第15話 2007年 映画「神童」
□神童:公開2007年4月21日
□製作会社:『神童』製作委員会
□原作:さそうあきら
□監督:萩生田宏治
□脚本:向井康介
□音楽:ハトリ・ミホ、ミト(クラムボン)
□声優:成海璃子/松山ケンイチ/手塚理美/柄本明/キムラ緑子/貫地谷しほり/甲本雅裕/モーガン・フィッシャー他
2007年劇場公開も、近年に入って日本映画チャンネルと、松山ケンイチの地元繋がりの青森放送で見ました。
何故、2007年のこの時期「神童」だったのかなと思い返すと、「のだめカンタービレ」が世間を席巻していた頃だなと。企画が通り易いタイミングって、世の中どうしてあるものですね。
さて映画「神童」は、成海璃子演じる天才ピアニストうたと、松山ケンイチ演じる音大浪人生ワオによる、ピアノで紡ぐ物語です。
見所としては成海璃子が可憐である事につきます。映画の時点では14歳前後であり、大人と子供の境目にいる揺らぎそのものがひしと伝わって来ます。
もう、この映画「神童」での成海璃子が見れるだけで名作としましょう。
映画は色々な側面があって、各々の琴線に如何に触れるかなのですが、この「神童」に至っては作品性より、成海璃子14歳前後にしてキャリアハイを見せられると、俳優さんって凄いなとただ唸るのみです。
ここで成海璃子論を少々述べると、2007年の「神童」から遡る事2005年の「瑠璃の島」で所謂出来上がっています。若手俳優さんに多くに見られるあれがありません。そう台詞を思い出しながら演技をする事です。
恐らく台本貰ってから演技プラン立てる時間が少ないと思いますが、分からない様に演技する姿がただ垣間見えるのです。これだけ若手俳優さんに機会がある時代になったのに勿体無い事です。
そして、2007年近辺は映画テレビも多く出演し成海璃子いよいよこれからという時に、大きな難が襲います2008年テレビ版「ハチミツとクローバー」です。実年齢より大きい大学生花本はぐみを演じるのです。残念ながら、全才能を活かしても、演出のレクチャー受けようとも、大学生には見えませんでした。
これは止む得ない事です、大学はただ学生の延長の場所と違いますから、立ち位置がぶれるのは止む無き事です。率直に言えばキャスティングミスでしょうね。
そこからですよ、成海璃子が成海璃子らしくなくなったのは。芝居とは実に怖いものです。
更に推論したいのですが今回は映画「神童」が主題。現在の成海璃子は大人の俳優さんになったと思う事にしましょう。そうです、ティーンエイジにはティーンエイジの輝きが有ります。映画「神童」はその輝きが映えて余りあります。
さて、成海璃子演じるうたですが、可憐さ以外にも、歪さ、ティーンが垣間見せる強靭さ、言葉に出せない恋心等。原作漫画は読んでいないものも上手く醸し出しているのでは無いかと思います。この思いますは、実はここまで映画が完成されていると逆に原作漫画読みづらいなとかです…。
まあ、えらく成海璃子をざっくり書いてますけど、もっと細かに書けなくてすいません。資料映像箱たるハードディスクレコーダーがとんでしまったので、「神童」二度と見返せないんですよ。適度に円盤に落としておくべきと悔いても遅かりし。もどかしいものですね。
そしてまた本編ですが、折々に見せるピアノシーンはただ圧倒です。今印象に残っているのはワオの音楽大学の入学試験でのピアノでしょうか。松山ケンイチとピアノ吹替えの清塚信也が絶妙のコンビネーションで、ただ熱いです。
クラシックは敷居が高いなと思う方も、「神童」においてはピアノにかける熱量が巧みに表現されているので、そこは心配する事なく観られますので大丈夫かと思います。
最後に何度も。映画「神童」は兎に角成海璃子の輝きに尽きます。
彼女がこの先、たくさんのキャリアを積もうとも、この「神童」のキャッチは入る事でしょうね。
■【予告編】神童
https://youtu.be/MpLnc0T9GFs
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます