第57話 次の旅に向けて
本来ならば今日はゆっくり休む予定だったが、イッカクが思わぬ大物を持ってきた為ゆっくり休む所では無くなった。
たが、その分美味しい思いもしたので、個人的には大満足だ。
しかし、不要な部分を捨てたとは言え、かなりの量のマグロが余ってしまった。
これを消費し尽くすまで何日掛かるやら……
さて、これから一週間は休養する予定だが、私もただゆっくりとする訳ではない。
次の目的地の下調べをしなければならない。
しかし、前回の砂漠地方と違って今回は有力な情報提供者が存在する。
オオウミガラスだ。
彼女は元ツンドラ地方の海岸出身であり、ツンドラ地方の事は任せてとのことだ。
これ程心強い味方は他に居ないだろう。
さて、食料を2日分増やすとしようか。
心強い味方と頼れる味方と言うのは必ずしも=で結ばれるとは限らない。
体が環境に適応しているオオウミガラスとは違って、私は私で防寒具やらを準備しなければならないのだ。
それに行く先々でトラブルに巻き込まれている私としては、何かに備えていないと不安で仕方がない。
とは言ったものの、今のところ思い付く追加で行う対策としては食料を増やすか、セルリアン対策で何か強烈な光を発する物を持つか。
持って行く食料としてはジャパリまんがあれば良いのだが、生憎と私はジャパリまんを配給しているボス達の行方を知らない。
お礼として貰っているジャパリまんも今度の旅で備蓄が無くなってしまうだろう。
早い内にボスとの接触も考えた方が良いかもしれない。
それでは、次に向かうツンドラ地方の情報を取り纏める。
ツンドラ地方は一年中雪と氷に閉ざされた極寒の地方で、夏の僅かな期間のみ雪が溶けて地面が顔を出す。
その後、少し寒くなると一気に大雪が降って元通りになってしまうらしい。
雪が降ることは少ないが、時折強風に雪が巻き上げられて、吹雪になるのだと言う。
おそらく、それは地吹雪と言うものだろう。
ツンドラ地方の北部は針葉樹の森となっており、南部に向かうほどに植物が少なくなっていく。
南端にある海岸は流氷で覆われており、そこにはペンギンのフレンズ等が暮らしている。
ペンギンのフレンズと言えば、ペパプと言うアイドルグループが存在していたらしいが、果たして現在も居るのだろうか?
そもそも、フレンズに機械の類いが使えるとは思えないので、今も存在しているかは疑わしい。
更に言えば、既に世代交代をしてしまっているので、今世代のペンギンのフレンズ達がアイドルに興味があるかどうかも分からない。
だが、ジャパリパーク中に名を轟かせて、世代交代をした後も語り継がれる伝説の存在だ。
実際に歌って踊ってアイドルしているところを見てみたいので、機会があればアイドルをやるように唆してみるのも良いかもしれない。
他にも何かあるような気配を漂わせているが、そこは行ってみてのお楽しみにしたいようだ。
楽しみにしておこう。
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