第4話 初体験
「ソフィはどこまで知ってんの?俺たちの関係性について。」
電話もかけて、やっと落ち着いたとこで、やっとソフィのコーヒーにありつけた。
ソファの俺の傍に寄り添うように女座りしているソフィが、両手に持ったチョコレートミルクをを傾けながら、上目に俺を見て言った。
「……ぜん…ぶ?」
俺は深くため息を吐いて、ソフィの頭を胸に引き寄せた。
「…お前も、頑張ってくれてた訳だ? そうなんだろ?」
ソフィは俺の胸に顔をすりつけてつぶやく。
「……うん。私を忘れてるならそれはそれであなたは幸せなんだし 、私は、あなたの傍に居れて、顔を見てられるだけでも幸せだと思おうとしたの。……出来なかったけどね。
欲が出ちゃった。あなたが葵と居るとこを見たら、苦しくて苦しくてたまらなかったの。我慢出来なくて…つい。ごめんね。」
「母ちゃんたちの約束を知ったのは?」
「許嫁の約束の話は、あなたに出逢ったあと。少ししてからよ。ママは早くからあなたの才能を見抜いていたんだって。だから、ママは私に歌を教えてくれてた。
いつか私を迎えに来るあなたと、並んで世界中を飛び回れるようにって。
だから私のうたにはスタイルが無いの。あなたの自由自在で心に直接響いてくる様な、あたたかい音に合わせたうた。あなたの音だけに特化した、あなただけのための、うた。」
ソフィは俺の肩に頭を預け、夢見るように遠くを見ている。
「…ママはね。本当はタクトが好きだったんだって。幼い頃からずーっと。
だけど、一度も告白しなかったって。結婚後にぶっちゃけたらしいけどね。
タクトの傍で、タクトの為に歌をうたえるだけで幸せなんだって思ってたの。こないだまでの私と同じね。私には無理だったけど、でもママは出来たわ。
ママのうたはタクトの為に在ったの。
私はママのうたが大好きだった。
柔らかくて繊細で、何でも包み込んで癒してしまうような、そんなうた。
私はママを誇りに思ってる。
ブルーノート?私のうたもあなたのためだけに在る。
ずっとずーっと、私をうたわせていてね。」
「俺は、特にシンガーを探すつもりはなかったんだ。自分の音には自分で責任を取るつもりだったよ。でも、お前の歌を聴いたら何もかもが霞んで見えた。俺の音には、お前の歌が必要だ。例え、お前に断られても、何度だって頼みこむよ。俺にはお前が必要なんだ。」
「……嬉しい。…その言葉だけでもう、死んでもいい。」
「だめだ。俺より先に死んだら許さない。それだけは絶対に。」
「…………勝手なひと。ふふ。」
ソフィがくすくす笑う。
「そうそう。さっきの話だけどな。
お前的には、ファーストネームで呼んで欲しいの?ギヴンネームで呼んで欲しいの?」
大きな目をパチパチして、ソフィは俺の正面に顔をもってくると
「…あなたはどっちが好き?」
至近距離に近づいたソフィの吐息が俺の顔をくすぐる。
綺麗な瞳。整いすぎてる顔の作り。
あおいみたいな超絶美人顔を見慣れてるはずの俺でも、ドキドキするほど美しい。
出逢った頃、幼いながらもフランス人形のような繊細な美しさを持った子だったけど、今はその繊細な美しさの中にも、ある種のエロチックさが同居してる。
きっと、この子に抱かれたら気持ちいいんだろうなって感じ。
表現が難しい。
「……ソフィってエロい。」
その言葉に、びっくりしたような表情をしたソフィは
「……どこが…?! 私ってそんな風なのかな?!」
少し顔が紅い。潤んだエメラルドの瞳が、困ったように俺を見つめる。
いや。充分エロいぞ。
「…エロいけど、可愛いよ。すごく。
俺はファーストネーム…クリスチャンネームのほうが呼びやすいかな。馴れてるし。」
ソフィはふっと息を吐いてにっこり微笑んだ。
「いいよ。あなたが好きな呼び方してくれるほうが、嬉しい。」
「じゃぁ俺はソフィで。だけど、みんなの前でもソフィで良いのかな?」
ソフィは少し考えてから
「あなたはソフィ、みんなは空ちゃんでいいんじゃない?
誰も何も言わないよ。それだけの歴史が私たちにはあるんだから。」
「そうだな。俺、ソフィって響き、好きなんだよな。知恵って意味だったよな?」
「そうよ。私も気に入ってる。」
「じゃあソフィ?そろそろ寝ようか。」
「そうね。二人して寝坊したら大変。」
****************
「で、一緒に寝れと?」
「そう♪あなたは右側にして。」
まぁこうなるとは思ってたんだけど、もう言い争う体力も気力も残って無さそうなので、素直に従うことにした。
シャワーで済ませたので、少し身体も冷えてるし、早く布団に入りたい。
「OK。じゃあ、おやすみ。」
さっさと寝てしまおう。こんな綺麗な女の子隣に置いてたら身体にも悪い。
さっさと右側に潜り込み、布団を深くかぶり、ソフィと反対を向いた。
ルームライトが消えて、ベッドサイドテーブルの光だけに。
おっ。素直に寝るんだな。よしよし。本格的に寝る体勢になる。
静かな部屋に衣擦れの音。
やがてのそのそとソフィが入ってきた。
ソフィの腕が俺の背中に当てられる。あったかい。
「ね?ブルーノート。」
背中にソフィが顔をつけてささやいた。
「うん?」
ゆっくりとソフィのあったかい手が俺の背中を撫でる。
「こっち。向いて?」
ほとんど吐息に聞こえる綺麗なソフィの声。ゾクゾクするほど綺麗な声。
「どした?寝ようぜ。」
と、振り向くと、ソフィはいたずらっぽくくすくす笑う。
サイドライトのオレンジに煌めくエメラルドの瞳。
「…愛してるわ。ブルーノート。」
潤んだ唇がそう動くのを見ていたら、そっと唇を塞がれた。
軽いキス。 すぐに離れた唇の感触を名残惜しく見る。
「……うん。」
とだけ言うと、ソフィは俺を抱きしめた。
「──────?! 裸…?!」
またソフィはくすくす笑う。
「さっき入る時に脱いだの。いつでも襲ってね?」
「……意外に素直に寝ると思ってたら…。」
おかしくてたまらないって風にソフィは俺の胸に顔を埋める。
くすくす笑いながら、俺の右手をソフィの背中にやって、左手はソフィの胸に。俺の胸にあるソフィの唇が胸のあたりに何度もキスをする。
少し息も荒く、熱い唇の感触がだんだんと下りていき、ソフィはどんどん布団の中へ。ヘソの付近にキスを続けながら、ゆっくりとソフィの顔は、俺のに到達し、優しくキスをする。
あまりの気持ち良さに、身体が震える。
そして、ソフィはゆっくりとゆっくりとズボンを開き、俺の俺を取り出すと、瞬間、なま暖かいなんとも言えない未知の感触で包まれた。
「──────?!!」
言葉にならない。
なま暖かい感触は絶えずうごめいて、腰から下の力がまったく入らない。
ただ、すっごい気持ちいい。
下腹の中からくすぐられてるような感覚。
たまらず、布団をめくると、ソフィが俺のを口にくわえたままで、俺を見た。
「ひもちいい?」
そう言ってさらに顔を上下する。その度に、身体を電気が走った。
「う………んっ」
それを聞いたソフィはさらに激しく口を上下する。ジュルジュルと部屋に唾液の音が響く。その音で余計興奮してくる。ヤバい。出そう。
「そ…ソフィ…ヤバい……んっ……出る……」
ソフィは手も口も舌も全部使って俺のを激しくしごき、舐め、くわえこむ。
「……出して。このまま。……いいから。いっぱい出して……。」
どんどん口の動きは強く激しくなって、ついにソフィの口の中へ
「──!!」
「んっ──!!!」
力が入らない………
「……ん。…………ん。飲んじゃった…。ふふふ。たくさん出たよ。」
俺は何にも抵抗出来ない。
凄い。すごい脱力感。
ソフィの方を見ると、満足そうに笑った。
そして、仰向けで動けない俺の胸に身体を預けて
「嬉しい…。私の口でいってくれて…いっぱい私の中に出してくれて……嬉しい。……お腹の中であなたのが踊ってる…」
ほんとに嬉しそうなソフィの声を聞きながら、強烈な脱力感と睡魔に抗えない俺は意識をなくした。
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