第14話

 面白いものを書く、といっても、簡単なことではありません。


 何が面白いかは読者の方によって違います。


 一番大事なのは、描かせていただくレーベルに沿った面白いもの、です。


 求められるのは、レーベルにあったテーマで描かれているか。


 基本はそこにあります。


 あとは書く側の実力でしかありません。


 描く実力も、いろんな分野に及びます。


 ストーリーが面白い人や、文章が面白い人、ネタが面白い人、キャラクターが面白い人。


 その人それぞれの得意分野があると思います。


 その分野が突出しているか、していないかでもずいぶん違うのではないでしょうか。


 全体において面白い人は、ほんとうに小説を書くのが上手いひとではないかと思います。


 少しひとつの分野に集中すれば、そこから飛躍することが出来る可能性があるからです。


 一つしか突出していない人は、すごく苦労すると思います。


 ひとに読んで貰う上で、やはり、必要な部分というのがあります。


 その必要な部分で上手な物が多いほど、読者が付いてきてくれるんじゃないかと思います。


 あるジャンルでは申し分ないレベルだけれど、あるジャンルではまるで素人のようになることもあるかも知れません。


 何がどう違うか、というとやはり文章力なんだと思います。


 アイデアと文章力がこなれた人は、ペンの力ではなしをねじ込んでいきます。


 ねじ込んでいく過程に読者は引き込まれていくのだと思うのです。


 文章力がこなれていない場合、読者はつまずきながら読むことになって、面白い物語でも面白くなくなってしまう可能性があります。


 文章力がこなれていても、アイデアがこなれていないと、これもまたつまずく要素になります。


 どちらもこなれようと思うならば、書くしかないのです。


 場数をこなして書き続けることで、だんだんと場慣れしていくのではないでしょうか。


 そんなことを編集者さんに言われ、現在わたしは泣きながら改稿しています。


 こんなえらそうなことを書いているからには、さぞかし上手なんだろうな、と思うかも知れませんが、現実はこのようなものなので、皆様も手が痺れるくらい小説を書き始めて書き終える作業をたくさんして行くに限ります。


 ※追記


 ジャンルによって、文体の方程式や小説の技法が違ってきます。こればかりはジャンルをよく研究して分析するしかないです。その方程式がわかり始めると、そのジャンルについて徐々に書けるようになります。

 しかしながら分かったとしても、一作目からさくっと書けるわけではないでしょう。何作も重ねながら、水準を下げずに書き続けることで身につくものだと思います。

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