応援コメント

700円のラーメン」への応援コメント

  • 読者企画〈誰かに校閲・しっかりとした感想をもらいたい人向けコンテスト〉参加作品として読みました。★は投げたのですが、どうもレビューとして書くべき内容にならず、テキストとしてはここ応援コメントで投じさせていただきます。

    前半はわりと面白く読んでいましたが、陸前高田市に向かって以降、ちょっと心が離れました。★は前半部分に対してのものだと思ってもらえればと思います。

    後半、とくにラーメン屋に入って以降は、個人的な趣味が理由なのかどうなのか、どうにも主人公の感慨に感情移入できずに読み終えました。

    その最大の理由は、主人公が、すべての生活史が根こそぎにされ今なお回復していない陸前高田を目の当たりにしておきながら、ラーメン屋については「おもてなし」目線で批評したからでしょう。

    確かに、どのような状態であっても、観光客が来てくれる、被災地に興味を持ってもらえることは重要でしょう。来訪者は大事にすべきです。しかし、当地の復旧工事現場で働く作業員が、現に食事をするお店で、観光客への応対が違うと批判的に捉えることは、果たして正しいだろうか? そう疑問が浮かぶのです。
    これが道の駅のような場所なら、疑問には思わなかったでしょう。その目的(観光)に対応すべき場所ですから。

    生活を根こそぎにされた土地で、生活を取り戻そうとしている人たちの店。作中のラーメン屋はそのように見えました。そこは来訪者のための店ではなく、土地で生きる人のための店なのだと。
    作中の表現でも、この土地が生活史を根こそぎ奪われた街なのだと描かれています。いろんなものを失い、いろんな人が去った、生活を失った街。そこで、観光客への対応の悪さを胸中で批判する主人公は、生活を取り戻すことよりも観光客対応を優先しろと言っているように見えました。
    当地の特殊な事情を、自分自身の日常に押し込んで、矮小化しているように見えたのです。

    そのことが、主人公への、ひいては作品への共感を失わせました。ひとつの読解として、そう感じた読者もいると思っていただければ。





    なお、コンテストの趣旨として「校閲」があるので、一応それらしきことも記しておきます。参考にしてください。


    ・関税の低い国
     輸入関税のことではないかと思うが、自国に輸入する際に自国でかかるものなので、輸出国を選ぶ理由にはならない。


    ・「若えのに新店配属でねえ。照明売場の部門長だなんて」
     それが大したものなのだと認識できるのは、この仕事でそれなりに経験を積んでいる人ではなかろうか。新規募集のパートが三週間程度でその認識に行き着くことはあるだろうか?


    ・砂森さんは二児の母
     成人済みの子に対して「二児」はやはり違和感がある。


    ・同じ学年で、法学部の男だ
     この部分の書き方が、「現時点で、同学年」のようになってしまっている。「学部は違えど大学で同窓だった男」、くらいの表現が適当か。


    ・スープは魚介ベースで、やさしい薄味
     「体力勝負の人間を相手にする」店でそのような味付けになることがあるだろうか? あるいは、それだから主人公はこの店を労働者向けの店と見なかったのだろうか、だとしたらそれはまた言葉として表現するべき。


    ・一五〇円分の利益
    売り上げの間違いか。


    作者からの返信

    初めまして。応援コメントありがとうございます。
    久保田弥代様のようなコメントを楽しみにして〈誰かに校閲・しっかりとした感想をもらいたい人向けコンテスト〉に参加していましたので、嬉しい限りでございます。
    コメントを読んで描写不足(自分が知っていながら描かないと伝わらない点)と勉強不足(詳しく知らないままうろ覚えで書いている点)を思い知らされました。

    特にラーメン屋については、「読み手はこう受け取るのか」と驚きました。
    より丁寧に書くべきでした。

    ・ラーメン屋は奇跡の一本松バス停の目の前にあり、観光客用の駐車場、土産屋が隣接している。高田市の観光拠点であり、事実上の仮設道の駅である。(旧道の駅はラーメン屋のある場所から歩いて5分ほどの場所にある)
    ・ラーメン屋以外の食事処は周辺に存在せず、観光客はこの店に立ち寄ることが想像できる。
    ・復旧工事作業員の拠点は内陸にあり、地元住民や作業員の多くは内陸の仮設商店街を主に利用している。

    少なくともこの3点を描写し、主人公の販売に対する考えと絡ませれば、いっそう彼らしいエピソードになったかもしれません。


    私はまだまだ上達できる箇所があるのだと実感しました。
    無論今までうぬぼれていたつもりはありませんが、具体的な指摘を受けますと身の引き締まる思いがします。
    (と同時に、嬉しくてたまらないのです)

    わざわざ時間を割いてくださいましてありがとうございました。

  • 完結??
    レビューのタイミングを窺っています

    作者からの返信

    返信が遅れて申し訳ございません。
    『替え玉』は「700円のラーメン」で完結でございます。
    コメントありがとうございます。