ウクライナの再臨
戦闘を洗練する理由は様々であり感情を上昇し技法を会得し体現する打倒の戦法
「スカシ面。覚悟は決めたか?」
右足の踵を僅かに浮かした状態で立ち尽くすファトプリカ
-んだ?この感覚は?-
その時、無意識に全身が警戒し眉間に皺が寄り強張るSick。その目の前の小柄な女性であるファトプリカの全身に纏う空気である
「力強さに自信はあるな?戦闘手順に迷いが無ぇ。たが……どうやら危機感を麻痺してる。それは性根の悪意が本能で通常塞ぎ込んでるからだ」
口調は尖り空気は先程から変化し自然体だった。それは溶け込んだあるべき存在に意味を問う必要も無い程
「単純に元は手がつけられなく、誰かが見かねたか危険視したかだ。だが死を直面すると防衛本能を呼び覚まし生存して来た……つまりは性根が弱者に拒絶したって……」
一瞬、風の切る音がした後
「事だ」打倒!後方に吹き飛ぶSick!!全身が痛撃で麻痺し、起きあがれずに全身が地面に吸い寄せられたまま引き離せないような感覚だった
-く‥‥‥‥そが!?しょ、正面から殴られたのか?顎に一撃食らったのか?こんな-
それは脳を揺さぶられ激痛が走り全身が麻痺していた痙攣しながら起きあがろうとし、顔を正面に向けた瞬間……殴打!再び這い蹲る!!
「1撃目。わざわざ跳躍し顎先に当てた……本来なら直進し腹を攻撃するが手間な順序で敢えてやったが、無様過ぎて笑えるぜ、ケッ!さっさと立てやぁザコぉ!!これで確信だ」
手を床に着け起き上がる。汗が吹き出した
「INFERNOより遙かに劣る。どちみち死ぬなスカシたカスが!」
2001年7月15日
寂れた廃墟の奥で気だるく汚れたソファーから起き上がる黒い影。夜が支配する建物は月明かりだけが照らした
「んだよ、爺さん。今胸糞悪いから改めろよ」
錆れた壁と至る所に擦り跡や変色した床、老朽化した電球は明るさを失いぶら下がる音は不快
「それは都合だな。私は意志を持ち来たのでは無く雇われているからだ。」
少年の前に佇む白髪の四十代後半の男。白いコートを肩に掛け、上下白スーツの姿は要人を連想出来る。何処か博学な印象もあり、鋭く何処か掴み所の無い只ならぬ風格を持つ
「あのクソ親父……何感情出してやがる」
視線を下降し息を吐く
「それはお前が手がつけられなくなるからだ。派手だ……素手でマフィアを潰すとはな」
目線のみを正面に立つ男へ向けた
「んだぁ?オッサンが何戯ゴってんだよ!?ジャマする奴は片っ端からブチ殺すだけだ」
それは全身に狂気を宿し喉元に食いつく為に思考を浸透するかのようでもある。補喰の前哨
「それは素質だな。天性と言っても過言では無い。だがまだ若すぎる」
目の前の男の眼孔が変化する。宿したのは
「相手を迅速に仕留める手段を学びたくは無いか?DILETION【抹消】を」
息を飲む事すら許されない追随。少年は黒い瞳を更に沈ませ、臨戦態勢を取る
反応が遅れる程の……速度!攻撃が額に当たる瞬間上体を下げ肩を脇腹に衝突させた
「死ねよばーか!」
至近距離で腹部を連打!掌底で吹き飛ばしたと同時に右踵を軸に回転し左足で顔面目掛け蹴りを放つ。鉄の柵に背中を強打!刹那!最速で走り飛び蹴りを放ち胸囲部分に当たり仰け反る。更に空中で足を振り天井の景色が靴の裏に変更!直撃!!
「終わりだクリーチャー」
両腕を鉄の柵を利用しへし折る。更に連撃!心臓に攻撃し脳に掌底
-す……凄い!-
がくりと動かなくなる。プレマテリアは唖然とした
「ふ~、手間取ったな」
少年は息を長く吐き、警戒し正面から身構える。そして後方にいる友人に駆け寄る
「プレマテリア。とりあえずは」
「後ろ!」
奇襲が迫る
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