第1章 すべての始まり
第3話 服とヒロイン
「ここが鮮明団のギルドの中かぁ、広いなぁ、ん?!ここのギルドは食事も出来るのか!すげー!」
そんなことを呟いていると掲示板というものを見つける
「仲間募集?へぇそんなことも出来るんだ」
《ん?待てよ、カードとステータスとレベルの説明はされたけど他は何にも知らないぞ…ソロで居るより仲間がいた方がいいし、何より教えてくれる人がいなきゃ何も始まんないし、よし!俺も募集してみるか!》
そう思いギルドの受付まで行く
「すいませーん!、仲間募集をしたいんですけどー!」
そう言うと受付のお姉さんが奥から出てきて
「あっ!はい!仲間募集ですね、ではカードの提示をお願いします!」
俺は言われるまま制服のズボンからカードを取り出し、カードを見せる
「ん?!レベル1でソードマスター?!なんですか?!これ?!」
《やっぱりそうなるよね》
「えっと俺、実はさっきここのギルドマスターに会いましてね、色々あってこの職業を貰ったんですよ」
お姉さんは驚いた様子だ
「な、なるほど!はい、ではこの紙に必要事項を書いてもう一度この受付までお願いします」
「はい!分かりました!」
俺はペンを借りてテーブルに座った
《さて、書くか、名前…エイジ、職業…ソードマスター、レベル…1、希望職?えっと来て欲しい仲間の職業の希望かな?ここは!…魔法使いっと!よし!》
椅子から立ち上がり受付へと向かう
「はい!出来ました!」
そう言って受付に紙を出した、そうするとお姉さんが、
「はい!確かに承りました!では希望者が来ましたらアナウンスでお知らせしますのでその時はここの受付までお願いします!」
そう言われると俺は軽く礼をして立ち去る
「んー、せっかくの異世界なのに制服じゃ嫌だなぁ、そうだ!ここのギルドには服屋もあったはず!そこで服を買おう!」
そうして俺は服屋に向かった
《所持金は…1万?!どこからそんな金を?!まぁ無いよりいいか》
「んー、俺、服はそんなに買わなかったしどんなのを買えばいいか分からねぇなぁ」
声が聞こえていたのか後ろから女の子に声をかけられる
「ねぇそこのお兄さん、何かお困り?」
服屋の店員さんでは無い、薄い茶色の髪をした、なかなか美人の女の子だ
「えっと、服が欲しいんですが選べなくて」
そういうと女の子が口を開く
「ふーん、じゃあ私が選んであげよっか!」
《うーん、まぁ彼女が着ている服もなかなか着こなしているみたいだし、頼んでもいいかな》
「あ!なら是非!」
そういうと女の子がニヤッと笑う
「ただし、条件があるの!」
《条件?!えーまぁ、聞いてみるだけならいいか》
「どんなでしょう?」
そういうと女の子の顔が少し赤くなる
「えっと、ね。服を選んであげる変わりに、私を………仲間にして下さい!!」
《えぇ?!マジか?!うーん、でも、魔法使いなのかなぁ?》
「さっき受付であなたが仲間募集の紙を貰うのを見ていたの、そしたらあなたレベル1でソードマスターなそうじゃない、でもいくらソードマスターでもレベル1じゃ何も分からないでしょ?だから…」
《この子あれか、どこのパーティーにも入れなくて俺に来てる感じだろうな、どうしようかな、あ!まず名前と職業をきいてみよう!》
「ねぇ、君の名前は?」
「えっと、私の名前はユキ、職業は魔法使いだよ、レベルは13」
《おぉ!!キタコレ!しかもレベル13!いいかもな!美人だし、同い年ぐらいだし》
「ユキ!」
「え?!あ、はい!」
「これからよろしく!」
俺はそう言ってユキの手を握った
そうするとユキは泣き出してしまった、きっとここまで大変だったのだろう、
《まぁ後でゆっくり話すとして今はそっとしておこう》
そして服屋でしばらくの間ユキは泣いていた。
そして少したったらユキは泣き止み
「ありがとう、もう平気」
そういうとユキは立ち上がり俺に背を向けて
「これからよろしくお願いします」
と言ってくれた。
俺はこの変な空気を変えるために話を変える
「では!君に俺の服を選んでもらおうかねぇ!」
そういうとユキは
「あ!そうだったね!」
そう言って店内をしばらく見て歩き、少しすると服を一式持ってくる
「はい!じゃあこれね!」
そう言ってユキが渡した服は、茶色の長ズボンと白の服、後、服の上に羽織る赤いスカーフっぽいのを選んでくれた
俺はこれが気に入り、迷わず
「よし!これにしよう!」
そういうとユキが
「え?試着しなくていいの?」
と俺に聞く
「うん!だって仲間が選んでくれた服だぜ!間違いないって!」
俺はそう言って笑ってみせた
これがこれから冒険を共にする仲間ーーーユキ
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