『パロディ・かぐや姫』
竹から産まれた美しい姫
誰もが彼女を求めた
けれど彼女は求婚してきた男性に
無理難題を押し付けては断った
義理の両親でさえ拒んだ
だって私は何れ帰らなければならない
父も母も本当は私の事愛しているの?
だったら何故他の男と結婚させるの?
最も恐ろしい相手とまで結ばれろと言うほど
そんなに私が疎ましいの?
私は貴方という月に魅せられ
月の世界へ帰ろうとした
いえ、誰でも良かったのかもしれない
誰かに拐って欲しかった
ただ、
見た目ではなく
私の心の内の悲鳴を理解してくれたから
だから唯一私を認めてくれたその人と一緒になる為
私は両親に別れを告げたわ
あの二人とは別の場所で生きる、と
でも違った
父は私の為に貝合わせを作ってくれた
母は私の好きなお餅を食べさせてくれた
老い先の短い自分たちの分もと私を愛してくれた
…やっぱり行けない
私はこれからも二人と
生涯共にする事を選んだ
私を育ててくれた両親と
永久に生きていく
あのとき
竹の中から見付けてくれてありがとう
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます