミミズさん
種族:エンペラーワーム
レベル:1
称号:元魔王(笑)
属性:虫
スキル:分裂
エクストラスキル:全属性耐性ex、物理耐性ex
ユニークスキル:穴堀(あなほり)の神(かみ)
「(笑)てなんじゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
ミミズさんの叫び声は洞窟全体に響き渡ったとか……
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