4.キャラクター

 こんばんは、またはおはよう。


 さて、同時進行でキャラクターを作ってる方も、そうでない方も、よろしくお願いいたします。


 すでに、キャラクターはいるのだ! と言う方はすっ飛ばしていただいてかまいません。


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 前回、裏の顔という説明をしました。


 裏の顔とは、そのキャラクターが深く心の底に持っている、劣等感、コンプレックス、トラウマ、ルサンチマンのことを指します。


 ※劣等感<http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8A%A3%E7%AD%89%E6%84%9F>

 ※コンプレックス<http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%97%E3%83%AC%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9>

 ※トラウマ<http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BF%83%E7%9A%84%E5%A4%96%E5%82%B7>

 ※ルサンチマン<http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AB%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%81%E3%83%9E%E3%83%B3>


 言葉の意味が分からない場合は、ググレ・カス! とでも言っておきます。(単に面倒くさいだけ……。リンク貼っとくね)


 さて、だいたいの意味はつかめたでしょうか?


 誰もが持っている暗いネガティブな感情は、物語の原動力でもあるのです。主人公や、キャラクターを動かすためのエネルギーなのです。


 ですから、その裏の顔抜きには、物語は語れないのです。


 裏の顔をすぐに思いつかない人は、自分を振り返ってみましょう。嫌な思いをした。怖い思いをした。屈辱を感じた。悲しい思いをした。切なく苦しい思いをした。いろいろなことがあったのではないですか?


 怒りを覚えた、憎しみを抱いた。物語を書くあなた自身にもそういった感情があるはずです。


 では、物語の中の人物がそういった感情を全く持たないと思いますか?


 それは、あり得ない、のです。


 そういう裏の顔は、キャラクターをすばらしく生き生きとしたものにしてくれます。


 感情移入できる人物設定はこういう部分から生まれると言っても過言ではありません。


 きれいなだけのキャラクターは、あなたの隣人の中でいい人にしか見えない人物と同じくらいうさんくさくなり、現実味を帯びなくなります。


 裏の顔をたくさん持たせなくていいのです。一つでもいいのです。主人公やキャラクターを突き動かす衝動のようなものを一つ持たせてあげれば、かなり違うと思います。


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 さて、人物を作ってみて、その人物が明るく、活発な<動>のイメージだったとします。


 辛く屈辱に満ちた劣等感を持たせてみた場合、その明るさが一体<なぜ>うまれたのか、考えなければなりません。想像してみてください。


 常に明るく、活発であるはずの人物が、実は心に深い傷を負っている。でも誰にもその傷を見せない。<なぜ>でしょう?


 誇り高いから? それとも忘れたから? 隠さねばならない理由がすぐそばにあるから? いろいろと思いつく限りノートに書いてみて、一番しっくりくる、納得できるものを探してみましょう。


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 前回から、何度も<なぜ>を繰り返していますが、これは重要なことです。物事の始まりに結末がある。その途中経過を誰もが知りたいはずです。それが<なぜ>です。


 ただし、気をつけねばならないのは、その<なぜ>を読者に知らせる必要がある場合と無い場合があります。


 もし、あなたの友人にこんな人がいたらどう思いますか?


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「わたしって~、こういうかんじのひとで~、だからいつもこんな感じになって~、マジ、こんな風になるから超やばいって感じ~? でもさ~、こういうことがあるとね~あたしはさ、こういう人だから、まじ、こういうの迷惑って思って、あんなことしちゃうんだよねぇ~」


 こういう自分語りを延々してたら、殴りたくないですか? 少なくともうざいですよね?


 キャラクターの性格を書くときも同じです。全てを一度に語らない。謎を持たせつつ、少しずつ種明かしをしていけばいいのです。


 そうすると、読者はそのキャラクターが<なぜ>そんな行動を取ったのか、<なぜ>あんなことを言ったのか、知りたくてお話の先をもっと読みたくなります。


 <なぜ>はキャラクターを作る上で大切なだけでなく、ちらりズム的な裏の顔を見せることで、読者をも魅了することが出来るのです。


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 キャラクターだけでなく、お話の筋を考えるときにも、この<なぜ>は非常に重要なので、赤ペンで書いてくださいね! 赤ペンがなかったら、あなたの体に流れる熱い血潮で!!


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 では、次回は人物を生み出す上で、ほかにも必要なことを書いていきます。

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