第48話 1998年 CD「オレンジe.p./米光美保」

以前にも米光美保の事を書いたのですけど、pvが好評なのでまた書きます。

ここではsony最後のマキシシングル「オレンジe.p.」についてゆるりになります。


17thシングル「オレンジe.p.」の発売は1998年8月1日。

至るソロアルバムとしての変遷は、1993年「MIHO from Tokyo Performance Doll」/1994年「From My Heart」/1995年「FOREVER」/1997年「Better Than Travel」。


ソロ換算でも5年、何処かで結果が出てればのそれは…1996年のシングル「恋人よ~TO LOVE YOU MORE~」が結婚式用の新規歌詞であればのif、口コミで行けたと思うのですけど。まあですね。


そもそもで言えば、アルバム「Better Than Travel」ですよね。打ち込み曲も多くなり、当時のメインストリームにも乗りましたけど、ボーカルの力強さを示す為にもドスが余りにもかなり効いており、上級者向けなのですよね。「Better Than Travel」の良さを知るには当分時間が掛かりそうですね。


そして、やっとの「オレンジe.p.」。プロデュースはショコラータのボーカルを経て同じsonyレーベルのかの香織です。ショコラータも人力多めのニューウェイブバンドで、かの香織ソロになってからは打ち込みが増えたものの抜群のバランスであったと思います。

その、かの香織のコケティッシュさそのものを受け継いだ今作は、聞けば聞く程に新しい米光美保を打ち出しています。


かの香織プロデュースは実は遡る事1997年シングル「トラベル」から始まります。ここで微かな兆候があります。音程がいつもオクターブ下の低音からややナチュラルに移行しています。


そもそもオクターブ下の低音の歌唱は、TPDのその音域でこなせるのが米光美保で有り実にはまりました。まだ「MIHO from Tokyo Performance Doll」の頃はナチュラル音域があるのですけど、TPD初期後半からオクターブ下の低音に収まります。


その低音スタイルは、角松敏生プロデュースのソロアルバム「From My Heart」「FOREVER」でもバンドサウンドのボトムを支える素養を持っているため、低音止む得ずもかなりの完成度です。


だけど、か細い女性の咽頭部で何時迄もオクターブ下の低音を歌え込める訳も有りません。これ以上歌っていたら咽頭部潰した筈です。

そう何処かで転機は必要なのです。それが「オレンジe.p.」です。収録曲は4曲ですのでそれぞれリコメンドを少々。



1.オレンジ

もう極上のポップ。打ち込みが主体になりますけどバックトラックに負けません。

そうですね、角松敏生プロデュース時代のアダルト路線も良いですけど。約等身大もあるべき姿なですよ

詩は呼びかける相手が”君”となり世界観が若返っています。このオレンジに限らず、平成になり呼びかける相手が君へと進化し詩の世界観がぐっと広がり、J-POPも華やぎます。

まあライバルとしては同じsonyの渡辺美里にもなりましょうけど、歌唱力なら米光の潜在能力に分が有り、もうちょっとsonyには辛抱して欲しかったものです。


2.カラフル

更に跳ねるポップ。楽曲は八木田麻衣路線と穴井夕子路線を足して5倍にブーストした感じです。このピッチがベスト過ぎます。また、キュートは八木田麻衣以上、メロディの跳ねは穴井夕子と双璧成すか程に。

この路線であとアルバム3枚は行ける筈ですけど。オクターブ下の低音からの脱却はそれはかなり難しいのですね。ライブした時の整合性が本当難しいかな。

世界観は所謂僕っ娘なのですが、何故には無しです。米光のオフィシャルイメージは本来そこでもあったし、この路線を尚もはっちゃけて行けた筈。

まあ近年では、新生TPDの脇あかりがその役割背負うかとしてますけど、そこまでの歌唱力がですし…その前に新生TPDの土台がとかもで。


3.オレンジ [remixed by LaB LIFe]

米光美保抜きの、かの香織コーラスのリミックス曲。

一言、何で米光美保の声をサンプリングしないの。起用が無いなら他の曲に差し替えて欲しかった。


4.星

アコースティックギターによるバラード。何遍も聞きましたけど頭に入りません。心変わりした彼氏への思いは分かりますけど、音のエレメントが多過ぎるのですよね。アコースティックギターのヒスノイズばかりが気になって、それだったらブラシドラムに差し替えて良いんじゃないかなって。或る意味ざらつくサンプリング文化全盛期でしたので、ノイズのアクセントは止む無き事なのかな。

そのノイズ有りきはsonyらしくも無いですが、このマキシシングルで打ち止めになったものの、次のアルバムではかなりサンプリング主体の意欲的な曲も候補に上がっていたかも知れませんね。

うむ、それって市井由理の1996年のソロアルバム「JOYHOLIC」の路線そのものですね。



この「オレンジe.p.」に関しては、新生TPD再起動のおかげでサブスクリプションミュージックでも聞けると思うので探して見て下さい。



また「オレンジe.p.」以降になりますけど、米光美保の活躍の場はインディーズに移ります。音程は所謂女性アーティストらしく音程も高めです。またセルフコーラスもやや多めで、これはライブの際にどう表現するのかなと、聞き返す度に思いを巡らします。


まあ…インディーズかの声も有りましょうが、バックトラックのピッチはプロと引け目を取らない程の完璧そのもの。

そこから生まれた楽曲「砂時計」はシティポップス史にも残るのですが、誰か高評価して欲しいものです。次のコラムはそこかなとも。


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