試合後の乱闘

ヤンキースは敗戦後のベンチで一悶着があった。


七回の裏の櫻井の打席で八幡は立ち上がらず敬遠策を取らなかった事についでだ。


櫻井と勝負しないのであれば、八幡あの場面立ち上がり敬遠策をとるべきだった。


しかし八幡は投手の心情を考慮し、立ち上がらずにボール球を投げるようサインを出した。


一見勝負するように見えて全てボール球を投げるようサインを出したのだ。


結果、投手の投げた球がストライクゾーンから外れたが、バットに届くコースに投げた為にタイムリーを打たれた。


あれがなければ大量点に結び付かなかったのではないかと。


陳と守山は八幡に詰め寄った。


「コラッ!テメーがちゃんと敬遠のサイン出せば負けなかったかもしんねーんだぞ!今日の試合はテメーのせいで負けたんだ!!」


「朋友の言うとおりネ。ちゃんと敬遠してれば結果は違ったかもしれないネ。お前はまだ朋友とは呼べないネ!」


「なら、どうせぃっちゅうんじゃ?お前らかてピンチの時にマウンドに来なかったやないか!」


「ナニ?オレタチが悪いと言うのか?人のせいにするんじゃないヨ!」


「青幇の言うとおりだ!バーチーの文句はオレに言えや、コラッ!!」


そしてベンチで取っ組み合いが始まった。


あらゆる物が飛び交い、嵐が通り過ぎたかのような荒れ果てた状況になった。


翌日、陳と八幡、守山の3人はケンカによる負傷で試合を休んだ。


クリーンナップのいないヤンキースが勝てるはずもなく、13対0と惨敗し、首位を明け渡した。


ヤンキースはいまだ八幡と守山を含むナインとの間の溝が埋まっていない状態だ。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る