打線爆発
初戦制しゲーム差を1.5としたクンニーズ。
二戦目の先発は左右投げのSoh、前回右で投げる球質が軽いと弱点を露呈してしまったが今回はどうリベンジできるか。
先頭のヘンダーソンが左打席に入る。
Sohは左で初球を投げた。
インコース低めいっぱいに決まるストレート
「ストライク!」
そして二球目を投げた。
アウトコースに決まるツーシーム、だがヘンダーソンはこれをセーフティバントで三塁側に転がす。
サード高梨がダッシュして捕るもヘンダーソンはすでに一塁へ到達。
早くもランナーを出してしまう。
ヘンダーソンは大きくリードする。
Sohは一塁ランナーがいるため、左でクイックの牽制球を投げる。
ヘンダーソンは頭からベースに戻る。
「セーフ!」
そしてまた大きくリードする。
いつ走ってくるのか。
また牽制球、「セーフ!」
Sohはクイックモーションで初球を投げた。と同時にヘンダーソンは二塁へ向かう。
速い!
キャッチャー木下が素早くスローイングするも悠々セーフ。
ノーアウトランナー二塁とピンチを迎える。
マウンドには木下が駆け寄り、内野陣も集まった。
「ソウ、1点ぐらいくれてやれ!バッター集中だ!」
木下が激を飛ばす。
その中でショートの大和がヘンダーソンのスタートダッシュの速さに脅威した。
(何だあの速さは…スタートして2,3歩目でトップスピードに到達するとは。もし開幕からトップバッターに座ってたら盗塁の数は100を越えてるはずだ)
三年連続盗塁王に輝き、今シーズンもダントツの64個の盗塁を決める大和がヘンダーソンの初動の速さに驚いた。
盗塁というより、陸上の100㍍走者並のスピードだ。
Sohは2番バッターに集中する。
初球右でストレートが決まり、ワンストライク。
二球目は左でスライダーを外角に決めたがわずかに外れてボール。
三球目も左でインハイにストレートを投げる。
高めに浮いてツーボール。
四球目、右に変え、低めに決まるチェンジアップを投げた。
すると低めに合わせバントを決めた。
ファースト垣原がダッシュして一塁に送球。Sohがベースカバーに入りアウト。
送りバント成功である。
そしてクリーンナップの登場だ。
3番陳が打席に入る。
「 ?已經被打(お前はもう打たれている)」
スケが不気味に言い放つ。
今度は右にスイッチした。
初球外角にスライダーが決まりワンストライク。
二球目インハイにストレートを投げ早くもツーストライク。
テンポ良く三球目を左で投げた。
真ん中から低めに落ちるフォークボール、陳は見送る。
「ボール!」
そして四球目を投げた。
アウトコースボール一個分外に決まるスライダーを投げた。
陳はバットを振らない。
「ボール!」
平行カウントとなり、五球目を左で投げた。
インコース高めギリギリのコース。
陳は狙い済ましたように自慢のリリストで上手くボールを捕らえ打球は右中間を破るツーベースヒット。
あっという間に先制点を上げた。
そして怖いバッター八幡が打席に入る。
Sohは臆することなく強気のピッチングを披露する。
インハイ、アウトローを決め、真ん中低めボール球になるフォークボール。
八幡はこれをアッパー気味にスイングした。
打球はレフト前ヒットになり、スケが生還。
早くも2点のビハインド。
5番守山は空振りの三振。6番バッターをファーストゴロに打ち取りようやくチェンジ。
その後は0が更新したが、七回の裏、8番木下がライトオーバーのツーベースヒットを放つ。
9番Sohの打順でヤマオカは代打に室田を送る。
室田は粘ってフォアボールを選び、1番大和がセンター前にタイムリーを放ちまず1点。
ノーアウトランナー一塁、三塁で続くバッターは天才櫻井。
八幡は無理に勝負はせず、満塁策をとるつもりだ。
しかし、見逃せばボールになるアウトコースの高めを櫻井は弾き返し打球は左中間を破るツーベースヒット。
一塁から大和が俊足を飛ばし一気にホームへ。
ついにエンペラーズが逆転した。
ここでヤンキースは投手を交代。
迎えるバッターは現在打点トップのトーマスJr.。
しかし火の点いたクンニーズ打線は、トーマスJr.がレフトオーバーのタイムリーツーベースを打ち、4番の高梨はライト前ヒット。止めは垣原のライトスタンドに飛び込むツーランホームランで試合を決めた。
首位ヤンキースとのゲーム差を0.5に縮めた。
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