第3話 そして 無職になった日
「大事な話があるんだけどちょっといいかな。」
「はい!なんですか??」今日も忙しい時間を終えた昼下がり。蕾は、テーブルの後片付けをしていた。同じ喫茶店で働く先輩に呼び止められピクリと動きを止めてコンマ0,.1秒で、反応する。先輩からの呼び掛けに応えて拭きかけのテーブルを後にして先輩の元へウキウキ気分で向かう。もしかして告白。そうか、春から先輩は就職するんだっけ。きっとその前に...
「なんですか?先輩!!」
「蕾ちゃん仕事を頑張っているみたいだね。そんな君に話しがあるんだ。」にこりと微笑む。
「き、きたか.」ついにこの時がきた!先輩からの告白かな。でも、まだ心の準備が出来てない。
「どうしたの蕾ちゃん。1人で呟いて...」
「な、なんでもない、それより早く。用件っって何ですか?」先輩からの応えを促す。実は俺からも大事な話しがあるんだ。」と真剣に先輩は切り出す。はい、なんですか?」「このこと。話すのはどうも気が引けるんだけど。」「はい......」言うなら早く言って欲しい心臓に悪い。
「実は...やっぱり駄目だ、うーん。」
(ガタッ!!思わずズッコケた。てめぇ!
早くしてくれと心の中で焦らす。「うん。実は、蕾ちゃんがうちで働くはずだった採用枠の件だ。」
とやっとの想いで切り出された要件に、なんだ。仕事の話かーと。少しテンションを落としてしまう。
「そのことでの話しなんだけど、蕾ちゃんの分の採用枠がが無くなってしまったんだ。ごめん!』
「なんだー、そんなことでしたかーへ......?」なん、だって
一瞬、スルーしてしまいそうになったところを思わず聞き返す。
「ごめん、辛いよな。大変だと思うけど蕾ちゃんならきっといい職場を見つけられるよ。」とその気遣いは嬉しいけど...
「うー......」
純情を返せ!と叫びたくなった。
珈琲の余韻に浸ろうか 高月夢叶 @takatuki
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。珈琲の余韻に浸ろうかの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます