ここ最近、段ボール群の本の整理をしていたら、丁寧にも出てきました「ダ・ヴィンチ　１１月号創刊７号　宮本輝の解体全書」が。

今から２７年前ですか、どストレートのサラリーマンでしたね。当時はバブル後でやや内面に向かいつつ時代でしたから、書籍に焦点を当てるのは大正解だったようです。

雑誌のサイズも、一作家特集も、マルチアングルな企画の支え方も、この１９９４年には完成されています。

何故創刊号から買わなかったのは、バックナンバーを目にする限り解体全書の作家さんとの繋がりが薄かったかなと思います。現在でこそ税込７００円ですが、１９９４年当時は税込３８０円なので、リーマンやってるなら買えるでしょうけど、そこが雑誌の売り方って本当に気が遠くなりますよね。

当時のダ・ヴィンチの記憶とバックナンバー見る限りあれなのです。軌道が分かるけど、打てないカーブをじゃんじゃん投げてくるのです。

今手元にある「ダ・ヴィンチ　１１月号創刊７号」のもう一つの大特集は「今、すべての作家に知らせたい大報告日本の読者の声」です。今でも通用する一見軟派な企画ですが、そこは立ち上げから全力投球してくるカドカワグループのマインドが発揮されます。その一つに「平成の抱かれたい作家は誰だです？」。まあ固まりますよね。平成初期にインターネットが繁栄されてれば、やはり炎上したと思います。あと放送禁止用語タイトルも有りますが自粛です。

「平成の抱かれたい作家は誰だです？」で気になるランキングは、宮本輝が抱きたい抱かれたいランキングで大人気です。宮本先生は業が深いようです。

さて「宮本輝の解体全書」ですけど、カラー６ページになります。まあ６ページかにもなりましょうけど、現在の様な配信向けではない為にフォントは大きくなく凝縮してますので、どうしてもの全書サイズになります。

バイオグラフィーに、キーワードへの問い、そしてロングインタビューと、いつぞやかのテレビで拝見した宮本先生の洒脱がありのままに文面化されてます。

そして宮本先生がダ・ヴィンチ読者に推薦する自著の１番目に青春模様『青が散る』が上げられてます。宮本先生はダ・ヴィンチ読者像見えてるなとも。多分今でも宮本輝特集があれば１番上は変わらずと思います。

そう、宮本輝先生の掲載号は２０１０年で止まっているみたいなので、９部作の『流転の海』も完結しましたし頃合いと思いますよ。１９９４年当時ではまだ５部作だったのですけど、その経緯も今風に解体全書してほしいなとも思います。

ここで言うべきではないかもですけど、文学は芸術であり崇高もネット小説時代になっても闊歩してますけど、読むのはありふれた一般人ですから、入り口は軟派なほど良いに決まってます。ダ・ヴィンチの歴史とは全てを揉み込んでの現在ですから、そのブレの無さに感服しか有りません。

あと最後に「今、すべての作家に知らせたい大報告日本の読者の声」の企画に「恋人（妻・夫）に贈りたい本」で『アルジャーノンに花束を／ダニエル・キイス』が１位です。何か分るなしか有りません。折々に舞台化とドラマ化されて、その繋がりはエバーグリーンなのでしょうね。本を贈りたい時に迷った一冊に如何でしょうか。

ああと、もう一つ書かざる得ないのは「今、すべての作家に知らせたい大報告日本の読者の声」のアンケート調査の一ヶ月の雑誌書籍代であれと思ったからです。１９９４年にしてダ・ヴィンチアンケートの対象者なので、一ヶ月の全体平均が5,117円と有ります。これを現在に近い２０２０年の総務省統計局の総世帯の雑誌書籍代になると、一ヶ月の全体平均891円です。

もう一つ指標に２０２０年のスマホ利用者の月額料金は平均5334円と、ここで無事補っている感は有ります。

何故ここ迄激減し本が読まれないかは、いつでも読める事と、この２７年間に書籍が２倍に匹敵してる事（それでも何故かハードカバーは2,000円超えが少ないですね）。後は時代の波でサブスクリプションでKindleUnlimitedとdブック・dマガジンと漫画系各種が回り始めてますが、これはやっと近年ですので、時間をかけて更なる考察が必要です。

やはりのトピックは、文庫本当雑誌が知らない間に２倍になっていては、そのカーブは徐々ではあるものの離れざる得ませんでしょうか。それならばとweb展開している、何れの小説に漫画に流れ着くのもやぶさかでは無いでしょう。