第2武 異世界での出会い 一人目
「ここが・・・異世界なのか?」
俺が目覚めたのは、建造物が一つもない広大な草原だった。前、友達から借りた異世界転生もののラノベの挿し絵みたいな世界を想像してたので、少々拍子抜けな感じだった。
「服は死んだときのままなのか・・・」
熱中症で死んだ、ということはきっと試合中に死んだのだろう。
大体予想はついていたが、やはり、袴と剣道着に胴と小手という服装だった。面はリリィが気をきかせてはずしてくれたらしい。
「はぁ・・・・・・この格好じゃあ、多分すげー怪しくみられるよなぁ。
まぁ、今んところ誰もいねーけど・・・」
俺がそう言いながらまわりをキョロキョロ見渡すと、数百メートル先に、倒れている女の子を発見した。
「んん?あんなところに女の子!?
ほっとくわけにはいかねぇよな。」
タッタッタッタッ
そういって俺は、倒れている女の子の元へ向かった。
「お、おおッ。こ、これはぁ!」
思わず声を上げてしまった。さっきは遠くてよく見えなかったが、近づいてみると、自分は日本人だと主張するようなきれいなロングの黒髪に外国人のようなグラマラスな体型、
おっぱ…ゲフンゲフン…胸を強調するような弓道着を着た女の子が倒れていたからだ。
「お、おーい大丈夫か?おいっ!おいっ!」ユサユサ
女「ん、んぅ・・・・・・」
俺が女の子の肩を掴んで揺すると、その女の子は目を覚ました
女「・・・・・・こ・・・こ・・・は?」
「多分、異世界だ。いや、多分というか絶対そうだ。」
女「・・・そう・・・・・・本当に転生しちゃったのね・・・異世界に・・・」
予想はついていたが、やはりこの女の子も転生者のようだ。
「やっぱり君もか。俺もついさっき目ぇ覚ましたばっかりだよ。」
女「ということは、あなたも死んだのね。」
「ああ。熱中症でな、中々ハードラックだぜ。」
女「熱中症・・・・・・ね。私は脳梗塞よ。あなたも会ったと思うけど、あのリリィとかいう神様に教えられたわ。」
脳梗塞・・・この娘も結構ハードな死に方だったらしい。
「見たところ君は弓道でもやってたのか?俺の記憶だと確かその服は弓道着だったと思うんだが。」
女「そうよ、私は弓道部だったわ。一応県大会までいったんだけどね・・・。その県大会で脳梗塞・・・最悪だわ。そういうあなたは、剣道部なの?その服。」
「そうだよ、俺は剣道部。分けあって防具はつけてないけどな。」
女「そうなの・・・お互いthe日本人みたいな部活やってるのね。」
「日本人だからな。ああ、そういえば、自己紹介してなかったな。」
「俺の名前は竹谷剣輔。あだ名はケンだ、どこぞの格ゲーみたいにムキムキじゃないけどな。このあだ名は意外と気に入ってるんだ。」
女「じゃあ、私もケンって呼ばせてもらうわ。これからよろしくね。」
結構きさくな子でよかったな。
これからも仲良くやってけそうだ。
「ああ。よろしく。」
女「私も自己紹介しておくわね。
私の名前は弓矢佳乃。友達からはヨシノンとかシノって呼ばれてるわ。
私としては、シノっていうのが一番好きだけど。」
ケン「じゃあ、シノって呼ばせてもらうよ。」
シノ「うん。そっちの方が何か安心するわ。」
自己紹介も終わったことだし…
これからどうするか…
見たところ周りには何も…
ん?ありゃあ街か?
ケン「自己紹介も終わったし、あの街にでも行ってみる?」
そういって俺は少し離れたところにある街を指差した。
シノ「そうね。勇者になって魔王をやっつけろって言ってたから、装備とかを整えないといけないし。
この子、結構RPGの基本を知ってるんだな‥‥‥‥。もしかして隠れゲーマーか?
ケン「それに、王様にも会わないといけないしな。」
ケン「じゃ、いくか。しゅっぱーつ。」
シノ「いえーい」
結構ノリノリだなこの子。
そんなことを思いながら、俺たちは街に向かって歩き出した・・・
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