第22話 1991年 CD「SECOND SEX/SEX」

日本テレビ の今夏ドラマ「高嶺の花」見られてますか。そう、出ているんですよ、あのブラボー小松が。ライバルの新進気鋭の華道家筋のギターリストとしてですけどね。


よくよく考えてみたら、ブラボー小松を初めて見たのは11PMのCM前の生ジングル演奏ですか。

今も使っている鏡面張りの改造ギターで、想像絶する歪んだエフェクトの音圧ですよ。辛うじてモノラル放送からステレオ放送になりかけの時期だったので、ただ圧倒です。

次いで、その11PM内で反響大きかったのか、デジロックでSteppenwolfの

「Born To Be Wild」を演奏していました。急いでビデオテープ放り込んで録画しては何度となく見返しましたね、倉庫の何処かに多分眠っているのかな。



前置きが長くなりましたがSEXの話に入ります。今では言うのも憚る事が和らぎましたが、バブル期、確かにどこもかしこの振り切れ始めていましたね。漫画の方が早かったけど上條淳士の「SEX」もこの頃。


バブル期、改めて「SEX」とは何かと問う時代でしたかね。性別を特に問わないで皆で楽しもうであったり、シーケンサーの発達によってただ無尽蔵に享楽的な音楽を奏でる事が出来たりと、人間の営みって何ですの論調であったり、マシーンと共生する新時代に入った訳です。ここはコンピューターより音楽が早かったですね。



ここから、やっとバンド「SEX」の話に入りましょう。長い名前はSensational Electric XtacyことSEX。決して興味本位で名付けられた訳ではないと思いますので、このペースで行きましょう。


「SEX」の活動を知ったのは、深夜に入っていた「ヒットスタジオR&N」のライブトピックでしょうか。曲は「AFTER THE WAR」で、ブラボー小松おる、朝倉格好良いな、何でオランダ人ドラマーとか、ぐぐっと見入っては、名前を否が応でも覚えました。


そこから、数々の音楽雑誌を辿って読んでは、CDの購買に至りました。

名前と媒体が今も謎のままですが「ミュージックぴあ?」見たいな雑誌で、1ページ「SEX」のライブイベントも紹介されてました。何でも1時間程、サイケデリックな音楽でライブハウスっぽいクラブを温めては、漸くライブだったとか。素直に見て見たいなと思ったものでした。



下記リストは、手持ちのCDからセレクトしたので、他のシングルとかあるかもしれません。


1st album

SEX (1990/11/28)


Single

FLOWERS NOTE(1991/1/18)


mini album

S・E・X・S・E・X (1991/6/28)


2nd album

SECOND SEX(1991/9/27)


Single BRAVO & ASAKURA名義

Coming Up(Single)(最終シングル)




今回はピックアップした「SECOND SEX」は日本の20世紀の名盤に入ってもおかしくない位の傑作です。


-SECOND SEX-

1.Spiral Works

2.Dive

3.Wonderful One

4.Saturday Love

5.Stone

6.Darkside Of Inside

7.Sky

8.Psychic Flower

9.Sleeping In The Cloud



CDジャケットから察するに、デジタルなUKなのかと位置づけて良いかなと。まあ音が当時主流な所謂マンチェスターサウンドなのかと言うと、どちかと言うとデジタルなビートルズかなと。デジタルリバプール。よくわからないけど、ニュアンス感じて下さい。


mini album「S・E・X・S・E・X」からの流れでごりごりのウォールサウンドで来ると思いきや、ギターの粒が分かる程のトレモロサウンドが多いです。合同プロデュースがサロンミュージック故なのか、やや渋谷系、トラットリア的なテイストですね。


今アルバムはサンプラーとシーケンサーに過度に頼らず、人力のグループ感をかなり醸し出しています。

例えば「Wonderful One」今聞くとやや「Dive」もでしょうか、延々ワウギターを行っているのですが、そのワウペダルは竹中さんが手動で上げ下げしていたそうです。この時代なら敢えてプログラミングでしょうが、そこは人力取ったかと感嘆しきりです。

他にも仕掛けあるんでしょうけど、手元に当時のサウンド&レコーディング・マガジンはもう無いので、ただブラックボックスですね。



まあ、ここまで人力の奥深さを知ったら、次回も渋谷系かと言うと、シングルの「Coming Up」でマンチェスターサウンドに回帰しています。

「Coming Up」はホンダのCMの曲として流れましたが、いかんせんバンド名が”SEX”なので、クレジットは”BRAVO & ASAKURA”と別名使っています。まあやや時代ですね。

その「Coming Up」はCM曲故か、初期の「After The War」テイストになっています。当時のホンダのCMは、岡村靖幸もラジオでも言ってましたけど、あの曲のテイストでと言うオファーで「だいすき」が生まれたそうです。ここは世間全般的に今も変わらずでしょうかね。



そうのこうので、次回作は原点回帰のフルアルバムかなと朧げに感じていましたが、待てどそのまま、SEXはシングルの「Coming Up」で閉じます。

ここに至るまでで、方針の葛藤あったのだろうと推察しますけど、まあ時代が早かったかなとも。自分としては「SECOND SEX」をベースにしたウォールサウンドが良かったかなとも。その片鱗は「Sleeping In The Cloud」でも垣間見える筈です



その解散の直後の二人ですが…


朝倉ミツヒロは、ソロアルバム「A GHOST IN A BLUE ROOM」で、独特なアコースティックアンビエント作品を発表。

ブラボー小松は、吉川晃司やピチカート・ファイブのライブギターに参加しています。ピチカート・ファイブはお洒落過ぎて私は苦手だったので、吉川晃司バンドの言及するとライブアルバム「GOLDEN YEARS VOL.2」で聞けます。だがしかし、ボリュームをかなり絞られています、いやイコライザーでカットされていますかね。その勇姿は当時ライブビデオも発売されていましたので見惚れました。


SEX、寄り道で長くなってしまいましたが、「高嶺の花」のジングルのギター格好良いと思ったら、ブラボー小松を思い出して下さい。反響あれば「高嶺の花」で長尺の曲披露してくれるかもしれません。

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