『パロディ・かぐや姫』


竹から産まれた美しい姫



誰もが彼女を求めた



けれど彼女は求婚してきた男性に


無理難題を押し付けては断った



義理の両親でさえ拒んだ



だって私は何れ帰らなければならない



父も母も本当は私の事愛しているの?



だったら何故他の男と結婚させるの?


最も恐ろしい相手とまで結ばれろと言うほど



そんなに私が疎ましいの?



私は貴方という月に魅せられ


月の世界へ帰ろうとした



いえ、誰でも良かったのかもしれない


誰かに拐って欲しかった



ただ、



見た目ではなく


私の心の内の悲鳴を理解してくれたから


だから唯一私を認めてくれたその人と一緒になる為


私は両親に別れを告げたわ


あの二人とは別の場所で生きる、と




でも違った


父は私の為に貝合わせを作ってくれた


母は私の好きなお餅を食べさせてくれた



老い先の短い自分たちの分もと私を愛してくれた


…やっぱり行けない



私はこれからも二人と


生涯共にする事を選んだ



私を育ててくれた両親と


永久に生きていく



あのとき


竹の中から見付けてくれてありがとう



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