□カムカムエヴリバディ／NHK 連続テレビ小説

□原作脚本：藤本有紀

□制作統括：堀之内礼二郎／櫻井賢

□プロデューサー：葛西勇也／橋本果奈

□出演者：上白石萌音／深津絵里／川栄李奈／松村北斗／村上虹郎／濱田岳／世良公則／本郷奏多／三浦透子／新川優愛／森山良子／オダギリジョー

□音楽：金子隆博

□放映期間：2021年11月1日 - 2022年4月8日[

□期間平均視聴率：17.1%

所謂連ドラの「カムカムエヴリバディ」。前作の「おかえりモネ」がドラマとして秀逸だっただけに、３世代１００年の物語を本当に描けるのかは有りました。確かにドラマとしては、アレっとがまま有りましたけど無事完走しました。

ここアレっがあるのに無事完走出来たかは、ディテールがかなり拘った事もあって、総合点にそれが上乗せされての加点になります。減点法だけでは無い評価を築けた事は大きく評価されるべきです。

ただ、３時間の総集編ともなると、核がやや弱く、強みであったディテールもとことんカットせざる得ない為、改めてどこが面白かったのかなと思いあぐねました。

「カムカムエヴリバディ」は「安子編」「るい編」「ひなた編」で構成されます。

「安子編」で波はあれどオーソドックな連ドラ展開だったのですけど、戦後位から、所謂考察ドラマの楽しみ方、所謂伏線探しがSNSも交えて世間の話題になります。それも近代のミステリードラマの楽しみ方で、新たな支持層を広げたのは、結果大成功かです。

ただ。私は朝仕事早くの昼視聴組だったので、帰ってSNSのフィードを見ると、もうネタバレ一色のタイムラインの染まります。いやネタバレは嫌いでは無いですよ。事前に知り得ていますから、その分役者の演技や、各ディティールを深く観賞出来ますので、そういう方々も少なく無い筈です。

だがしかし、都合１００回近くネタバレが続くと、かなりうんざりしました。これからの連ドラは全部これかと思うと、脚本ひねり過ぎないといけないのかなが…それが今の「ちむどんどん」の惨状になるのですけど。

とにも。SNSでは公式アカウントが朝の放映を終えると、いや途中から昼の放送を終えての、ディーティール解説はしていたものの、ドラマってそういうものになって行くのかなと。ある程度視聴者に委ねるの手腕かと思うですが、ここは認識が旧式なのでしょうかね。

旧式ついでに言えば同時期の夕方には「純ちゃんの応援歌」が再放送されていました。初々しいのですよ山口智子が。最近の傾向にある、若手女子が台詞を思い出しなが言って目が泳いでいるあのルーキーに、そうか山口智子もかだったのですが、実弟の死から肝が座って役者さんになりました。朝ドラって、それを見届けるの楽しみだったかです。現在ではオーディション制がなくなり直指名になった様ですけど、何時でも回帰しても良いと思います。

出来上がった役者さんを見ると、何と無く先が見えてしまうアレが無いのが、朝ドラの強みだったのではともです。

そして深く考えるべき問題のネタバレですけど。「カムカムエヴリバディ」でネタバレ全開がＳＮＳでほぼ解禁となってしまった為に、頼むからネタバレだけは止めてくれ法的措置も取るぞの某映画「シン・エヴァンゲリオン」でネットが牽制された筈なのに、最近では「シン・ウルトラマン」が思いっきりネタバレのし放題です。ここ「カムカムエヴリバディ」の影響来てる言い切れます。

まあこのコロナ禍でまだ映画は憚るので、多少はネタバレでも聞こうかにはなりました。ただそこに書かれているのは多少ぼかした考察ではなく、物語全てです、丸ごとです。流石に引きました。そして閉じました。これを取り締まれない制作側もどうかしてるよの引きに引くです。私見あり気のネタバレと、全て公開はまるで違うと思うのですけど。

もはやそんなに野放図かと思えば、映画を10分程に編集し公開するファスト映画の投稿者を、映画会社１３社が提訴する向きも有ります。圧縮して、映像も拝借して、ネタバレもとことんだったらアウトの主張ですが、さて法廷ではどの様な判決になるのでしょうか。制作側に有利の判決が下されると、ＳＮＳ等では事前検閲のＡＩを走せざる得ないと思うのですが、今の日本では人力で検閲でしょうね。そんな未来で良いのかメディア最前線と言っておきましょう。