第146話 再考
深夜
シーサー達の表情が気になって、皆が寝静まった後に私は一人抜け出して日記を読み返す。
リウキウエリアで出会った超巨大セルリアンの断片について何か解釈の違いがあっただろうか?
そう思いながら異変についての見返すと、気になる記述を発見した。
異変の際に超巨大セルリアンは本体がやられたのと同時に周りの欠片もやられた。
リウキウエリアのセルリアンについて私は思い違いをしていたのかもしれない。
私はゴコクエリアでの出来事を踏まえて、私は異変の延長線上の出来事だと思った。
だが、本体がやられると連鎖的に分体も消える性質を考慮すると、ゴコクエリアの異変とは関係ないセルリアンだった可能性がある。
例の異変で直接超巨大セルリアンと戦った事がある守護けもののシーサー達はその事に気付いていたのかもしれない。
ならば、何故シーサー達は私達に協力を仰がなかったのだろうか?
例の異変より小規模だったとは言え、異変経験者である私達はいないよりはマシ程度に使える筈だ。
シーサー達は私達がいなくても問題ないと考えたのか?
もしくは、私達を送り返す事に意味があったのだろうか?
分からない。
情報不足だ。
それなりにジャパリパークの事に詳しくなったつもりではいたが、まだまだ未知の部分の方が圧倒的に多いのだろう。
それにしても、あの自立稼働兵器はどうやってあそこに流れ着いたのだろうか?
あれは水に浮くような軽い機体ではない。
海底を這って進んできたと考えるのが妥当だろう。
少なくともシロナガスクジラが確認した時点ではセルリアンではなく、自立稼働兵器として動いていた筈だ。
水に弱い自立稼働兵器がどうやって海の中を進んだのか?
防水として吸気口排気口を全て塞いだ上に、破損箇所に漏電対策を……されていた。
硬質化したセルリウムが付着していた。
……海に落ちる前にセルリアンが中に入り込んでいたのか?
だが、少なくともジャパリパークの周囲は海に囲まれてセルリアンと接触できるほど近付ける筈は───
まさか、そんな、いや、違う、だが、しかし、だとするなら……
セルリアンは始めから中にいた?
そうか、超巨大セルリアンと対峙したときに感じた既視感の正体は……!!
カコ博士。
もしも、ジャパリパークから無事帰ることが出来たのなら貴女に訪ねたいことがある。
自立稼働兵器の弱点を皆に教えてくれたのもは貴女だった。
貴女は自立稼働兵器に何が使われていたのか知っていたのではないだろうか?
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