第4話 ビンとレベル

「ユキ、どうだ?似合うか?」


俺はユキに選んで貰った服を着て感想を聞く

「うん!似合ってる似合ってる!我ながら完璧なコーディネートですなぁ!」


俺も鏡の所へ行き自分の格好を見る

「おぉ!俺にピッタリのコーディネートだな!ありがとうユキ!」

そういうとユキは少し照れくさそうな顔をした


「あ!そうだ!私まだあなたの名前聞いてないね!あなたなんていうの?」

「あぁ、俺の名前はきの…ウゥン!俺はエイジ!」

「エイジ…か!よろしくエイジ!」


《女の子に名前を呼ばれるのは少し恥ずかしいな》と思い俺の顔が少し赤くなる


「あれ?そういえばもう仲間出来たから募集しなくてもよくね?」


そう俺が呟くと

「じゃあ受付に言いにいこう!」

とユキが言う 俺は言われるがままに受付へと向かった




受付の前に来て、俺は受付のお姉さんに声をかける

「すいません、仲間募集の紙を出してくれとお願いしたんですけど、さっき仲間ができたので取り消してもらえますか?」

と受付のお姉さんに言うと


「はい!分かりました!お仲間ができて良かったですね!ではこれはギルドからのささやかなお祝いの品です!どうぞ!」

と言って俺に小さめの木箱を渡してくれた


「なんですか?これ?」

と俺はお姉さんに聞く。


すると、お姉さんは

「それは開けてからのお楽しみです!」

と言ってニコッと笑った



箱の中身が気になりテーブルに座る

「エイジ!早く開けようよ!!」

ユキはそう言って俺を急かす

「あぁはいはい!今開けますよーっと」


そう言って俺は木箱の蓋を取る

「うわぁー!!」

俺とユキの声が重なる

「何これ?小瓶が4本あるけど…」

「エイジ、何も知らないんだね、これは経験値ビンって言ってね、中の液体を飲むとレベルが絶対に1上がる優れものだよ!なかなか手に入らないんだから!」

とユキが説明してくれる


「へぇ、凄いな!じゃあ早速頂きますか!」

「うん!じゃあ2本ずつだね、はい!エイジ」

そう言って俺にビンを2本渡してくれた


「おう!ありがと!」

「それじゃあ、」

『かんぱーい!!』

グイッ……

《えっ》


『マッズーい!』


息が揃う


「なんだよこれ?!不味すぎだろ?!」

「エイジ!落ち着いて!不味くても強くなれるの!強くなりたくないの?」

「いや、まぁそりゃ強くなりたいさ」

「ほら!男でしょ!頑張れ!」


そうユキは俺を励ます

「ねぇ、ユキは飲み終わったの?」


俺はユキにそう聞く

「あ、え、うーんとエイジが先に飲んだら飲む!だから速く!」


そう言われて俺は仕方なく2本を一気に飲み干した

「ほら!飲んだぞ!だからユキも速く飲めぇ!」


そう言って俺はユキを急かした

「分かったよぉ、ぐぬぬ、えいっ!」

そう言ってユキも嫌々飲み干した。

そうすると俺とユキのカードが光ながら目の前まで浮いてくる

「お?どうしたんだろ?」


俺がそう呟くとユキが

「レベルアップだよ!」

と、ユキが答える。

そうすると確かにレベルの記載されているところの数字が増えているのが分かった


「こうやってレベルが上がるわけね!」

「そうそう!これでエイジも強くなれるってわけ!」

そんな会話をしているうちにカードが落ちてくる

「記載と更新が完了したらこうやってカードが落ちてくるから!」

「なるほど!説明ありがとな!」


そういうとユキは少し照れる

「さ!レベルも上がったわけだし、少し外でモンスターと戦わない?」

ユキがそう提案してくる

「いいね!もうそろそろ俺も戦ってみたかったし!行こうか!」



外にてーー

「おぉ!町だぁ!」

《雰囲気はよくある異世界アニメとかと同じような感じだな》

と、そんな事を思っているとユキが


「ここじゃモンスターもなーんにも出てこないから一回森まで行こうか!」

と言う

「おう!でも森ってどこにあるの?」

「うーんとねぇ1番大きい道を北に10キロ行った先にあるよ!」

「10キロ?!遠くない?」


そうユキに聞くと

「まぁね!でも5キロ行くと宿があるからそこで休んで、次の朝から森を目指そう!」


そうユキが言うので

「よし!ちゃっちゃと歩いてちゃっちゃと宿まで行こう!!」

「おー!!」





ついに冒険の幕開けだ

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