第4.5話 他のサークルの恋愛事情
僕が大学に通い始めて早二週間たった。
僕は初めて話す人などは緊張するが、コミュニケーション能力が全くない訳では無いので学科にも友達が出来た。
「おーい、新井飯食いに行こうぜ」
これが僕の友達、ぽっちゃんだ。ポッチャリしてるからぽっちゃんって呼んでいる。
「いや、ぽっちゃん昼に唐揚げ定食特盛食ってたじゃん……」
「あんなんで足りるわけないよ……油そば食べに行こうよ」
学校に油そばある所の方が珍しいだろ……。ぽっちゃんは食べ物の事になるとIQが30くらいになるのだ。ぽっちゃんもオタクなのだが、僕が最初考えていた漫研に入ったようだ。
「取り敢えず食堂行こうよ」
「……、まぁ時間はあるし行こうか」
夕方の食堂は昼休みとは打って変わってガラガラで好きな席に座れた。ぽっちゃんはカツ丼を頼んでいた。
「ぽっちゃん、今の時間にそんなの食べたら夜ご飯食えなくなるよ」
「何言ってるんだよ、夜はスタ丼食いに行く予定だし。こんなのおやつだよ」
カツ丼大盛りがおやつな訳あるかと心の中でツッコミを入れておいた。
「そういや、聞いたよ。漫研で色恋沙汰で揉めたらしいじゃん」
「おう、よく知ってるな。ユキ先輩って人が部員三人に手を出したのがバレて今部の中で派閥が出来ちゃったよ。」
ぽっちゃんは関係ないからとガハガハ笑っているが、かなり面倒くさそうな出来事だと思った。
「それは大変そうだね……」
「何言ってんだ、お前の部活も他人事じゃないと思うぞ」
「ええっ!?」
ぽっちゃんの言葉に思わず声を上げて驚いてしまった。
「いや、だってそうだろ。女性部員何人かいるだろ?そうなったら誰が誰と付き合うとかそういう話になるぞ」
「ええっ、ウチの部活に限ってそんな事ないでしょ」
みんな三次元より二次元を優先するような連中ばかりだ。そんな人達が色恋沙汰に関係するとは思えない。
「ウチの部活ほど問題になるかは分からないけど、絶対何かしらは起こるぞ。現にうちだって二次元しか興味無さそうなキモオタな先輩がユキ先輩に手出されて問題になった訳だからな」
ええ……、そうなのかな……、みんな凄い仲良くなる必要はないと思うが、揉め事など起きて欲しくない。
しかし、しばらくあとの事ぽっちゃんの話は的を射ていた事を実感する時が来るのを智はまだ知らないのであった。
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