第4話 先輩達もやっぱりオタクだ!!
日本文化学の授業を終えて、1限分暇が出来たので(大学だと好きに授業を取れるので授業間に時間が出来たりします)紅白君と文化研究部の部室で休もうということになった。
「あー、来てくれたんだね〜、お疲れ様!!」
二年生の矢島沙也加先輩だ。黒髪ロングでかなり綺麗めな見た目をしている。この通り人懐っこい性格をしているので部員みんなから好かれている。
「あ、先輩お疲れ様です!!」
紅白君は先輩に対しても爽やかな挨拶をした。
「お、お、お疲れ様です……」
僕は先輩相手だという事で緊張して上手く言えなかった。今まで部活経験が無かったのが裏目に出たか……。
「二人共バンバン部室使って良いんだからね?」
「そう言っていただけると助かります」
いや〜美男美女が話しているのを見るのも眼福といったところですな。僕は達観したオタクなので一々イラついたりはしないのだ。
「おー、二人来たのか〜、おつかれ〜」
このゆるい感じの人は矢島先輩と同じ二年の田坂都先輩だ。部長からはニワカ野郎と呼ばれ、一年生からもニワカ先輩と呼んでいいよと言うなど上下関係も緩い感じでやっているみたいだ。
「田坂先輩、お疲れ様です!!」
「お、お疲れ様です……」
僕達はサッと挨拶した。
「いや〜、ニワカ先輩で良いのに〜。まぁ仲良くやって行こうな〜」
「あれ?青坂さんも同じ授業受けてるんでしょ?一緒じゃないの?」
「ああ、彼女は他の女の子たちと一緒に居るのを見ましたよ」
僕は自分で答える気が無いというのもあるが紅白君はサッと対応するなぁと感心していた。
「そっかぁ、女の子が増えたの嬉しいから私にかまって欲しいんだよね」
僕はいけ好かないオタクなので、百合営業か心の中で考えていた。まぁ普通に女同士だから仲良くしたいだけかもしれないけど。
「そんな事より〜、二人は今期イチオシの最強武装カナルガンド見てる〜?」
ニワカ先輩は空気を読まずよく分からんアニメの話をし始めたぞ。
「いやぁ、知らないですね。そのアニメって面白いんですか?」
あっ、紅白君オタクに対してその返しは……。
「面白いよ!!まずヒロイン全員可愛いんだ。それだけじゃなくみんな化物並に強くてね!!それで主人公は学園の中で最弱だと思われていてヒロイン達にバカにされていたんだけど、実は最強の戦士だったんだ!!それでいてね!!」
ほらぁ、今まで緩く行こうよ〜みたいな喋り方だったのに急に饒舌になっちゃったじゃないか……。
オタクは自分の好きな話になると何故か饒舌になるケース多過ぎだろと考えている内に次の授業の時間が迫っていった。
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