第2話 壁に付いたインターホンVS崩れかけのプリン
昨日買ってきたこの曲最高にロックだな!めちゃくちゃテンション上がるわ!このCDかってよかったー!
音楽を聴きながら、心を落ち着かせリラックスしていたはずだったのに、いつの間にか最高な曲から、また彼女たちのキャンキャンうるさい怒鳴り声に変わっていた。
ブンっ!!
俺のヘッドホンはいつの間にか取り上げられ、宙に浮いていた。そしてヘッドホンにつながれているミュージックプレイヤーもまるでリードにつながれている子犬のように一緒に宙に浮いていた。
「おいいいいいい!ふざけんなよ!!今サビでいいところだったのに!!てかヘッドホン投げつけるなよ!!俺のプレイヤーまで飛ばされてんじゃねーかよ!!」
芹沢は怒鳴ってる俺をみながら、
「あら、御免あそばせ。なんで争っている私達を無視して音楽を聴いているのかと思いまして」
そう言うと小梅も、
「そうですよ!なんで私達が争っているのに、悠長に音楽なんて聴いてるんですか!!」
音楽を聴いていた俺が悪いのはわかった。でもヘッドホンは投げなくてもいいじゃないか・・・。
そうなのだ。彼女たちは、毎回毎回俺の前で、いつもいつも、どうでもいいくだらないことで争っているのだ。
この間はどっちの髪の毛がきれいなのかだろ。そしてその前はどっちの服が可愛いかとかetc。
俺にとってそんなことはどうでもいいのだ。俺は先輩とただただ早く遊びたいだけなのだ。
「てか、今度は何で争ってんだよ?」
そう言うと芹沢はこう言ったのだ。
「胸よ。」
「そうか、胸か。」
「どっちの胸のほうがいいかで話してたの。私は小さいけれど彼女と違って形がいいわ。」
「何言ってるんですか、芹沢先輩!!芹沢先輩のは形云々より、まず形さえないじゃないですか!!壁にベルを鳴らすことしか出来ない古いタイプの小さいインターホンがついてる感じじゃないですか!!」
壁にインターホンは言いすぎだろ。芹沢プルプル震えてんじゃんか。でもめちゃくちゃ面白い。ただのうるさいやつだと思っていたけど意外とこいつ面白いやつなんだな。部室の隅で石のように固まっていた先輩もいつの間にか大爆笑していると思ったが芹沢のにらみつけるで防御が下がっていた。
「そういうあなたの胸こそ、胸と胸が離れて、崩れかけたプリンみたいな形してるじゃない!!」
「でも芹沢先輩みたいに何もないよりはましですぅー」
この勝負は圧倒的に芹沢の分が悪い。もう涙目じゃねーかよ。流石に可哀想になってきたからゴングを鳴らしてあげたい。芹沢!今のお前に小梅に勝てるすべはないぞ!!
「私の胸だって需要はあるもん!!じゃあここにいる一朗太にどっちが好みか聞いて勝負をつけましょう!!!」
「そうですね!じゃあ
まーた俺かよ!!これどっちに転んでも俺が一番可愛そうだろ!!
俺は二人の視線から目線をそらすことしかできなかった。
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