第6話 オタトォォォォォォォォク

オタク同士の飲み会、食事会、それは戦場……、まずどちらがよりオタクかの戦闘力を測るところから始まる……。

「新井君って今期何のアニメ見てるの〜」

相変わらずゆる〜くニワカ先輩が話しかけてきた。


来たな……。オタクトークの定番中の定番。ニワカ先輩の癖にジャブから入るなんてやるじゃないか……。(多分何も考えず話してるだけだが)

この会話でオタクとしてのセンスを問われているのだ。正直話題のアニメを告げれば間違いなく楽しく会話出来るだろう……。

しかしそれではオタクとして舐められかねない……。マイナー所を攻めれば、コイツ……、出来るなッとなるがマイナー過ぎると相手が知らず話が終わる……。

そんな事を考えているとニワカ先輩が、

「そ、そんなに悩まなくても良いのに」

しまった、つい考え込んでしまっていた……。すると紅白君がすかさず話し始めた。

「先輩はこないだ話してたカナルガンド……でしたっけ?それ以外も見てらっしゃるんですか?」

「えっ、そうだなぁ。今期それ以外だとアスカの空かなぁ」

う、上手い。自分の好きなアニメの話が出来て気分良くなるだろうし。流石先輩をたてることに関してまで一流だと言うのか……。

「あ、俺ばっかり話してちゃ悪いな、黒田君も何か見てる?」

ニワカ先輩はしばらく話をした後黙っていた黒田君に話を振った。

「お、俺すか……」

黒田君は話の輪に入らずにさっきからずっとEGOというソシャゲをやっていた様だ。

「お、俺は……」

「なになに?」

ニワカ先輩が目をキラキラさせながら黒田君を待っている。

「お、俺のイチオシアニメは絶頂ア〇メ 淫乱黒ギャル凌辱……」

く、黒田君!!それはTVでやってるようなアニメじゃないよ!!テンパり過ぎてエロアニメの話始めちゃった……。一番ビックリなのが黒田君が黒ギャル好きな所だよ!!

「そ、そう……、僕もそのアニメ好きだけどね」

アンタも見てるのかよ……。

そんなこんなでこちらの卓はお葬式の様になっていた。向こうの女子と部長の卓を見てみると、みんな楽しそうに話しているようだ。

僕が少し見ていると部長がこちらの様子に気付いた。

「そうだな、みんな飯食い終わったみたいだし。席移動したりして色々な人と話してくれ!!」

流石に部長をやっているだけはある。微妙な空気になっているのを感じて動いてくれたようだ。


話続きます。

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