第62話 暇潰し
暇潰しと言う言葉から分かるように、暇とは本来潰すものである。
特にイベントもなく一日ゆっくりと休めたおかげで今朝は快調であった。
しかし、私はあまりじっとしていられない性分だったらしい。
ショッピングエリアで何か役立つ物はないかと物色を始めたのだった。
次に向かうのは灼熱の大地とは対極とも言える極寒の大地。
砂漠と同様に準備に手を抜いてはならない厳しい環境だ。
さて、私が勝手に思っているだけだが、極寒の環境では如何にして寒さを凌ぐかが重要になって来る。
防寒具はもちろんのこと、火があれば大分違ってくる。
しかし、拠点を1ヶ所にして周辺を散策するのならともかく、目的の物を探しながらの移動を行うので、火は必要最低限に留めた方が良いだろう。
水は普通に持っていくと凍り付いてしまいそうだが、魔法瓶構造の水筒があれば問題はなさそうだ。
次は……
そんな感じで私は次のツンドラ地方に向けての準備を着々と進めていた。
その私の側でオオウミガラスが準備の様子を眺めている。
オオウミガラスは行く先に合わせて服を変える私を不思議に思っていたようで、何故服装を変えるのかと聞いてきた。
服装を変えるのはその環境に適応する為だ。
例えば、砂漠を旅するならば白色で通気性の良いゆったりとした服装を……
このように人は環境に合わせて服を変えることによって色んな場所で活動出来るのだ。
人は環境に合わせて服を着たり、自分達の住めるように環境を整えたりと言った工夫を行う。
今では真偽は不明だが、天候すら操る技術が開発されていたと聞くが……
私はここで真偽は不明と書いたが、その実は実用化されていた可能性も高い事に気が付いた。
現在のジャパリパークは様々な気候の土地が一つの島の中で、互いに相殺することなく共存している。
正しく天候の制御と言えないだろうか?
もしかしたら、ジャパリパークの何処かに天候を制御する装置が存在しているのかもしれない。
たが、以前に司書が言っていたサンドスターによる影響で気候が変化していると言う話と合わせると、サンドスターが大気中に溢れるジャパリパークと言う特殊な環境下でしか機能しない可能性も高い。
仮に外で使えなかったとしても、解析によって得られる技術は多いに役に立つ……だろうか?
技術と言うのは必ず正の側面と負の側面を併せ持つものだ。
まぁ、見付からない内は取らぬタヌキの皮算用になるわけだが……
そう言えば、タヌキのフレンズも存在するのだろうか?
少々脱線し過ぎたか。
とりあえず、私は次のツンドラ地方へ旅をするのに必要と思われる道具を一通り揃える事ができた。
そんな時にふとレジが目に入る。
本来ならばここで商品の会計を済ますのだが、人が居ない以上はただの飾りにしかなっていない。
現在のジャパリパークはジャパリまんが通貨の代わりとして機能しているが、昔はどの通貨が使われていたのだろうか?
ちょっとした知的好奇心に駆られて私はレジへと向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます