『La persona influyente que se equilibra』


遮断をしたのは危険察知を経験で培った為に出来た事だった

柵から飛び降り蹴りを放つが左方向に回避した瞬間空中で前方回転しながら着地し追撃!

-早い!-

脇腹に拳を振るうが手套で払い左拳で反撃!上体を倒し両足で跳躍し拳を突き上げるが首を振り直撃寸前で遮断。宙に浮いた敵を叩きつけるかのように拳を振り下ろす!だが、空中で身体全体を右方向に移動させ拳は直撃ならず

網が後方になり足裏を当て奇襲者は左足を振り上げるが右拳で防御!瞬く間に足を絡める!!

「うらぁっ!!」

連撃を繰り出す!片腕でハジき首を振り直撃を避けダメージを最小限に抑えポケットから刃物を取り出した!

「死にな」

直後

「てめぇだ!!」

絡めた足を解放し空中で後方回転し拳銃を取り出し発砲!だが寸前で当たらなかった

凶器が互いに交錯した為だった

「やるじゃねぇかWreckagerぁぁ【残骸者】……この不測地帯で派手な奇襲けしかけやがっておらぁぁ!!差し金は何処のクズだぁ!!?」

「どこかの誰かならお前は今ここで拘束してやる………TRY-GUNGEASTAR【トライ・ガンジェスター】。何故、この国にいる?死に急ぐヤワならこの世界で死の荒野を創り出した破壊者が関与するなら……死に絶えたグズ共を弔う為か?お前の命で」

「てめぇの首を献上してやるよ!けっ!!このザコが」

殴る奇襲者!遮断する残骸者。攻防は加熱し加速する!

「クソチビ。手を貸せ」

会話が再び始まる




「!?」「どうした!?」

表情が変化する。黒い眼球に深みが増す

「今どうやらトンでも無い事態みたいだよ。WETが接触した」

「相手は?」

「………TRY-GUNGEASTAR」

「何!!!?」

静かに僅かながら少年は呼吸を長くしながら瞳孔が広がる。VERMILIONは動揺した。それだけのビッグネームである。裏世界を知る者ならば

「ここから近い場所にいるのは間違い無いよ」

「………そうか」

立ち上がり黒いロングコートを着て歩き出した。灼熱の内情を煮えたぎらせ

「WETに時間稼ぎの指示を頼むぜ相棒」

「行くのかよ?悪いけど、相棒でも相手が悪すぎて良くない言葉が居心地が悪くない位気分良くなって "スキッと爽快!喉ごしが生々しい麦~! "みたいな低脳の馬鹿な芸能人が滑稽にダンスしながら笑顔を振り撒いて、次の仕事に繋げる為の無駄な努力が報われない位、デカイ図体が豪快に大地に叩きつけられて地べたを舐め尽くした後に "こりゃあ、強いな。参ったぜ。ハッ! "って捨て台詞吐いて昏倒する相棒の姿が何故か目に浮かぶなぁ?僕は止めないけどとりあえず君の支援もしてやるから行って帰って来れる努力しなよ。あはっ」

「あ………相棒」




金庫の中身は空である。何も無く唖然とするDAZZING。怪訝の難色を示すSick

「………って事はこの金庫の中身の報告書は空になっちまった訳か」

「知ってる奴がいるが何処だか」

「詳しく教えろ」

スカーフを取り、悟りのような先天的な閃きがDAZZINGを答えに導いた。それは決して知り得ない理屈を度外視した情報の取得。Sickは真意を理解している

「出やがったな?何故か妙に当たる風習インチキ占い」

「星占いよりは当たる。天性の勘には敵わないけどな」

あまり興味が無いが一度、予見が的中し、忠実に再現したかのような錯覚に陥った事がある

「マヤ暦よりは古くねえが、酷死病よりは新しくねぇ。1000年の歴史だったか?」

「850年だ。代々受け継がれてきた伝統だ」

「それで異教徒扱いか………ケッタイなこった」

DAZZINGは過去に両親を亡くしている。人種差別が血気盛んなクロアチア情勢の真っ只中に起きた事件。それは虚言と捲し立てられた哀れな殉教者が凶弾に射たれ生涯の幕を降ろした。悲惨である………DAZZINGは忘れる事の出来ない記憶である。何となくだがSick横顔を見て、これ以上深く追及するのは止めた。携帯を取り出し履歴を見ればロッカートから着信があった

「護衛といっても拡散して調査した奴が二人いるが行方知らずなんだわ。そういえばだけど、何故かお前の話題を自ら出したヤツがいた」

「特徴は?」

「一人は袖無しの深紫のジャケット着たプラチナゴールドの髪の男。ウェーブかかった眼帯した奴。ジャラジャラアクセサリー身に着けた勘違い男」

-どんな違いがあって断言してんだよ。それにソイツは………-

「もう一人は白いコートを着た女。黒髪の外ハネ。いけ好かない勘違い女」

-単に言いたいだけじゃねぇのか?スカーフ巻いてるのは例外になっちまうのかね?-

「依頼人の周囲で常に張りついていた奴がアクセマン。一定の距離を取り移動しながら近隣を監視したのがハネレディだ」

「探知機或いは指示を受け自由行動出来るのは外ハネ女か。外部連携を取り指示を煽り、尚且つ発信器を持ってる奴が女なら迷わねぇ、どっちだ?」

「女だ」

「行くぜ」



現地に到着した調査員は検証結果を国防省に報告。事態の急速な鎮静を優先する為に単独で政府最機密組織【GRAPH】に連絡。承り対応処置は周辺閉鎖と感染症の疑念解消の為に現場調査員に妨害徹底の要求

GRAPH。様々な討論の末、決議

決定事項は現地の調査結果により判断を二択に絞る事とした



「全く厄介だよ。予定調和なんて悉く乱されるねぇ」

「そう言わないの。【R】はいつも裏腹なのね」


巨大な宗教画が飾られた神殿内で退屈そうに欠伸をする女性が1人。ぽつんと建物1つ分はある大広間の中央にあるテーブルの角で間延びしながらノートパソコンを眺めている。当然、会話しながらではあるが相手は旧知の仲である為、態度も気にせず、テーブルに体を預けながらでも成立した。長いブラウンヘアーが僅かに揺れた。黒いショートドレスのフリルも。窓の無い突き抜けた場所である為である。渇いている風は心地好い。少し眠たくもなった


「最近、妙な事が多いわ。【R】の管理国はどう?私、ちょっと疲れたのかも」

「まぁお互い様だねぇ。あれだけ各国で凶悪事件が多発したから、対応も加速しないとならなくなったからねぇ。組織使うのも面倒だから全部片付けちまうけどねぇ」

「相変わらず強すぎるのね。羨ましくなる位差が開いちゃう」

「悪いが、あんまり希望通りになる気がしないねぇ。そのしたたかさはハッキリ言って恐怖を覚える」

「そんな事無いわ」

華奢なシルエットが机から椅子の背凭れに重力を変え、後方に上半身を反る。逆さまの景色で長い廊下を眺めていると、足跡が近付いて来た

「ごめん【R】。デートの番が来た」

「相手のゲテモノ面を拝みたいねぇ。後で訊かなよ」

「そんな私、悪趣味?じゃあね」

回線を切り、立ち上がる。窓際に座り月を眺めながら、脚を組み静かに待つ

「伝言がある。マスターからの呼び出しだYO♪」

「貴方は相変わらず遊びでしか、人を訪ねないのね」

「YO~YO♪世界の均衡~タダならツケの必要ナッスィング必須ぅ~♪俺のケツ叩かれ、此処までの費用、お前のツケで支払うのマブダチ確定だから必須ぅ~♪」

指先を鳴らしながらリズム良くステップする1人の男。ターンしながら指さしした。

「ようよう~♪貴方のゼニは私が払う理由ブレイキングぅ~♪依頼なら必要ナッスィングぅ~♪………ねぇ、これ凄い疲れる。貴方は趣味悪い。最悪よ。消えなさい」

「ノーサンキューメ~ン!マジでマブい【A】の美貌にガチなアプローチぃ~♪マスターからの伝言~ん」

パーカーのポケットから小型の音声記録媒体を取り出す。再生ボタンを押す直前にターンをして空中に投げた媒体を掴み、キメポーズを取った。再生ボタンを押す

「多大な交渉を承る。覚悟よいな【A】!わらわの遊戯に付き合って貰うぞ」




少年はテーブルに両足を乗っけた。暫し考えある結論に至る

「これが事象なら記憶を掘り返せば数年前と類似かな?だとしたらだ」

僅かに口元が緩む。目を細めtableに置かれた炭酸水を口にし笑う

「LOST-FAUND【第一級研究有害消失現象】……って感じかな?あはっ」




LOST-FAUND

【第一級研究有害消失現象】

甚大な被害と凄惨現状が発生する研究概要を称した事象であり極めて危険且つ真偽が最も問われる

研究は未来への発展を上昇し新たなる発見と才覚の追求で称賛される不可欠

近年では病原性や科学の分野での成功例を挙げれば細菌感染を抑止する薬品の開発等で疫病の解決に至るという成果も見受けられた

ならば失敗例とはどれほどの取り返しの付かない事態であるのか?

人徳を問われる秀才達は免れる為の知恵絞りは真価を問われる

対極感情は如何なる時も存在し砕心する程の圧力を乗り越え回避する人外の思想

冒涜の継続化である

悪癖な感情はどれだけの結果を招くだろうか

民間人に知る術は無い




前日の晴れ渡る快晴の午後

ベルサジュは神経を緩め、森林の中にいた。背丈のある草木をかき分け、更に奥へと進んだ。樹海へ入り更に歩きながら、深く沈み込む

「ここからか」

降り注ぐ雪原へと足を踏み入れた。国境を超え更に進行した………視界を細め標的を見据える。その場所は豪邸であり、敷地とセキュリティから余程の人物であると推測した

「ここから先は一直線だな。だが、森林区域で至る所に………赤外線探知?こんな厳重な監視範囲あるか?スナイパースコープすら起動している。一体、この住居者は」

「ここは【百合の園】だ。大した気配察知だ。流石はベルサジュ・シェイダー」

振り向いた!次の瞬間、臨戦体勢から刹那、不意打ちの攻撃を繰り出す。両手で防御した

「俺だよ!同じ依頼を受けたんだ。いってぇ!」

「すまない!」

咄嗟に距離を取り、警戒を解いたベルサジュ

「あんたは?確かエンダムだったか。セキュリティ解除専門の」

「偵察に来たんだが半端無いな!ここ迄たぁ参ったぜ!」

スキンヘッドを自分の手で撫でながら、苦笑するエンダム。サングラスを取り険しい顔で何度も警報網を掻い潜る策を立てたが活路を見出だせない。ベルサジュも同様だった

「改めるが俺はエンダム。軍事開拓国家に舞い戻り、再び犯罪をしに来ちまった」

「再び?つまりは」

「元、工作員だった。俺はあるセキュリティシステムの開発に携わり、情報を盗んで、アメリカに逃亡したんだが………運命呪うぜ」

「依頼を断らなかったのか?」

「娘が出来ちまった。マトモに暮らすと金が足らねぇ。後は罪滅ぼしに後腐れ無いよう依頼を受けちまったのがこのオチだ」

「ははっ。最後は犯罪で人稼ぎか。面白いな」

ベルサジュは雪原を眺めながら白い息を吐く。鋭い視線を更に尖らしながら算段を立たせる

「だが、僅かな希望がある。まさか稀代の暗殺者、ベルサジュ・シェイダーがいるからな!これで胸が張れるぜ」

「びびって背骨曲げちまう。なんてな………エンダム。1つ聞きたい」

「この家の主か?」

風が吹き荒れた。吹雪の前兆すら感じる天候に視界も徐々に見えづらくなる。だが、エンダムの言葉は猛吹雪より凍える程だった

「ティオーレ・テンバランスだ」

「な………何?何の間違いから発生した事件だ!?」

ベルサジュは絶句した。それは表裏世界、戦いに身を投じた誰しもが恐れを抱く程の

-たった1人で10ヵ国を動かす位の………あの生きた伝説が所有している………書類を強奪するのか?それ程の危険度なら。DAZZINGはこの事を-

「多分、俺しか知らない。この場所は一度、セキュリティの設計図を作るのに集められた時に偶然知ったんだ。つまりは」

「エンダム。あんたはそれを承知でまさか舞い戻ったのか?何故だ!」

「それはな………俺はプロの端くれだ。1度でも制覇した事の無い険しい山脈を登る決意をしたかったのさ。例え罪でも………腹くくっちまったらやるしかねぇ」

「馬鹿だな。だが、嫌いじゃない。その煮えたぎる心は俺も同じだ!やろうエンダム。成し遂げような」

ハイタッチをし、再びサングラスをかけるエンダム。ベルサジュは包囲を突破する方法を考えていた

空が更に荒れる

猛吹雪が近付こうとしていた

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