EVANESENTER VEIN
『EVANESENTER VEIN』
扉を開けば天井迄4メートル程ある広間であり床は綺麗な白銀に輝いていた
-すげぇな。種類にバラつきあるが、一通りの凶器がありやがる-
左右の壁に飾られた武器はナイフから銃火機までよりとりどりな凶器がありSickは銀色のナイフの刃こぼれや斧の錆びも確認出来たことから年代物も伺えた
奥には更に部屋があり本来ならば目的が変わらなければ扉を開けただろう。荷物を降ろし身軽になるファトプリカ。飛び跳ね準備運動する
「いい場所だ!これなら動き回れるぜ」
何となく壁に掛かった撃鉄に興味を示したがSickは立ち止まる。無論、凶器を欲しがった訳では無い
「さて、これからが楽しめるな」
啓発な態度ではあるが僅かに変化をしたのは挑発の軽快に鋭さを含めた警告だった。振り向き、視線を外さずに、睨み据えるSick
「簡潔に言うぜ。INFERNOの所に連れていく」
目の輝きが変わる。鋭く切り裂くような瞳が豹のような印象を受けた
「却下だ」
指先を鳴らした
「だったら腕ずくだ。意義は問わせねぇよスカシ面。……いや、CODE-NAME-SARGATANAS【サルガタナス】」
首を回しJacketを脱ぎ捨て思考を変貌するSick。殺意が充満した部屋で対峙する2人
「改めるぜ。ファトプリカ……聞き覚えあるか?」
拳を握らずに全身を動かしながら素振りする。その速度は……
-速すぎて見えねぇ-
「無ぇな。只もんじゃねぇのは認めんぜ」
ぴたりと止まり。ファトプリカの周囲に渦巻く空気も変化した
「TRY-GUNJEASTAR(トライ・ガンジェスター)って言えば解るか?」
「いや、きき」
耳を疑う。そして動揺した
-と……トライガンジェスター?-
「テメェが……まさかあの!!?」
「裏世界に身を投じた奴なら大体知ってる筈だ。知名度は高ぇぜ。絶対者とどっちが上かなんて張り合いは無しだ。さて」
押し寄せる殺意が五感を震撼させた
「覚悟しろDEAMON」
巨大な倉庫を開けば地下へ通じる階段があり壁のスイッチを押し天井の電気が点いた。左右上下の感覚と自己動作を脳内で戦略を立て表情が険しくなる。右手を後ろにいるプレマテリアへ合図すると距離を取った。そして降りると地下通路。わりかし手入れされ、一定間隔で扉がある。鉄製の
「プレマテリア。メールを入れてくれ。捕獲目的だが、生死問わずで」
「誰に?」「総統」
-そこまでの危険度-
「左右の壁迄の距離は4メートル、天井は2、5メートルか。狭すぎずだが動き回られたら傷を負いかねない」
ふと、少年は扉と扉の間の鉄の柵に触れた。どことなく牢屋を連想する。力を込めて握り締めるが取り外せなく苛立つ為、足で蹴る。これは複線
その時遙か先から近づいてきた。凄まじい速度で
「何だよ。想定以上か。下がってて」
「え!?あれってまさか!!?」
迫り来る異形
「不適合試験体。失敗作か」
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