田舎の村(お前が言うな)
1
村へは朝食を
歩くなら夜明けと共に出発した方が良いのではないか、と思ったが、マリアから「飛行魔法で行けばいいじゃない」とのお
今さら感があるが、もう魔法制限の生活はいいのか、と
こりゃ、忘れていたな。
だから飛行魔法を使って村へ行くことになったのだが、村の中心へ降り立つと色々と問題が起きるので、一目がない森の中でいったん降りてから村へ向かうことになった。
ただし、マリアの美しい
女性は色々と
★
「そういえば、俺と別れてからどこで過ごしていたんだ?」
森の中に
マリアとは11歳の頃に離れて暮らすようになった。理由は聞かされなかったが、大魔法使いの判断だったはずだ。
「ゴインス共和国のピケってところに最初に行ったわ。
初めて聞く町の風景だ。たぶん、俺の軍が支配どころか戦闘も起こしていない、
「それは
雪のように白く美しい城や
オーナメントなどで
それに、汚れや目立ってしまうので
「その後は、エールスペン
エールスペン騎士訓練校はよく聞く名だ。
うちの部隊が
「セシルは、今までどこに居たの?」
「いや、まぁ、魔界だな」
質問が悪すぎるだろう。マリアは出ていったが、俺は変わらず同じ場所に住んでいた。
「何で魔王になろうと思ったのよ?」
「先代魔王からの命令さ。『今後は、お前が魔界を導いていけ』ってね」
「魔王って、そのとき力が一番強くて
「そうだよ」
初めは、俺の名前は候補に
しかし、そこは先代魔王。何も考えずに俺に命令したわけじゃない。
自分の
なぜそこまでしてくれたのか分からないが、人間との戦いいが
つまり、魔王として相応しい力を
激化していく戦場で、魔王として完成した俺と、勇者として完成したマリアが出合い今に
「でも、セシルが魔王で良かったわ」
「何でだ?」
「だって、魔王城で下働きだったら戦争が終わるまで会えなかったし、中途半端に強かったら戦場で死んでいたのかもしれないじゃない」
「あぁ、なるほど」
俺もそれを考えていた。大魔法使いが付いているから、よほどのことがない限りマリアが戦場に来ることはないと思っていた。
しかし、平民であれば
一応、
「なんにしても、今はこうして一緒に居られるんだ」
自分から話を振っておいてあれだが、色々と思い出さない方がいことも思い出してしまった。そんなもん、さっさと記憶の奥底にしまったほうが良い。
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