10.キャラクター
今回は、キャラクターの<秘密>をどうやって明かしていくのか、大まかに説明したいと思います。
前回のラストをそのまんまコピペしました。だって長すぎるんだもん。
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と言うわけで、<秘密>という事柄を、<風呂敷を広げる>という表現で言うことがあります。
お話の筋を作るときによく使う手法です。
キャラクターにしても同じです。
キャラクターの<秘密>を明かしたら、ちゃんと理由を示し、<風呂敷を閉じ>なければなりません。
そうでなければ、<なぜ>あのキャラクターは、あんな<秘密>を持っているんだろう。意味が分からない。という風に読者に感じさせてしまいます。
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岩井志麻子の<ぼっけえきょうてえ>というホラー小説では、主人公の女性がもつ<秘密>を最後に解き明かし、読者でもある、女性の客の男に<告白>して、<風呂敷を閉じ>ます。
<秘密>を明かし、<秘密>の理由を告白ないし解き明かし、広げた<風呂敷を閉じ>る。
それはお話の筋を作るのと同時に行われる、キャラクターの一要素と言えます。
キャラクターの存在自体が<秘密>になっている場合、お話の終わりと一緒にキャラクターの秘密も謎解きして終わらせるのが一番気持ちの良い終わり方だと言えます。
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全てのキャラクターが<秘密>を抱えているわけではないと思いますが、恋をしているのであれば、恋が成就するという結末も風呂敷を閉じる形になりますし、恋が破れる場合も同じです。その過程で、キャラクターの心理がどのように変化していくかを書くのが、お話の筋になると思います。
<秘密>を明かして<秘密>を延々説明する人がいますが、読者が読みたいのは<秘密>そのものではなく、<秘密>を抱えることになったキャラクター自身の心理状態や、それに振り回される脇役達の行動や心理状態なのであって、<秘密>そのものではないのです。
間違えて、<秘密>にこだわりすぎて、キャラクターがおろそかになると、「別に女じゃなくて良いじゃん」とか「別にファンタジーじゃなくて良いじゃん」とか「別に魔法少女じゃなくて良いじゃん」とか「べつに○○じゃなくていいじゃん」という言葉を列挙される羽目になります。
せっかく書いたのに、「別にそれでなくていいじゃん」っていわれたら、悲しいですよね? ね?
ですから、<秘密>はあくまで、キャラクターの付属品として扱うべきです。常に気をつけておくべきなのは、<秘密>を抱えるキャラクターの考えや気持ちなのです。
<秘密>そのものにこだわってはいけません。
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人物の抱える<秘密>をもしくは<問題>を解消することで、読者はすっきりとしますし、お話も結末を迎えるに相応しくなります。人物が必ずしも成長していなくても、いったん開いた(明かした)風呂敷(秘密)は、必ず閉じて(解き明かして)終わらせましょう。
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ちなみに、キャラクターが問題を解決することで成長するお話は、よく見られますし一般的です。
問題を提示し問題だけは解決しますが、人物が成長するわけではない場合は、だいたい純文学や実験小説(純文学など)によく見られます。決して、おかしなことではないので、小説のジャンルにこだわることはないでしょう。
成長にこだわる方は、お話の幅を狭めているかもしれません。一番着目すべきなのは、お話が始まり、問題が起こり、決着することです。キャラクターが成長するかしないかは、お話のテーマによって変わってきますので、なにを描き、読者になにを伝えたいか明確に示唆できれば、そのお話は成功していると思います。これについては、お話の書き方で説明します。
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次回は、キャラクターと脇役、アクセント的なものについて説明します。
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