第47話 2016年 MV作品「サヨナラの意味/乃木坂46」における棘人


□リリース:2016年11月9日

□原案・監督:柳沢翔

□脚本:湯浅弘章・山岸聖太

□劇中振付:菅尾なぎさ

□劇中衣装:尾内貴美香

□乃木坂46:高山一実、西野七瀬、橋本奈々未、白石麻衣、生田絵梨花、若月佑美、松村沙友理、堀未央奈、齋藤飛鳥、衛藤美彩、秋元真夏、中元日芽香、井上小百合、新内眞衣、桜井玲香、生駒里奈、星野みなみ、北野日奈子、伊藤万理華



設定はフルMVとアーカイブ記事サイトを見ながらも、私也に把握していきたいと思います。未見の方もおられるとおもうので、まずは動画を。


■乃木坂46 『サヨナラの意味』

https://youtu.be/M3eGhMORIpY @YouTubeさんから


如何でしょう。映画並みのトレーラーです。設定と絵作り共に想定では長編映画尺でしょうけど、いっそ中編映画作成に舵を切れたと思うのですよ。

そう出来る筈ですけど、乃木坂のメインの職業はアイドルですので、映画相当の拘束時間は取れないのであります。

今後、アイドル映画は拘束時間如何で激減と思いますので、如何にMV作品で作品を楽しむかが、私達の娯楽なのかなと。



・棘人、その世界観

世界観は現代ファンタジーで、「棘人(しじん)」と「棘が出ない人」が一緒に暮らすとある山村が舞台。一見すると異端と人間かですが、ただ棘が出ないだけで、同族の可能性は有り。それ故に差別意識が高じるのも止む無き事か。差別なんてほんの些細な事から生まれるものです。


・村は何処か

リアルに答えると、ロケ場所は2016年9月下旬に山梨県・静岡県で河口湖周辺で撮られたそうです。

ロケ地が山あいなんて、本当難しいところ攻めますよね。海辺と違って、ほぼ絵作りが変わらないのに果敢過ぎます。ただこれもMV尺では成立する場面転換でもあって、映画尺になったらどういう絵作りすのか考える程に興味深いです。聖地巡礼したくなる気持ち、充分分かりますよ。

浮島で泣きじゃくる奈々未の背景で走る電車が素敵です。このシーンの映像美は映画館でこそ映えると思います。こうなんとか、未公開シーン集めては短編映画として上映出来ないものでしょうか。

そして、山好きならアンダーの「新しい世界」もMVもお勧めです。


・棘人と棘が出ない人との関係

村には棘人ヘイトの張り紙が未だの為、諍いは近年まであったらしいと思われます。そこまで棘人を排除したいのは何かしらの事件があったかもしれません。

そして着眼すべきは、棘人で有る事を止めるその為の儀式:棘刀式になります。

そこから情報を拾うと、集まってる村人が極端に若い女性が多く、住民年代分布が偏っている為、棘の出ない人、棘を抜かれた人、以上の多くの大人が村から追放若しくは自ら出て行った向きがあります。

まあ、村にまだ残っていると言う事は、何かしらのきっかけで、棘が出る恐れがあるやもしれません。


・その棘

棘人は感情の起伏で発せられるとシーンが要所で見られます。

見た感じは金属ぽくも見えますが、儀式を抜け出す時に共に手を取ってますので、本人の意志如何で柔軟性はあるともです。

そもそも棘刀式の稽古期間がそんなにも必要なのかですけど、これも修行を重ねて徐々に柔らかくする為かも知れません。

それを裏付ける事が、浮島で感情が昂り泣きじゃくる奈々未のシーンですね。何故か棘が出ていませんので、その修練過程なのでしょうね。


・棘刀式

橋本奈々未の父たる名士が、棘刀式について語ります「かつてこの村で争っていた私たち棘人と人が共に生きていくことを誓ったその契りを忘れぬための儀式」と。ただいつから始まったかは謎も、この争い後に制定された可能性も有ります。

奈々未も感受性豊かの年頃の為、なぜ儀式で同族を敢えて分けるかの反発で、親との喧嘩が多いのも容易くは無いですね。



・「帝都ユキ」の切符

奈々未の所有の「棘人とネコ」に挟まれていた「帝都ユキ」の切符ですけど、

「帝都ユキ」の切符表示で舞台は明らかに現代ファンタジーです。何故隠し持たねばならなかったか。奈々未は名士家系で村に残るべき棘人であるにも関わらず、思い人を追う為に持っていた可能性、いや駆け落ち未遂の可能性も無くは無いけど、「サヨナラの意味」の歌詞を読み解く限り、未だ持つのはもう一度思い人に出会う為の決意の一端でしょうか。

七瀬がどうしても奈々未に対して機微なのは、切符の日付11月9日が何の日であったか充分過ぎる程に知っていると思われます。恐らく、大半を占める人を村から帝都に送り出した日なのでしょうね。


・danceの衣装の出典

danceシーンでの縁が赤と紫のそれぞれの白い衣装ですが、web界隈ではリルア奈々未の出身地に因んで、アイヌかと囁かれています。そこは違うかなと。琉球衣装と何かと同軸で語られていますけど、アイヌの衣装は生活の知恵から湧き出た意匠なので、ここまで煌びやかでは無いのですよ。やもすればMVと衣装の世界観が一致していないのも謎。

いや、考えうるにこれは村の外のハイファッションやも知れません。村であるにも関わらずアパレルカラーの洋服を着ていますから、統一世界観はやや近未来の別の世界線とも思えますが、ここは想像の限りになります。



以上、8分強のMVを私也に読み解きましたが…誰かテキストに起こしてくれないものでしょうかね。

私君頑張りなよも有りますけど、MV見る程にただ切なくて、全然サヨナラに強くなれない作品じゃないですか。乃木坂ファンの99%は潤んでますよね。

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