第46話 2019年 舞台「SKE48版 ハムレット」からのメモ


■日程

4月18日(木)14時開演/19時開演

4月19日(金)14時開演/19時開演

4月20日(土)13時開演/18時開演

4月21日(日)13時開演/18時開演

■場所

品川プリンスホテル クラブeX

■原作

ウィリアム・シェイクスピア

■脚本・演出

丸尾丸一郎(劇団鹿殺し)

■CAST

ハムレット:松井珠理奈/クローディアス:古畑奈和/ガートルード:鎌田菜月/ポローニアス&フォーティンブラス:高柳明音/レアーティーズ:佐藤佳穂/オフィーリア:野島樺乃/ホレイシオ:熊崎晴香/ローゼンクランツ:北川愛乃/ギルデンスターン:末永桜花



SKEハムレット。キャストを見るからに本当意欲的ですよね。観劇の機会があらず本当残念です。今でも演劇評が何れも無く、遠距離ライトファンにはただもどかしいです。


そうですねyoutubeで散見する限り、歌はかなり頑張ってます。ただ芝居は、演出とは違う、所謂沈黙に耐えきれず早口になりがちな面も有り。


まあそうこうで、個人的に気になるのはラスト全般なのです。

ほぼ全世界のハムレット公演映画はラスト近辺からわちゃっとなってしまうのですけど、これを9人のキャストでどう演じたか気になって仕方有りません。


ここの解説、何処のニュースも語らずなので、今からでもお願いしたく思います。高柳明音がボローニアスとフォーティンブラスの二役こなすのが興味深いけど、ここ書いたら公演のネタバレなんだろうなともで察します。



ここからは、昔見た蜷川演出の渡辺謙ハムレットでのお話からの展開になります。

今となって信じられないでしょうけど、日曜21時ともなれば教育テレビで舞台中継が流れていたのですよ。最近では何でもパッケージ化される傾向なので、テレビで舞台が見れないのは寂しい限りですね。


蜷川ハムレット。渡辺謙は独眼竜政宗の直後位で、かなり全編に渡り鬼気迫っていました。独眼竜政宗もお家騒動あったのでここはやや手慣れたものでしょうか。そして、怒涛のラストでの決闘も冷や汗が飛び散る音が聞こえそうな程の迫力です。


そこからの、デンマークに攻め入った隣国ノルウェーのフォーティンブラスの怒濤の登場なのですよね。ここのシーンが本当に謎です、なぜハムレットはフォーティンブラスにデンマークを委譲するのが、少年の当時では理解に苦しみました。ただ、年を経る毎にこれはシェークスピアの張りなんだなとも。


シェークスピアはほぼ芝居本しか出回っていないので、ここにはっとする仕掛けがあると思うのです。絶対何かしでかしてる筈。


そのフォーティンブラスとは、ハムレットの因縁の相手でも有り、父であるノルウェー先王フォーティンブラスを、先王ハムレット王との一騎打ちで殺されます。

物語冒頭で、先王の失った領土を取り返すため 兵士を集めデンマークに侵攻する計画も、 クローディアスの野心的戴冠に先手を打たれ、叔父であるノルウェー国王に窘められます。

しかし進撃機運のまま隣国へのポーランドを攻めることになり 、デンマークを通過中、ハムレットから発する悲劇でデンマーク王家自滅、ハムレットよりデンマーク王家を継ぐ事に至ります。


もし私が劇団等脚本等の機会が回って来たとしたらの、フォーティンブラスに張りを求めるとしてのいくつか。


・先王ハムレットとフォーティンブラスの同一役

ハムレットは神学校から戻されたらしいので、フォーティンブラスとの面識はほぼ無い筈、先王ハムレットと何らかの血縁を持つフォーティンブラスに面影を感じ委譲してしまうの下り。

でもここは推察は薄いかな。実は先王ハムレットの実の私児であるも、先王同士の決闘騒ぎで、出生がうやむやになってフォーティンブラスとして取り扱われる云々と。説明が長くなるもインパクトは有りか。


・オフィーリアとフォーティンブラスの同一役

何でもその昔、歌舞伎版ではハムレットとオフィーリアの同一役と言う事もあったみたいです。これから派生してオフィーリアとフォーティンブラスの同一役も有りかなとも。

オフィーリアは理不尽な追い込みで死ぬ訳ですけど、そこで終って良いのかとも。フォーティンブラスそのままごつい男名ですけど、敢えて女性が名乗ってるのは戦乱の倣いもあるかなと。

ハムレットは薄れ行く意識の中で、オフィーリアとフォーティンブラスの輪郭がつい重なってしまい、懺悔混じりに委譲の線も無くは無い下り。また最愛の女性に尼寺へ行けと言う位ですから、この先デンマークの終焉を願ってもの展開は有りかな。


・ハムレットとフォーティンブラスの同一役

これは一人芝居ならでは演出になるでしょうけど、ハムレットとフォーティンブラスの同一役です。共に設定上では私生児扱いなので、ここにも含み有りかなと。

そう、先王ハムレットは先王フォーティンブラスとの決闘に勝ったらしいです。そこの経緯が実に複雑で皇后ガートルードを巡ってもあったでしょうけど。ここは膨らませて、共に同じ愛人にハムレットとフォーティンブラスを産ませた経緯の兄弟にします。

そもそも先王同士が決闘に及ぶのも、かなり偏執的な側面が有り。ほら、人のもの残らず欲しがる人っていますよね、現にフォーティンブラス親子揃ってデンマークを欲しがる性でも有ります。それが高じての愛人と妃とも推察したり。共通の愛人の果てが現ハムレットと現フォーティンブラスの愛人同じの兄弟説でも有ります。

そこからの飛んでのラストで、ハムレットは察して、相貌がそっくりな弟フォーティンブラス委譲した下りにしましょう。台詞には無いものの演出上のトリックですね。

まあ、台詞は書き足して良いかどうかですけど。



何れも、ハムレット始めシェークスピア作品は演出のト書きが少ない故に、幾つもの名演が産まれる訳ですけどね。


そうですね。機会があれば書いてみたいな、南部藩ハムレット。伊達藩が農民一揆を仕掛けては、最後に乗り込んで来るのも納得の展開になる筈です。

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