第7話 クソサブカル女 こんにちは
部長の提案により席移動させられることになった僕達。何故か僕が部長と入れ替わりで女子グループの卓に着くことになってしまった。
「新井君!!ようこそ女子会へ」
矢島先輩が明るく冗談を言って僕を迎え入れてくれた。
「へ、へへっ、どうも」
急に女子の輪に入れられてしまった為、雑魚キャラみたいな返事になってしまった。
「新井君、普段あんまり話さなかったけどよろしくね」
青坂さんもそれを察してくれたのか続けて話しかけてくれる。
「う、うん、よろしくね」
「………………」
そんな状況でも川澄先輩だけは黙っている。
「まーまー、女子に囲まれて話し辛いかもしれないけど、気楽に話そうよ」
「う、うす」
「そういえば、さっきも話してたんだけど新井君って気になる女子とかっている?」
ナ、ナニヲイッテルンダコノヒトハ?
そんな感じで固まっていると矢島先輩がプッと笑った。
「アハハ、ごめんごめん。緊張してるのにそんな話してたら話せなくなっちゃうよね。ごめんごめん!!」
「そ、そうですよ〜、何言ってるんですか」
僕も出来るだけ平静を装い対応した。
「それじゃあ、どんなゲームやってるの?」
「ソシャゲなら……、EGOやってますよ。黒田君もですけど」
「えっー、本当!?じゃあ私とフレ交換しようよ」
「えっ、良いですよ」
まさか僕がやっているゲームで女性のフレンドが出来るとは思わなんだ。
そうしてIDを見せてもらって登録をすると、フレンドが1人追加された。見てみるとサヤという名前のフレンドが増えていた。どうやら持っているキャラはそこまでレベルが上がってないようなので始めたばかりなのかもしれない。
「わー、新井君強いねぇ。キャラ度々借りる事になりそう!!」
「ど、どうぞどうぞ。フレポイント上手いんで」
「実は私もやってるので交換良いですか?」
青坂さんがスマホを出してきた。
「ああ、良いですよ」
僕は快く承諾した。IDを見せてもらい打ち込むとまたフレンドが追加された。見てみると青坂さんはイケメンキャラばかりを育てているようだ。それなりに強いし結構やってる人なのかもしれない。
「私は亜紀にも始めなよって誘ってるんだけどな〜」
矢島先輩はずっと黙っている川澄先輩の方へ向いた。
「私はそういう流行に乗ったりしないから……」
僕はその言葉にちょっとイラッとした。僕は人気になる前からやってるし、そんなやってる奴を小馬鹿にする様な言い方するなよと思った。
「もう〜、相変わらずひねくれてる〜」
川澄先輩はまた黙って携帯をいじり始めた。
「それじゃあ、いつも携帯触ってる時何してるのよ」
矢島先輩はぷくーと頬を膨らませて川澄先輩に尋ねた。
「えっ、漫画読んだりとか……」
「えー、何読んでるの?」
すると川澄先輩はちょっと貯めてから話し出した。
「えーと、大友克洋とか押見修造……かな」
そこは普通、作品名答えるだろ!!と智は心の中でツッコミを入れた。しかもなんだそのチョイス!!
「大友かつ……?押見……?」
青坂さんと矢島先輩はポカーンとしてしまっている。
いや、確かにその2人、特に大友克洋は凄いと思うよ。思うけどだったらタイトル言ってやればまだピーンと来るだろ!!なんだアピールか何か?
「あっ、ごめんね。みんな知らないよね……」
おいおいおいおいおいおい、なんだその言い分は?バカにしてんのか?僕は面では平静を装っているが内心結構イライラしている。
「まぁみんなと趣味違うからさ」
あー!?俺達とは立ってるステージが違うとでも言うつもりか?喧嘩売ってんのか、このアマ!!イライラし過ぎて何言っても無駄になってる。
「ふ、ふーん?それ以外は何してるの?」
「うーん、後はドイツの絵画見たりとかー」
こ、こいつ、もしやと思っていたが俺の天敵のクソサブカル女なのではないだろうかと思いついてしまった。
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