第95話 2022年 配信シングル「時代遅れのRock'n'Roll Band/桑田佳祐 feat. 佐野元春, 世良公則, Char, 野口五郎」 矛盾

□時代遅れのRock'n'Roll Band:桑田佳祐 feat. 佐野元春, 世良公則, Char, 野口五郎

□リリース:2022年5月23日

□規格:デジタル・ダウンロード/ストリーミング

□レーベル:タイシタレーベル

□作詞者・作曲者:桑田佳祐

□参加ミュージシャン:桑田佳祐/ 佐野元春/世良公則/Char/ 野口五郎//大友康平(MV)ハマ・オカモト(MV)//原由子(MV)



SNSフィードに突如として「時代遅れのRock'n'Roll Band:桑田佳祐 feat. 佐野元春, 世良公則, Char, 野口五郎」が踊る。その後桑田佳祐のラジオを経て、YouTubeに静止画MV公開。そして2022年5月23日に配信される。その後の反応は、各アーティストの熱烈フォロワーに評価され、総合メディアチャートのBillboard Japan Hot 100で初登場9位と言う、平和を願う楽曲への関心度そのものとも言える実績を残す。


また、2022年7月1日時点でのYouTube再生回数は。


【静止画】桑田佳祐 feat. 佐野元春, 世良公則, Char, 野口五郎 - 「時代遅れのRock’n’Roll Band」 (Official Au... https://youtu.be/fhaBjgL2fb4 @YouTubeより  →140万回

【動画】桑田佳祐 feat. 佐野元春, 世良公則, Char, 野口五郎 - 時代遅れのRock’n’Roll Band(Full ver.) https://youtu.be/xsEsyWA2ve8 @YouTubeより →455万回


1ヶ月超えでこの再生回数は、各リピーター有りきとワイドショーの取り上げ方も上質だったと添えておく。その上質は、あくまでエンタテイメントに徹した事と、この曲の孕む矛盾を敢えて深堀りしなかった事にある。それはどうなのかも、いやそれはそれで各自で正解を出せば良いので潔い展開だった。


ただ、発表間もないROCKIN'ON JAPANの巻頭ページでは、よりエンタテイメントにフィーチャーしたせいか、やってやったぜを何故か代弁している。いや社会的メッセージより、まずはそこに触れてくれの下りは同調が難しいが、参加ミュージシャンは誰も、やってやったぜとは思ってないのは明白。まあ平均年齢66歳のユニットとは、隔世感はどうしても有りましょう。これも貴重な一記事として多様性の一つに。



そして大きく取り上げたのが、発表から約1ヶ月後2022年6月21日のNHKのクローズアップ現代「いま音楽にできること 桑田佳祐66歳 “同級生”と平和を歌う」。まずSONGSに行かずに、時政番組的なローズアップ現代が、らしくもある。

この5人の絵面が強烈で、佐野さん曰くのメインストリーム雰囲気の楽曲に流されるかなを、それではいけないのと察したのか、この番組で矛盾を正直に述べている。


「時代遅れのRock'n'Roll Band」を聞いて歌詞を読んだ時に、私としてはまるで受け付けなかった。子供の生命を守る為なら、大人なら全力で何をしていいのか。それは戦争なのだから、やむ得ない事だろうと、ウクライナ侵攻初戦当時の論調はそのまま多くを占めている。ただ「時代遅れのRock'n'Roll Band」は最後に向かう程に、自ら放っている言葉に矛盾を呈する。そう、これは深き悩みのままでいいのかと。


皆がどう行き着いたかのタイミングで、桑田さんはクローズアップ現代でやや答え合わせをする。ボブ・ディラン「風に吹かれて」を呈示しカバー曲を歌いながら、その答えはあなた方で出すべきだろうと。私、いや少なくない皆さんが抱いていた違和感とは、現在進行形のままで良いと。ただ未来を子供達に託すならば、ある程度の俯瞰を良し悪しを考えなくてはいけない。矛盾なら矛盾の説明を、本来ならライター陣の多くが書くべきと思う。




ウクライナ侵攻のロシアの主張の一つに、非ナチ化がある。ここは陰謀論が多くを語ってしまうが、事実として無いとは言えない事。検証は早くて是正した方が、講和条件に辿り着けるだろう。未だ第二次世界大戦の幻影を引きずるかだが、どうしても抑え込めないのが、事実を全て証明しきれなかった歴史観そのものと。

この非ナチ化の長きの問いかけで、フランス・トルコが平和へと促す。ドイツの開戦当初の武器出し渋りも脛に傷があればこそと言える。そしてここに一切の歴史観を排除しし抗戦を促すアメリカによって、泥沼化している。アメリカとしてはイラク戦争の時の化学兵器所持の是非を振り切っているので、問答無用だ。


何よりの大問題は、開戦初期にウクライナのゼレンスキー大統領の国民総動員令がある。日本も太平洋戦争の時に振り切ったが、兵隊が足りないなら総動員の手順が悲劇を増している。

ロシアとしてはウクライナ人全てが、戦闘要員ならば容赦無民間人を吊るし上げている。互いに国際法でアウトな展開なのだが、それを押し進めているのがSNSのウクライナの勝利を望む急進派だ。戦場にいないのに、そのイケイケのコメントで見て死んでゆくウクライナ人を考えた事があるだろうか。兎に角平和はぬるい。話し合いは持っての他。その声を疑わない世論では世界はもっと混沌として行くだろう。全ての手順を見直し、そもそもに辿り着かなければ、講和条約は縺れ合ったままで、両者にとってただ一方的なものになり、後に通づる不満を生みかねない。


そんな現在のウクライナ侵攻を窺う状況としては。日本のメディアも最初の方こそ扱っていたが、やはり視聴率絡みかと。最近ウクライナ侵攻を扱わない日もままある。いや、やはり外国の事なのだ。

それならばSNSは、勿論疲れてはもうで、ロシア許すなのインフルエンサーのフィードも来ません。そして影響を受けた物価上昇は、日本は年2%、アメリカ・ユーロは年8%。ここに当然儲けている中東諸国も絡んでは複雑な状況だ。伝え聞くところ、いやもう公でしょうけど、値上がりが歯止めが利かないようです。まだまだ続く。




そしていざ私の心を置いてみる。正直、もうどちらでもよいの投げやりです。ウクライナが総動員令を敷いた事で、抗戦するにしても無差別に殺して良いかです。ニュースとして「ウクライナの民間人がロシア兵に毒物を食べさせて殺害」は何か違うなと。死ぬか生きるかにしても、私は生活用品を扱ってる仕事なので、それは決して触れてはいけない事だろうと思う。戦争と犯罪は分けるべきです。


そんな事を考えながら、会社のウクライナ支援募金の箱を日々眺めては、貴重な食事はそういう事に使われてるのかなとただ切ない。違うと言って欲しいけど、最初こそニュースフィードに上がれど、毒殺トラップは常態化してるのはではと、ただ察してしまいます。食事迄兵器にしては行けない一線と思う。それこそロシアの追求の訴求点になります。



ロシアが2022年2月24日に開始したウクライナへの軍事侵攻から、もう4ヶ月超えです。私は、フォークランド紛争、クウェート侵攻、イラク戦争、ユーゴスラビア紛争、9.11、アフガニスタン戦争をメディアを通じて見てきましたが、それはただ一定点にしか過ぎません。転がる死体に負傷者を、幾らでもカメラから逸らす事で、スノッブな抗争と演出する事は可能です。画面とは、そう言う事も出来ると知るべきでしょう。


私は侵攻開始から、兎に角和平すべきと軟弱な事を言ってましたが、今の状況でも遺体の山を積むべきと言えるでしょうか。今更意見を変えるのは格好悪いなんて、どうでもいいです。実際の答えなんて、風の中に有りはしないでしょうから。


そう、桑田佳祐 feat. 佐野元春, 世良公則, Char, 野口五郎によるダサイRock'n'Roll Bandは、それでも問い続けています。やはり平和かを思考する前に、ワンクッション置いて「時代遅れのRock'n'Roll Band」の歌詞をなぞる位でも良いのです。

歴史的セッションのBand Aidは、1984年「Do They Know It's Christmas?」から始まっています。このままで良いのか、いや違うだろうが、あのライブエイドのウェンブリー・スタジアムの大きなうねりになります。一人一人がプロセスはそれぞれあれど、やはり平和に辿りつけば、今後の紛争抑止につながるかもしれません。


どうか慈悲を。

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