第25話 1983年 映画「時代屋の女房」

□時代屋の女房:公開1983年3月19日

□製作・配給:松竹

□原作:村松友視

□監督:森崎東

□脚本:森崎東・荒井晴彦・長尾啓司

□音楽:木森敏之

□出演者:渡瀬恒彦/夏目雅子/沖田浩之/中山貴美子/平田満/大坂志郎/名古屋章/朝丘雪路/津川雅彦



いつぞやかのBS朝日で入っていた映画「時代屋の女房」をHDRで追っかけ再生しながら執筆活動。普段は耳でチェックしてるのですが、ついつい見てしまって手が止まりました。得てしてそういう作品は脚本が完璧なのですよ、そして手を止めて見ざる得ないのは絵作りが巧みだからです。


村松友視の「時代屋の女房」は角川書店から原作として出ています。ですがこの年の角川映画は名作を連発してるので、まあ他社制作も止む得ないかなと。


何より、役者が生き生きしてるんですよ。今となっては名俳優さんばかりですが、この時代はまだまだ意気盛んでして、しっかり登場人物を役者として咀嚼してます。1983年当時の映画って、辛うじてそんな時代だったんだなと。


ただ、それは松竹だからこそのカラーかも知れません。

見た感じテレビ故のカットも無さそうだし、調べたら「時代屋の女房」上映時間が97分です。何か短いなと思ったら、これって寅さんの併映かなと、ふと。更に調べたら「蒲田行進曲」との併映みたいですね。この興行凄過ぎますよ松竹。



映画「時代屋の女房」の見所は多々あります。


脚本の畳み方がこれしかない無いです。同棲に至る迄のシーケンスが短いなと思いつつ、全体の尺考えたら、役者の惹きに思いっきり頼っては潔いです。黄金期の日本映画の実に良い所です


そして、夏目雅子は現代劇だから、はっとする。戦争ものに果敢に出演する夏目雅子ですけど、あの目の輝きは現代劇だからフィットするが持論です。平和な昭和の時代の輝きそのものですね。敢えて突っ込むと何故二役なのかがやや謎です。ここは夏目雅子の器用さと案に受け止めて良い物かと逡巡中です。


あとは劇伴。音数は少ない物の、何か引っ掛かって、つい画面を見てしまいます。こんな音出せる音楽家いるかと思ったら木森敏之との事です。40才で夭折したので出会う作品は少ないものの、代表的なところでは岩崎宏美「聖母(マドンナ)たちのララバイ」作曲編曲をしています。



以上。恋愛観の相違で、平成の方が見ると、やきもきするかもしれません。ただ恋愛に正解が無いものだと、ここに記しておきます。





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