第158話 宴の前夜
さて、ここからは4日分をまとめて書くとする。
と言うのも料理教室を開催した日とあまり代わり映えしない日々が続いたからだ。
皆で料理を作って試食する。
料理の練習のかいあって、フレンズ達だけでもそこそこ美味しい料理が作れるようになっていた。
これには司書もニッコリである。
会場の方はセグロジャッカルが主導で良い感じに仕上げてくれた。
テーブルと椅子を並べるだけかと思いきや、会場の周辺やステージをしっかりと装飾を施していた。
……まぁ、一言で言うならとても独創的な飾り付けだった。
私の目には色々気になる点が多々あるが、フレンズ達がこれで良いと言うのならばそれで良いのだろう。
だが、やはり一言物申したい。
掃除機は壁に飾るものではないと……
次にオオウミガラス達もバンドの練習はバッチリらしい。
アデリーペンギンがきっと驚くよと言っていたので、明日のライブを楽しみにしておこう。
さて、明日はいよいよ祝勝会である。
スカイレースの授賞式も兼ねた盛大な催しだ。
明日は早く起きなくてはならないので今日は早めに寝ておこう。
寮の共有スペースを見渡せば、料理教室でやって来た何人かのフレンズが床で寝ている。
何処でも快適に寝られると言うのはある意味羨ましい特技だ。
もう私は直接固い地べたに寝るのは懲り懲りである。
あれは全然寝た気にならない。
明日の祝勝会が終わった後、私はジャパリパークの中心部であるセントラルエリアに向けて旅立つ。
そして、セントラルエリアで探索を終えれば、そのまま私はジャパリパークを出る。
もしかしたら、二度とゴコクエリアのフレンズ達と会えなくなるかもしれない。
だが、それでも私はセントラルエリアに向かい、ジャパリパークの外へ……
どうしようもない現実と向かい合わなければならない。
明日はゴコクエリアで過ごす最後の日になるだろう。
祝勝会にはゴコクエリアのほとんどのフレンズがやってくるようなので、世話になったフレンズにはしっかりと挨拶をしなくては……
ゴコクエリアのほとんどのフレンズと書いて思ったのだが、ゴコクエリアには何人のフレンズがいるのだろうか?
私が出会った限りでは同じ動物のフレンズは居なかった筈なので、基本的に一種類につきフレンズは1人と考えて良いだろう。
そして、ゴコクエリアに居る動物の種類は……
フレンズになっていない動物も居るだろうし……
考えれば考えるほどに検討が着かなくなる。
まぁ、司書があの広さで大丈夫と言ったのでゴコクエリアに暮らすフレンズはそう多くはないのだろう。
どのみち明日は有らん限りの料理を作る嵌めになるので、今日はしっかりと休まねば……
私は寝室に行く前に必要はないかもしれないと思いながらもフレンズ達に毛布を掛けて行く。
明日は戦争になる。
調理場でもおそらく祝勝会の会場でも……
全員に行き渡る量を作るのは骨が折れそうだ。
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