Do not mind. Do not let your guard down.Be wary



エメラルド。トパーズ。ダイヤモンド。翡翠

基本原則の結晶系から原子が配列していない非晶系迄散乱していた。あらゆる鉱石や宝石が散らばる空間でマスターの少女は舌から出る涎が止まらずに耽美に浸る。歓喜に酔う。満足していた

-この報酬は甚大な被害が出る事件な程の財産よ。生涯、遊戯に費やす愚かな庶民が身染めれば欲まみれの愚物と化すわ。くくく-

純金の輝きに瞳を潤わせながら頬擦り愛でた。時折、テペスカと対峙するSickを見つめる

-どうやらまだ、原石のようぢゃな。研磨で輝きを宿せば、赤く獰猛な獣の如く。多種の石榴石となるぢゃろう-

ガーネットの指輪を手に持ち蔓延の笑みを浮かべる

「さて、如何なる化粧と化すか」



テペスカは指を鳴らしリズムを取る。ジャズのステップを披露しながらSickの変化に動揺する

-王道の16なビートから変則的なフロウにチェンジング♪ワイルドなマイスタイルでクールにキメるぅ~-

3白眼の人外が更に人から遠ざかる程、変貌を垣間見せた

「BLAYZ」

その速度は………テペスカを咄嗟に後退させた

懐に飛び込み、腹部目掛け拳をふるう。踵で回転しSickの後方に回るテペスカ!裏拳を出すが、更に踏み込み脇腹目掛け殴り付ける!

その変化は連続で最高速度の攻撃である

テペスカはリズムに合わせ、攻撃をするが特化した速度に対応が遅れた

-クールな筈が熱いビートでヴィクトリー迫る~♪-

更に突き刺さる殺気に残像の錯覚を覚えた。その獣すら退却する悪鬼の姿。実力は

「ハイスペックビート♪」

対抗!バックステップから滑り込むように変則的な角度から攻撃するテペスカ。更に追撃で相殺するSick

「やりおるわ。龍が嘶くかの如く、怒涛の電光石火」

更なる攻防が続く直後!

地鳴りが響く




VERMILIONは新聞を折り畳み、無表情で歩く。特に表情が変わる事は無いが、大概は愉快な面持ちである。物事に対する価値観は娯楽だからだ。今は違う、表情は固く獲物を捕らえる鷹のような黄金の瞳で

鋭い

「まさかな。よりによって」

この言葉は真剣な時の無自覚の口癖である。無意識に溢す無常に近い状況が厚い唇を強く閉めた。奥の歯がギシギシと音を立てる

狭い街路樹を歩く足跡が強く、体躯に恵まれた長身が踏む力は強い。落ち葉が不憫である。狭い道は不便だが。やがて歩くと建物が見えた

「あそこか。研究所は」

ショットガンを持ち、何の迷いも無かった………発射!拡散した弾丸が破裂し、ガス管に当たり爆発した

「ここが、新人類を創る研究をした施設か。砕いてやるぜ!ハッ!!」

爆弾を投げ、起爆する瞬間、拡散弾で撃ち更に炸裂した。聴こえてくるのは阿鼻叫喚。見えるのは灼熱の業火と暗雲を作り出した粉塵と炎。胸中は

「不必要だ。消え失せるんだな!」

言葉と同じ。廃棄物を棄てるように。邪魔な存在を見限るかのように

BLAIRが欲しがる研究所の中身は跡形も残らずに灰と化した




「未確認生物」

少年は一言を告げる。亡霊のような装束を着た女はピクリと目筋を反応させた。風が二人を纏うかのようである

互いに背中を向けた

「私の要求に呑む気は?」

「僕の利益を呑む気は?」

「脅迫に概念は無い」

「抵抗に躊躇も無い」

暗黒の情が背後に刺さり

漆黒の情が背後から迫り

一歩………互いに動いた

「死ねよばーか!」

「死なす!」

一瞬の出来事である

舜速の斬撃!眉間を捕らえ

刹那の弾丸!心臓を捕らえ

「まじかよ」

「まさかな」

ビジョン。互いに戦術を段階で算段し力量を図った。

実際には背を向けたまま停止した状態である

風が。二人の間を横切る

「ラチがあかないな。僕と相性がこの上無く抜群に良くて、速度もか。互いに死ぬしか道が無い」

「私も同感だ。戦略の類似と戦術の酷似。祝杯の見えない死闘に意味は無い」

「掲げる程めでたくないだろ?僕は歓楽に酔う程、欲に偏りがあるから、とりあえずあまり興味ない」

「好奇心で使った言葉に大した心は無いさ。偏見に惑わされる位なら、偏屈な言い合いは気紛れ以外にしない」

互いに鼻で笑い、肩の力が抜けた。互いに向き合い、予想外な行動に出たのは

「未確認生物の組織体だ。血管もあるから、研究に色々試験できる。類似点が僕の性格に少々遊び心を生んだ。やるよ」

それは変色した手首である。特殊な筒状の容器に入っている。感染防止の概要が透明に描かれていた

「つい、数日前の偶然な副産物だ。ハンガー関係者に加え、国家機密組織すら欲しがる重要サンプルだ。依頼人にくれてやれよ。誰かに頼まれたんだろ?」

「頼んだ人物を特定する要望も無しにか?」

少し歩きながら風を浴びる少年。心地よく、中央の台座に座り突き抜けた天井を眺めた

「貴重なインスピレーションより類友に近い相手を選んだだけだ。それに僕は興味があまり無い。腕以外は捕獲済みだ。好きにしろよ」

「好き勝手な性格だな。私はとても同類と感じない」

「無自覚とか言うつもりは無いよ。たださ………次に会う時は敵同士だったら楽しめると思っただけだ。だってさ?今、互角だろ?次はさ?投げ掛けた疑問の数以上の実力で絶ち切ってやるからさ。今はいい」

「その言葉使いと外見………よく覚えておく」

ふわりと風が踊る瞬間に姿を消した。実体の無い存在が神妙さが増すかのように。目を閉じ風を受けて少年は連想した。正体を

「GHOST(亡霊)か。あはっ」

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