5.キャラクター

 前回は裏の顔のことを書きました。


 ルサンチマンとかトラウマとか、なんかもう分けわかんないよ、っていう横文字いっぱい並べましたよね。


 ルサンチマンなんかどっかのヒーローかと思っちゃいますよね。ウルトラマン的な。


 とか言うことは、横に置いといてっ。


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 裏の顔はそれだけではありません。暗いばかりが裏の顔ではないんですね。


 じゃあ、どんなことを書けばいいんだよ! 考えればいいんだよ! となっちゃうと思います。


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 お話を書くために必要なのは、キャラクター作りです。お話を先に進めるための推進力と理解してもらえると嬉しいです。


「おれは海賊王になる」と、はた迷惑な宣言をしたある人物が、なぜ、そんなことを言ったのか?


 漫画を読んだことがある人なら分かりますよね。それが、お話を勧めていく原動力です。エンジンなのです。


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 表の顔だけのキャラクターでは、<なぜ>それを目指すのか、目的を果たそうとするのか、説得力に欠けてきます。


 誰を説得するかって? それは読者です。


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 誰にも読んでもらわなくていいし、好きに書いてたい。と言う人には、別に言うことはありませんし、好きなものを好きに書いていいと思います。もちろん、人物設定も必要ありません。お話を終わらせることも必要なことではないですね。楽しんで書いたら一番だと思います。


 でも、他人に読んでもらいたい。読者を持ちたい。世界中に発信するインターネット上に発表したい、と思ったら、少なくとも、お話を終わらせるか、人物設定を作るか、お話の設定をちゃんと作るとかしないといけません。


 読みにくかったり、わかりにくかったり、はたまた魅力を感じなかったら、誰も読んでくれません。


 最初の一行か人物が出てきたくらいで、もう次回を読もうとは思ってくれないでしょう。


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 でも、少しでも人物が魅力的だったら、読者はその人物のすることを知りたいと思うようになります。


 その興味や好奇心が、次のページをめくる動機になるのです。


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 さて、話はそれましたが、劣等感を持ってることだけが、キャラクターの裏の隠された性格ではありません。


 <秘密>も裏の顔になります。


 <リボンの騎士>だったら、王子なのに女の子であることを隠し通すことが、それに当たります。


 隠すためにあらゆる手段で策を講じ、あるいは敵に追い詰められ、恋心すら隠していかねばならなくなります。


 その秘密がばれそうになる度に、読者はハラハラドキドキするのです。


 秘密を絶対ばらさないように、キャラクターが奔走し右往左往し振り回されるところに、おもしろみがあるのであって、ばれてしまっている秘密は秘密ではありません。


 ですから、裏の顔が<秘密>であることは、非常に有効なキャラクターの魅力になるのです。


 <ベルサイユのばら>の場合は、反対に女の子であることは周知のことです。しかし、オスカルはばれてはいけない心の秘密を持つことになります。それは恋です。恋を隠し、時にはその恋のままに生きようとし、しかし、思うままにならず、恋を胸に秘め、運命に翻弄されます。女として生きたい、と言うのがオスカルの秘密だと思うのです。


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 上記にあげた秘密の作り方は、思いっきりわかりやすいところで言うと、魔女ッ娘がその筆頭に当たると思います。

 自分が魔女であることを絶対に第三者にばれてはいけない。

 歴代の魔女ッ娘のアニメや漫画を見たら、それがよくわかると思います。


 漫画ばかり例に挙げて申し訳ない。漫画世代なもので^^;


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 と言うわけで、<秘密>もキャラクターの裏の顔であると言えるわけです。


 では次回。

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